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中小企業診断士は不要な資格?

結論から申し上げると、中小企業診断士は一部の方にとって非常に有益な資格だと考えています。


X(旧Twitter)でも中小企業診断士の資格は不要どころか、名刺に記載があるだけで、微妙な人扱いをされるようなポストが見受けられますが、実際はどうなのでしょうか。

中小企業診断士に合格してから2年が経過した私が、体験をもとにお伝えします。

中小企業診断士ってどんな資格?

中小企業診断士は、経営コンサルタントとしての唯一の国家資格です。企業をさまざまな角度から診断し、適切なアドバイスができる人を認定する資格で、最近では、日本版のMBA(経営学修士)とも言われています。マネジメントスキルを身につけてキャリアアップしたい人たちの間で人気の資格です。

中小企業診断士の資格を取得すると、経営全体を幅広く診断し、解決策を立案できる能力が身につきます。厳しい経営環境の中、企業は専門知識だけでなくさまざまな経営課題を解決してくれる人材を求めていますので、中小企業診断士は、多様なビジネスシーンでの活躍が期待されています。経営コンサルタントとして独立したい方はもちろん、企業の中でキャリアアップしたい人や、よりマネジメント的な仕事にキャリアチェンジしたい人に有効な資格と言われています。

そして、中小企業診断士になるためには一次試験と二次試験に合格する必要があり、必要な勉強時間は約1000時間と言われています。
試験は年1回ということもあり、合格するまでに2年程度を要すことが多い資格です。

なぜ良く不要と言われる資格なのか

大きく理由は2つあります。

  • 独占業務がない資格だから

  • 知識が身についても実際に会社を経営する能力は別だから

中小企業診断士は税理士や公認会計士、弁護士、行政書士などとは違い、独占業務が存在しません。そのため資格をとったとはいえ、仕事にありつけるわけではないのです。合格までに1000時間かかることからも、行政書士や社労士などと比較され、コスパが良くない資格に見えてしまいます。

また、実際の企業経営の現場では知識よりも経験などが重宝され、当然ながら机上の空論ではなく、実行力が求められます。実務経験のない診断士は実際に企業を改善したり、経営能力が欠けていると見られることも不要と言われる要素の1つです。

取得するメリットとデメリット

取得するメリットとデメリットを表にしてまとめてみました。
メリットは経営全般の知識を学ぶことができる点と、一定の努力ができる人間だと評価される点にあり、デメリットとしては先ほどと同様、他の資格のほうが、安定して食っていく分には良いということが言えそうです。


実際に中小企業診断士を取得してどう思うか。

私は合格から2年たち、結果として受験してよかったと思っています。
日々の業務では得られない体系的な知識を得られたましたし、
もちろん、業務でも必要な財務や経営学の知識が身についたことで仕事上での評価も大きく上がりました。
また、サラリーマンといえども企業に属している存在そして、企業の構造や仕組みを理解できたことは、業務遂行上でも大変役に立っています。

また、社内でも20代半ばで取得したこともあり、中小企業診断士資格を取ったことによって、別の部署の先輩などからお声がけいただくこともあり、確実に私のプレゼンスは社内でも上がりました。
花形部署への移籍を最年少で打診されたり、同期と比べて明らかに待遇が良いなど、錯覚資産としても大変力を発揮しています。

転職の際も、10社程度面接を受けましたが、中小企業診断士取得については評価してもらえる企業も多くありました。

合格してからは、中小企業診断士の取得に対して、実務に何にも意味がない資格でしょ?と言われることも稀にありますが、話を少し聞いてみると資格自体のことをよくわかっていなくて、単純に努力していない自分を正当化したいだけなんだな、と思うようになりました。

中小企業診断士は全員におすすめできる資格か

ただ、中小企業診断士には注意点があると思っています。
確かに知識がつき、有用な資格ではありますが、そもそも会社を経営していたり、それ以外の専門性を持っている人にとっては、人生の転機になるような資格ではないといえます。
知識よりも、実際に会社を動かしたり、経営する力のほうが遥かに重要なことは間違いなく、十分に力のある人から見れば不要と捉えることも理解ができます。
私は、何も持たない若手会社員やキャリアを改めて広げたいと考えた中堅社員の方々であれば、中小企業診断士の資格は胸を張っておすすめできます。
あとは、中小企業診断士の資格を取ったからと言って適切なアドバイスができる力が身につくわけではありませんので、日々の仕事を必死に頑張り自分自身の力を高め続けることはもちろん必須となります。

おわりに

中小企業診断士の資格を否定する人は、自分で100億円の会社を作ったことがあるか、超大企業でバリバリ活躍している人のみにしてほしいものです。
それ以外の人は、合格者からすると資格が羨ましいのかな?と思ってしまいますので・・・


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