「あんたはいくら?」「300万」。「あんたは?」「1,000万」。的な会話が嘘か本当か存在していて、3億脱税した泉井純一さんは小菅でも一目置かれた存在だったようだ。
父は中小企業の社長であったが、ものすごく時間に余裕があった時期があって(僕が在学中に高校のPTA副会長になっていて、しかもそれを校内報で知ったときはさすがに呆れた)、山拓事件で世間を騒がせる前後3年ほど高校の同級生で、大学では1学年下となったが泉井さんと行動を共にする機会が増え、興味本位から政治家への運び屋的なことや藤島部屋の後援会のパーティーの出席など泉井さんの代役をしていた。
タニマチとして知られる方だが、同窓生の集まりで泉井さんが参加される際は、その集まりが何人だろうと高校のときからすべて泉井さんの財布から払われた。一方で、社会的な立場ができ対面を気にするようになった同級生たちからは煙たがれ、時に世話になりながらも泉井さんが同席する会では距離を置き、泉井さんも居心地が悪い思いをしていたのだという。その点、他のサラリーマン同級生と比べ失うものが少なく、常にニュートラルな父は、絶頂期を迎え多忙を極めた泉井さんにとって一緒にいて楽な存在だったのだと思う。
親しくしながらも、一方で非常にクールに泉井さんを観察していた父からはいろんな話を聞いてきた。時間があるときに書いておきたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?