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胚培養士ミズイロ読んでみた

胚培養士ミズイロを読んでみました。
個人的には、これからの展開が楽しみ、という印象でした。

クリニックによって、バランスというかフォーメーションは異なります。
培養士の位置付けっていうんですかね。

この漫画の中の施設は、培養士の方をかなり前に出している印象を受けますよね。

でも多分、実際には培養士と話したこともない、という人も多いはずです。

培養士は言葉で何かを解決する人々ではなく、その腕と知恵で、卵や精子を助ける(補助する)職種の方々だと僕は思っています。

不妊治療をしている患者さんの立場で考えると、クリーンルームの中はまるでブラックボックスだと思うのです。

そういうあまり語られることのない部分も、この漫画を通して伝わるといいなと思いますし、なんちゃって培養士みたいな人が否定されて良いと思う。

僕は今回のシーンでいうと、かなり序盤の方の、早く受精卵を触りたいという若手スタッフに対して、ベテランの方がまだよ、と制するシーンでした。
(厳しすぎるかな)

今後、AIなりDeepLearningの浸透で、培養士の業務は平準化が進む可能性が多いにあると思います。もしかしたら、顕微授精はすべてロボットが行うようになるかもしれません。

すでに受精卵の評価ということについては、タイムラプスが人の仕事を奪いだしているのが事実です。

ただ、生殖医療で扱うものは、貴重な生命の源になる細胞であって、
その大元の患者さんの願いや苦悩、色々なものを背負っていく業務だと思います。

だからこそ、陽性反応の「よし!」なわけですよね。

数字で図りきれない部分が当然出てくるし、災害時などの緊急判断は結局前例のない瞬間的な判断を求められます。
だからこそ、本物の培養士の方には、高い倫理感が備わっているといつも感じます。

また、そういう倫理観がいかに秀でていても、スペシャリストである培養士という職種では、技術がなければ生存できないという無情さも伝わるといいと思います。

そうやって考えると、培養士という仕事はとても狭き門で、本当に凄まじいことをしている仕事だと思うし、心から敬意を表します。

連載が楽しみです。(久々に週刊誌を買ったら、グラビアバーンって感じで、ちょっと恥ずかしかったです)

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