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生殖補助医療という言葉

ART、と聞くと一般的には、芸術のARTを想像しますね。
僕たちの領域ではARTと聞けば、体外受精などの高度な不妊治療が頭に浮かびます。

ただ、このARTには2つの意訳があって、
ART(Assited Reprocutive Technology):生殖補助医療
ART(Advanced Reproductive Technology):高度生殖医療
とされています。

僕は断然前者が好きで、一応その理由もあるので紹介しておきたいと思います。

僕が生殖補助医療という言葉を推す理由

これがほとんどといってもいいのですが、高度生殖医療って、
レベルの高い生殖医療やってるぜ!」と強く感じます。

僕自身は、技術レベルはもちろん高いのだけど、この医療で行っていることは、生殖の補助である、という認識が強いです。

要は言葉のニュアンスですが、ニュアンスって思っているよりも大事で、使う言葉でその重要性とか認識って全然変わってしまいます。

なんで今回うまくいったのか、ということに対して100%の確信を持って答えられる方は果たしてどの程度いるでしょうか。

あらゆる限りの方法をやり尽くしても、100%には到底ならないのが不妊治療です。

そういう意味では、常にグレーな部分は残っていて、その中で患者さんと一緒に少しでも可能性が高くなるように模索する必要性があります。

また、未だに「体外受精までやって・・・」というように、この治療の敷居を必要以上に高く持つ人もいます。
もちろん、価値観を否定はしませんが、あくまでできるのは補助なんですよと言いたいですし、その補助によって、先天異常も増えないですし、発育も健康であることはわかっています。
そこまで先行きが見えているものの、何が高度であろうか、と感じることもあります。

なので、僕は生殖補助医療、という言葉を使用することを心がけています。

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