見出し画像

【中止】11/12(金)21:00~ フリトーク「多様性」/【中止】11/13(土)10:00~ フリダンス「フリー選曲」/【中止】11/13(土)21:00~深会「エターナルズ」

MCU映画最新作の『エターナルズ』、昨年の個人的ベスト映画『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督×大好きなMCUということでメチャクチャ期待してたんですけどね…。

MCUの前作の『シャン・チー/テン・リングスの伝説』も今ひとつハマれず…。

両作ともに前半はかなり楽しめたというか、今までに観たことが無いMCU作品に興奮して観られたんですが、まあ、話としての詰め込み具合が過多なのと、ちゃんと一人ひとりのキャラを描かない(時間的に描けない?)ので、入り込めない。『DUNE』のように、ちゃんと観える景色が新鮮だったり、メチャクチャ美しかったりすれば、入り込めなくても楽しめるんですが、それも無い。アップカットを増やしたと思えば、せわしなくカメラを切り替えたりするので、クロエ・ジャオの得意とする自然を背景とした人の横移動の美しさみたいなものも味わわせてくれない。せっかく、監督らしい西部劇の舞台のような荒野が舞台になるシーンもあるんですが、サラッと終わってしまうんですわ。

原作そのものが、映像化が難しい作品だったと思うんで、職人監督としては見事に対応したと思ってます。

ただ、それなら、わざわざクロエ・ジャオという、とてつもない才能に撮らせる必要があったのか。『ノマドランド』のアカデミー賞作品賞受賞前には撮り終えていた(『ノマドランド』以前から、注目はされていた)ので、かなり先見の明があるし、本人の経験値としては、かなり大きかったとは思いますが、それでも、面白くなかったことは、ちゃんと残しておいた方が良いと思う。

アメリカの映画評論サイト「Rotten Tomatoes」でも批評家の評価はかなり低いです。

Eternals - Rotten Tomatoes https://www.rottentomatoes.com/m/eternals

シャン・チーはめっちゃ高いですけどね。

Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings - Rotten Tomatoes https://www.rottentomatoes.com/m/shang_chi_and_the_legend_of_the_ten_rings

なぜか、Twitterでもフィルマークスでも、日本国内では評判が良かったり。

エターナルズ - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画 https://filmarks.com/movies/84270

ただ、そこで語られる高評価の理由のほとんどが、キャスティングについてなんですよね。『エターナルズ』の感想で語られがちな「多様性」。

『エターナルズ』多様性に富んだキャスティングは「押し付けられていない」 ─ クロエ・ジャオ監督のこだわり、出演者が明かす | THE RIVER https://theriver.jp/eternals-diversity-not-forced/

ジェンマ・チャンが「当然のこと」になってと願う『エターナルズ』にある「特別なこと」とは? - フロントロウ -海外セレブ&海外カルチャー情報を発信 https://front-row.jp/_ct/17493578

たしかに、白人男性ヒーローがほとんどだった、かつてのMCUに比べると、女性や黒人はもちろんのこと、中国系もインド系も人種的には多様になって来てますし、年代も幅広く、聴覚障害者のヒーローも新鮮ではありましたし、彼女の存在の意義深さも感じます。

ただ、これを指して多様性を評価するのはどうなのか。

もちろん、エターナルズのメンバーには、様々な神話のイメージが重ねられている(そこら辺の宗教観の扱いも微妙だとは思いますが…)ので、人種的に限られてしまうのは仕方ないとしても、多様性を意識したキャスティングだと言うなら、ヒーロー側にイスラム系が居ないのも世界的な人口割合的に違和感があります。エターナルズの一人であるファストスの同性カップルの相手はイスラム系ですが、ヒーローとしては描かれていない。

MCU『エターナルズ』が上映禁止、俳優が「政府に対して敬意を一切持っていない」と表明 - フロントロウ -海外セレブ&海外カルチャー情報を発信 https://front-row.jp/_ct/17494419

もちろん日本人はおろか日系人のヒーローも出てないですし、人種だけで見ても、描かれていない人種は数多くあります。

人種だけでなく、性別も体型も宗教も文化も多様な中で、それぞれをどこまで描けば良いのか。多様に描けば良いわけではないと思います。

様々な人種を登場させたこと自体は評価を受けるべきだとは思いますし、僕個人としても彼女ら・彼らの登場シーンに感動しましたが、多様性あるっぽいキャスティングをしたことと、作品の評価は別だと思います。物語の語り口や描き方としても評価できるポイントは数多くありましたが、そこら辺を語るのは、映画として面白いことが前提でしょう。

もっと、この映画がなぜ面白いかを、しっかりと書いた文章が読みたいところです。

とまあ、多様性について論じられる時に色々とモヤモヤすることは多いもの。絶対に、その論じられていることから漏れる人が出てしまいますからね。誰か一人でも、話の外に出してしまったら、その場で多様性を論じる価値は無いと思います。「多様性」は、汎ゆる人を包摂することばであってほしいもの。

とはいえ、それは僕の価値観なので、色々な意見があることでしょう。そんな多様な価値観を、気兼ねなくぶつけ合えるのが匿名Zoom。「多様性」について、語らいたいものです。

ですが、中止です。もう時間が過ぎてしまいました。

深会のテーマも『エターナルズ』にしましたが中止です。これは、感想の語りを聴きたいなあ。