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【先進医療】重粒子線・陽子線治療

X線:皮膚の表面近くで放射線のエネルギーが最大になり、体の奥へ進むほど線量が減少するという性質を持っている。

重粒子線・陽子線:体の中のある深さにおいて急激に線量が増加するので、がん病巣に高い放射線量を集中させることができ、正常組織への影響が少ないと言われている。

放射線のうち電子より重いものを粒子線、ヘリウムイオン線より重いものを重粒子線と呼びます。

重粒子線治療は重粒子線を利用した放射線治療で、主に炭素イオンが用いられています。


▼重粒子線治療

重粒子線治療による3年局所制御率は早期非小細胞肺がんでは90%を上回り、肝がんでは85~95%、前立腺がんではほぼ100%と良好な治療成績を示しています。局所制御率とは、治療により腫瘍が縮小した割合、もしくは腫瘍の成長が止まった割合です。

重粒子線治療の費用は約300万円(自己負担)で、これに通常の治療と共通する保険診療部分(診察、検査、入院、薬など)の3割負担が必要になります。2016年4月から、切除ができない骨軟部腫瘍の重粒子線治療については保険が使えるようになって患者さんの負担は大幅に軽減されることになります。

▼陽子線治療

がん病巣へ最大限のエネルギーを発揮し、コントロールできる陽子線治療

陽子線治療に向いていると考えられるがんは、頭頚部(鼻腔や副鼻腔、唾液腺・頭蓋底など)、肺、肝臓、前立腺、膀胱などの原発性がんに加え、直腸がん術後の骨盤内再発や単発性の転移性腫瘍(肝転移、肺転移)などです。従来の放射線治療と比較すると、陽子線治療は、周囲の重要な臓器(狙った病巣以外)にあたる放射線量が少ないとされているからです。

陽子線は治療装置の照射範囲があるため10cm以上のがんの場合は技術的に治療が難しくなる場合があります。原発巣から複数転移(肺、肝臓、骨、脳など)がある場合や、リンパ節へ転移が広がっている場合も陽子線治療のような局所的治療だけでは治療効果が不十分と考えられるため、この場合全身的な化学療法などが選択されます。

陽子線治療は250万~300万ほど治療費がかかります。


▼副鼻腔がん

診療ガイドラインでは手術・放射線治療・抗がん剤治療の三大治療が案内される。

多くの場合は手術で切除を薦められる。

副鼻腔がんの場合顔の一部を取るので、顔の形が変わってしまう。

ひどい場合だと、鼻や目も取らなければならない。

「陽子線治療」なら手術で傷つける事なく、寛解できる可能性がある。

情報とお金が大切。