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愛情があってもすれ違うのは当たり前

がん治療に臨む時、実体験として感じる部分は、
当事者と家族と医療者との間で時間軸と情報軸でのズレが出てくる点かなと感じます。

当事者は当然未来を渇望していて、ときには今を通り越して、未来を模索している時があります。
家族はそこまで思考が追いつかず、何もできないという無力感から、今で精一杯になってしまい、今目の前のリスクが、将来のメリットよりも大きく見えてしまう可能性がある。

この状態で、かつ医療者との間に絶対的な知識の差を持った状態で説明を聞きます。
希望をもって望みたいと思う人には、希望の部分が太字・赤文字に見えるくらいのバイアスがかかるし、リスクを考慮する人には、リスクの部分ばかりが大きく見えてしまう。

なので、同じ話を聞いたはずなのに、解釈の違いが出てしまう。
でもそれを医者の前でできるか、というとそうではない。
忙しいのは見ていても当然伝わるし、どうしても人間は権威には弱い面もあります。
質問したり、話を遮るというのは簡単なことではありません。

その結果、知識の足らない、志向性の違う両者での話し合いになり、結果的に意見がかみ合わない。

これにより、意思決定をする時に一体感が生まれないことはきっとあるだろうと感じますね。

本当に難しいことだなと日々感じます。

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