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〇〇したから妊娠したには気をつけよう

そもそも妊娠というのは、目に見えないところで起きています。
タイミングの時でさえ、直接的に今排卵しているか?さえわかりません。
受精したか、正常に発育しているか、染色体異常はないか、着床しているか。
ほとんどの場合、目視で確認することはできないわけです。
(体外受精の場合は別ですが)

それがあるがゆえに、

体質改善で妊娠しやすい体作りを!

とか

〇〇サプリで妊娠した!

なんていう広告も多数あり、実際にそれを見たことのある人も多いのではないでしょうか。

僕自身の考えとして、これは、
妊娠をした当事者が自分自身に向けて使うべき言葉だと考えています。

妊活をされている方は、たくさんの努力、試行錯誤をしています。
失敗の数が多いほど、成功した時の喜びは計り知れません。

なのに「なんかよくわからないけど、妊娠した!」では、うまく腹落ちしません。

なので、その直前にしたことに原因を求めたくなるのは当然です。
妊娠した直前に、新しいサプリを取り入れたのかもしれない。
整体にいってリラックスしたのかもしれない。
アロマを取り入れたのかもしれない。
それらのどれかが「あたった」と考えたくもなるでしょう。

それはあくまで個人的な問題なので、「本当にそうなのか?」という追求は不要だと思うのです。

しかし、人に向かって使うことはオススメしません。

その人の不妊原因もわからず、やみくもに体質改善!とかサプリ使用で妊娠ができるのであれば、医療は不要です。

実際のところ、妊娠はとても生物学というか、科学的なものです。

それでいて、例えば40歳の患者さんがいるとして、体外受精の妊娠率は30%、タイミングの妊娠率は2%だとします。

体外受精の時には妊娠せず、治療を休んでいる間にたまたまとったタイミングで妊娠する。

そんなこともありますが、確率論で言えば、起こりうる話です。

そして、それがなぜなのかを説明することはできませんし、
説明できる方がよほどおかしいようにも思います。

厚生労働省のデータでは、一般市民における2回連続の流産確率は4.2%あり、3回以上の流産率は0.88%です。
毎年3.1万人の女性が2回以上の流産をしており、そのうち6600人は3回以上の流産を経験しています。
ですが、3回以上の流産をされている方でも約半数は無治療で次回妊娠時に継続妊娠している、という報告もあるのです。

データはあくまで統計であり、様々な方の奇跡と悲劇がおり混ざっている側面もあることを忘れてはいけませんし、原因を一つに絞り込むことは医療の力を最大限持ってしてもできることではないのが実態だと思います。

ですから、僕は○○したから妊娠した!というアピールする人を警戒してしまうし、信用しません。


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