現在に至る中東の混乱の礎はイギリスの三枚舌外交にあり、今も多くの国が不安定な政治や社会により疲弊する日々を送る一方、当事者であるイギリスでは一定して当たり前の日常が流れている現実に対し、個人として条理のなさを感じてはいるものの、こと外交の世界においては騙すより、騙されるほうが絶対的に悪いことは問うまでもない。
日本国憲法の成立から、「日米地位協定」「横田空域」「思いやり予算」等々、紛れもなく日本はアメリカの属国であるが、では自立したとして、百戦錬磨の大陸国家の謀略にこの島国のウブな田舎者が太刀打ちできるのかと考えたら、国が食い尽くされてゆく姿しか目に浮かばず、そうなると戦後一貫した日本の外交政策には間違いはなかったと言えるのではないか。
不本意ではあるが、もはやコバンザメのような生き方以外の選択がないのだとしたら、遠くない未来のアメリカの終焉に備え、親分に気づかれないまま次の寄生先を見つけることが、外交の最重要な使命であると言わざるを得ない。


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