こんなもんでないかい?

ベトナム語で神様は「オンチョイ」という。「オン」は敬称。「チョイ」は天気の天。つまり「天様」ということになるが、よほど神の実体に近い表現だと感じている。
農耕民族にとって天候は生死に直結する。自身の力で万策を尽くしたら、あとは力の及ばない世界に対して祈るほかはない。
夜空に、風に、川の流れに、或いは造形物に個々が託していた自然現象に対する祈りは、エリアで際立った何か(山、大木、巨岩等)、なければ石を積み、祠を建て、それを自然の象徴とすることで、集約がされていった。
しかし、シンボルだったはずのものは具現化し、「神」へと変わり、権力が利用して擬人化した。
社も、物語も、それっぽい蘊蓄も、残りはすべて時代を経て生まれた虚飾である。

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