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医療者のタメ語について

今の世代も言うのでしょうか。

タメ語。

僕が医療領域に踏み込んで初めて感じた強烈な違和感は、時折見られる医療者から患者さんに向けたタメ語でした。

通常、サービス業などの観点からは、サービス側が顧客にタメ語を使うことはありませんから、あぁ医療はサービス業ではないんだな、という認識をしました。

ただ、現実的に考えると、日本の医療は寄付などがなく、患者さんからいただくお金でもって、経営が成立しています。

なので、病気の方が減ったり、選ばれるということが減って、患者が減ってしまった場合、医療機関は経営が成り立たず、倒産となるのです。

これ、構造的には何も通常のサービス業と変わらないじゃないか、と思ったものです。

だから、僕はタメ語に対しては、半分肯定、半分否定、という立場です。

タメ語の持つやや侮辱的な響き

まず、タメ語はなんでダメだと思うのか、ですが、
そこに含まれる相手を軽視しているような侮辱的な響きがどうしてもあるからです。

特に不妊症の場合には、身体的には健康的で、機能も問題ないという方がほとんどです。
それでいて、連続する失敗に対して、心が深く、多数に傷ついていることが多いと思うのです。

その傷口がゆえに、過敏な状態になっている人もいらっしゃるわけですから、少しのニュアンスで大変傷ついたり、怒りを買ってしまうのも無茶無いなと思います。

また、僕らは年功序列方の教育を小さなころから受けているので、年上を敬うということが刷り込まれています。
不妊治療の施設においては、患者さんの方がスタッフより年上ということも多くありますので、一層の注意が必要だと思います。

タメ語の持つユーモア

逆に肯定的にとらえている部分としては、ユーモアさやフレンドリーさ、優しさという意味です。

これはいつも丁寧にコミュニケーションをしている人が突然用いるからこそ生まれるギャップでもあると思います。

これは日常的なことでもなんとなく想像できると思います。

タメ語には距離を縮める特性があります。

持論

僕の持論としては、患者さんに意図的にタメ語を使うタイミングはあっても、何もなしに使うことは絶対にしないようにしています。

患者さんの歴史や背景を僕は知らないし、患者さんも僕のことを知らないです。要は完全な他人です。

だから、初めて人に会う時と同じように、敬意と感謝を込めて、できるだけ丁寧な対応をしたいと思います。

仮に僕が同じ病気であったとしても、悩み方も感じ方もすべて違うのだから、変に仲間的にとらえずに、しっかりと自分のできるサービスを提供すべき相手として捉えて、向き合いたいと思ったのでした。

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