国防婦人会とポリマスク

妻の会社で会合があり、外部から来た女性が妻や同僚がしていたポリエステル製のマスクを見て騒ぎ出し、結局、40人くらいの集いで、その時ポリ製マスクをしていた4,5,人全員が不織布製のマスクに変えさせられたという話を聞いた。
「科学的」という言葉は部分的でしかない正しさを、それをもって全体的、絶対的な正義へとミスリードする安易な魔法である。
人々が戦争に進んでいった経緯を、現代に生きる自分たちはあり得ないという思いでいるけれども、今この世の中で起こっている狂信は戦前、戦時下と本質的には何ら変わっていないことを認識しなければならない。
テレビドラマでは国防婦人会を時代を象徴するマヌケのように描いているが、ポリマスクにクレームを言ったおばちゃんこそまさに婦人会であり、おかしいと思いながらも、反論する勇気を持てず言われるがままに従っているわたしたちは、大事な人たちを万歳三唱して戦地へ送り出したその時代の民衆そのものである。

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