近年、急ピッチで開発が進む豊洲、有明エリアにおけるマンションデベロッパーの中で頂点に立つのは住友不動産で、昨年には大型商業施設、有明ガーデンを開業させている。地下に大規模なスーパーが入るその商業施設の存在は、この埋め立て地の価値を今後更に上げてゆくことであろう。
この地区の現在のマンション相場は新築の分譲3LDKで6,000万後半からくらいで、その金額の住戸を購入できる住人たちに対し、世間はそれなりの憧れを持っているようだ。
しかし、有明ガーデンに入る店舗のラインナップは、額面通りに受け取れば準富裕層、アッパーマスにいてもおかしくない住人たちの生活の実態を残酷に映し出している。
高級と呼べる商品やサービスを取り扱う店は一つもなく、郊外にあるイオンやららぽーとと寸分も変わらない極めて大衆的な風景が、銀座のど真ん中を走る晴海通りのちょっと先には広がっている。
家探しをしていた30代夫婦共働きの同僚の、「銀行がいくらでも貸してくれるので、8,000万くらいのマンションなら買えちゃうんですよ、35年ローンで」という言葉を思い出して腑に落ちた。
俗を具現化したような彼だって、傍から見たらハイクラスの生活者として映るようになるのだ。
背伸びすら越え、もはやジャンプして掴んだ憧れの都会タワマン生活は家族にどんな未来をもたらすのかわからないが、今後の人生をどのように楽観すればそんな選択ができるのか、僕には理解ができない。




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