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医療者と患者をつなぐナビゲーター

日経新聞さんのnote企画に参加したみたいと思います。

はてさて、天職だと感じた瞬間、ということですが、
何をもって、天職だなぁって感じるでしょうか。

僕は「この仕事をしていてよかったな」と思うことがその定義に当てはまると考えています。

今の僕の仕事はこの感情にあふれているからこそ、天職だと感じています。

長所と短所

僕自身の自覚と実体験に基づく、仕事上での長所と短所は、

長所

  • 人との関係づくりのためのコミュニケーション

  • プレゼンテーション

  • 真似上手(即応性が高い)

短所

  • 目標管理、特にプレッシャーに弱い

  • 人への指導

  • 臆病

だと思っています。
文系大学出身で話し上手、プレゼン上手だった僕は、営業職としてキャリアをスタートしますが、大した成績も挙げられない期間が長く、大きな失敗もたくさんします。
それでも、僕が選択できる仕事は「営業しかない」と、深く疑わずに考えていたのです。

短所と長所といってもグラデーションがあり、どうやら「致命的な」短所というものが存在するようです。
僕の場合、それがこの目標管理プレッシャーに弱いという短所だったのです。
プレッシャーをかけられすぎると逃げてしまう僕の修正は、営業には絶対に向かない資質でしたが、かれこれ10年ほど、その致命的短所ということに気が付かずに、うまくいかない日々を過ごし、どうにかこの短所を直せないものかと悪戦苦闘を続け、身体も心も限界を迎え、逃げ出してしまいます。

一から仕事をやり直そうという決意

医療職に付く前の転職活動で決めていたことは、
「いちからビジネスマンとして仕事をやりなおそう」
「これまでの経験はすべて捨てよう」

というものでした。

心がもう目標管理についていけないという信号を出していました。

なので、営業的要素がない仕事を選択していった結果、今の職場を選択することとなります。
また、この時、本当に運命ってあるんだなと思いますが、私の大好きな姉(スペイン在住)からの紹介でした。

以下でも紹介しています。

真似上手(即応性)が活きてくる

営業要素のない仕事ということをほとんどしたことがない僕でしたが、
中小企業は人材不足でもあり、仕事の宝庫でした。
Mustな業務だけで手一杯であり、Betterな仕事は、多領域に渡り、大量に散在していました。
即応性が高い私は、総務、人事などの各領域の知り合いに話を聞いたり、勉強会や書籍、ニュースサイト、Web記事などを探りまくって、その領域の仕事の仕方を調べては実践ということを繰り返し、どうにか日々、承認されるだけのパフォーマンスを発揮することができました。
この時はまだ、今の職場にいるというだけで、天職には巡り合っていない状態です。
ただただ必死に仕事していただけ。とりあえず毎日打席に立ってるって感じです。
今までの経験を活かした業種をもし選択していたら、これほど必死になることもなかったろうと思います。

信頼が積み上がるとチャンスが降ってくる

そんなことを約2年繰り返し、不妊治療の知識をみにつけるためにと論文を700本も読んだであろう2018年にチャンスが訪れ、僕は「情報提供」という仕事を開始します。

詳細の経緯は以下のnoteで紹介しています。

医療者でもない僕が、こうしたチャンスに恵まれたのは、ラッキーとしか思えません。
ただ、ラッキーを引き寄せるために、あの毎日打席に立ち続ける日々があったのだろうと思います。

同時に、致命的短所をかかえた状態で打席に立っていても、この経験はできなかったであろうと思います。

今でもプレッシャーを感じることは沢山ありますが、目標管理的なプレッシャーではないこともあり、日々クリエイティブに、自分の表現を追求しています。

コミュニケーション上手じゃない医療者と患者をつないでいく

医療者の中には、コミュニケーションがうまくない方もいます。
多くの医療者は、特段接遇のトレーニングを受けていないとか、
その重要性を認識していない人も多いです。

また、日本では特にパターナリズムが横行しており、白衣を着た医師はまさに「権威の象徴」となってしまいがちです。

なので、わかっていなくても、

「質問はありませんか?(ありませんよね?)」

という感じになってしまい、患者さん側の理解がうまくいかないことが多いように思います。

そこをつなぐのが僕の役割です。
実際に僕の持つ資格はがん・生殖医療ナビゲーターという資格ですが、
医療者は多くの場合、患者さんよりもかなり年上かつ専門的です。
患者さんは若年であり、がんにより精神的・身体的にもかなり弱った状態で、フェアな状態を作るのがそもそも難しい領域です。

その中で情報提供をしながら、

  • 患者さんの理解の礎になる知識を積み上げていくことで、医療者の伝えんとする意図を汲み取れるようになる

  • 医療者がなぜそのような考えをするのか簡単に紹介できる

  • 患者さんが抱えているニーズを来院前にキャッチすることで、来院以降にそのニーズを医療者が把握した状態を作ることができる

そんな状態をつくれるようにしています。

患者さんからの言葉

このようなことをしていると、患者さんからは、
「そういう話が聞きたかったんです」
というリアクションがあることがあります。

実は僕は医療者が伝えようとしていることと何も違う意図のことは言っていません。ただ、患者さんという一般的な立場の方に向けた言語化をしているだけです。
こうしたリアクションが得られた時、
「あぁ、この仕事をしていてよかったな」
と思います。

医療者からの言葉

医療者からは、
「事前に説明をしておいてもらえたので、診察がとてもスムーズだったよ」
というフィードバックをもらうことが多いですね。

医療者は一人で多くの患者さんを診察しなければいけません。
このスムーズという言葉には、目の前の患者さんとのコミュニケーションが円滑に進んだという側面と、その他の患者さんのための時間が創出できたという2つの意味が含まれていると僕は捉えています。

また、僕はしっかりとこういう言葉を受け取ることで、自分の評価を定める性質があります。なので、評価はしっかりもらえるように働きかけます。
これも天職だと感じるための必要なアクションだと思います。
自分自身のトリガーを知ることです。

営業しかできないって思っていた僕が、何かを受注することもないけれど、
長所だけをひたすらに活かして、こうして人の役に立ち、時に人を救う。
こんな嬉しいことはない。

営業職の時には感じることのできなかった感覚ですが、
僕の人生はまだ続きます。もしかしたら、もっとすごい仕事が待っているかもしれない。それもまた楽しみにしながら、今日も仕事をがんばります。

#天職だと感じた瞬間

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