吾輩は癌である。大腸はもうない。

「一津田さん、コレねぇ、癌です。」


おそらくは皆、突然の出来事なのだろう。

僕にも「癌告知」は唐突にやってきた。

今や2人に1人が癌になる時代と言われる。

でもね、これが全っ然実感無いんです。

僕の場合も間違いなく1ミリの疑いも無く、もちろん癌になどならずに80代まで当たり前に生きていくと思っていた。

正しく青天の霹靂である。


ことの発端は今年(2023年)の6月に受けた内視鏡検査だった。

コロナ禍が重なり6年受けてなかった内視鏡検査を受けた。

内視鏡検査はめちゃくちゃ痛い。

痛い上に屈辱的(個人差があります)。

6年におよび血液検査で出来る限りの検査をしてもらい、僕は逃げに逃げていた。

「そろそろやらなくちゃイカンな〜」と思いながら。

「でもやりたくね〜な〜」と思いながら。


やりたかないケド、やらなくちゃいけない事は、大嫌いな梅雨の時期に終わらしてしまおうと、6月22日に内視鏡検査を受けた。

普段なら痛み止めを点滴してもらいながら、検査をしてもらうのだが、今回は痛み止めをせずに受けた。

痛み止めをすると1時間以上は頭がボーッとするんです。

今回は20分位の検査の痛みは我慢して、頑張った分は大好きな寿司を食べに行こうと思っていたから。


しかし、普段やらない事はやるべきじゃないな、と。


検査が始まって3分位。


ドクターがとんでもない事を言い放つ。

「あれ!?これダメだな〜。
おそらく、これダメだわ。
一津田さん、これダメだと思う。」

検査を受けた街中のドクターが何の躊躇もなく、普通の声量で言い放つではありませんか!?


医者の「これダメ」と「しまった!」は絶対に言っちゃいけないセリフ。

僕の症状よりも、あなたのその気遣い出来ないその言葉の方が「全然ダメ」だわ。



そこからは病院中に音が響くんじゃないか?という程、心臓が「ドン!ドン!」と音を立てた。

心臓が音を立てても逃れきれない、痛くて屈辱的な内視鏡はその後30分続いた。
 

検査が終わった後にドクターのダメ押し。

「一津田さん、これダメだから検査結果が出る時に大きな病院を予約しましょう。」   


やっぱりダメなんかい!笑と。



更に1週間後検査結果を聞きにいった時の不躾なコメントが最初の

「一津田さん、コレねぇ、癌です。」

だ。


もちろん、検査後の寿司の味なんて覚えていない。

生まれて初めて「死」を意識した体験はまだまだ始まりに過ぎなかった。


続く。


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こちらの投稿では癌サバイバーとして、なるべく軽く明るく現在も続く闘病記を綴って行こうと思います。

続編も是非ご期待下さい。

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