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この時期鍋と日本酒やでなぁ

今日からは日本酒のマリアージュについて色々お話ししようと思います。この季節の旬です。「河豚」に合わせてみましょう。

基本的にこの時期は「白身」の魚が旬を迎えます。寒ブリや鱈なんかもそうですね。
白身の魚を食べる時、多くはこの時期やっぱり「鍋」ですよね。西の河豚、東の鮟鱇なんて言いますが、確かに大阪ではあまり、鮟鱇鍋は見かけませんね。やっぱり「てっちり」です。この「ちり」というのは基本水炊きの鍋のことですね。ポン酢で頂くやつ。

てっちりなんかは特に「ポン酢」の味わいも重要なポイントだと思いませんか?しかもこのポン酢っていうのも面白い歴史がありまして、もともとは飲み物だったという説があります。しかもアルコール飲料だったそうですよ。以前、探偵!ナイトスクープで、ポン酢を旨いと飲む外国人が取り上げられていましたが、この方のDNAには、やはりポン酢は飲み物だと刷り込まれているのかもしれません。ちなみにこのアルコール飲料というのは、蒸留酒に果汁や砂糖を混ぜたカクテルで、ポンチ・パンチという飲み物がありまして、これをオランダ語で言うとポンスと言ったそうで、そのスに日本の酢を当てはめたのがポン酢の始まりなんだそうです。まぁこういうのは諸説ありますから、これだけじゃない!というご意見もあろうかと思いますが。

話を鍋に戻します。水炊きの鍋っていうのは、やはりもともと関西の方の料理だそうで、うどんのつゆの色の違いなんかからもわかりますが、「出汁」の文化の違いがこういうところにも表れてるんですね。やはり料理というのは、考えれば考えるだけ面白いですねぇ。鍋の名前は「~すき」「~ちり」と大体2つに分けられますがこの「すき」「ちり」も語れば面白い。けど、今日の話題からは外れるのでまたそのうち。

ですが逸れついでに言うと、河豚という魚はとれとれピチピチがうまいわけではありません。
死後硬直が解ける死後1日後~1.5日後にうま味が増します。アミノ酸が解け出すんですね。ちゃんとしたお店なら予約を聞いてしか出さないし、時間を逆算して〆ているはずです。ですので、よく「まだぴくぴくしてますよ」とやたら新鮮自慢をする料理屋さんがありますが、そんな料理屋で河豚を食べるのはお金を捨てるようなもんです。そんなお店はそもそも素材の事さえ分かっていない店なので行かない方がいいと断言します。また話がそれましたね。そのうま味、イノシン酸と相性がいいのは、やはり日本酒で燗に適したお酒を選びたい。
そしてまたこのポン酢ってやつも酒に合うんですね。これクエン酸が酒の酸とバッチリ相性がいいんです。
やはり酸味が多く感じられて、あたたかい鍋をあたたかく頂いてホコホコしたい!そんなあなたは燗酒ですね。燗に向いているお酒というのはぶっちぎりで個人的には「山廃仕込み」のお酒をお勧めしますが、殊てっちり関して言うなら山廃よりも本醸造、または普通に純米酒のやや濃醇なタイプのお酒をお勧めします。山廃独特の香りが河豚の繊細な味を少し邪魔してしまうような気がしますから。日本酒度-2~+3あたりのやや甘口からやや辛口程度のものがいいですね。酸度は1.2~1.8くらいが目安です。

あえて銘柄指定するならコレ→元朝純米酒。https://store.shopping.yahoo.co.jp/gancho/gancho-j18.html

余談ですが特にてっちりを食べようと思っているのに「取り敢えずビール」というお店もあまりお勧めできません。ビールは極端に冷たいので舌の感覚を麻痺させてしまいます。繊細な味がわからなくなってしまいますよ。わかられたら困る店かもしれませんから、そういうものなぁと。




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