第2章 金岡玲子の場合 第2節 101人の戦闘少女隊

「あの宇宙人たちは、どうして日本なんかに、きたんだろう」と最初は思った。空飛ぶ円盤と言えばアメリカが本場じゃない。直接アメリカに行けば、もっと手っ取り早く片がついたかもしれないのに。

ゆうれいみたいにフワフワした体しか持ってない私に、出来るのはおいのりだけ。「無力なものね」と最初は悲観してたんだけど、「今回はどうも勝手がちがうな」と、すぐ気づいた。祈れば祈っただけパワーをもらえる。だれかが地上から、この私にパワーを送ってくれてる。それも一人や二人じゃない。「ハハン、これが円盤に乗ったイエティたちの目的かな」と思った。自分たちをおびやかしかねない未知のパワーに引かれて、日本にきたんじゃないのかな。

「じゃあ、こっちで先にさえちゃえ」と私は決めた。パワーアップした私は、幽霊からようかいに出世したような気分だった。よくよく探ってみると、パワーの源は、やっぱりせんとうしょうじょたちだった。「ニッポン全国に二千人やそこらの戦闘少女はいるな」と私はサバを読んだ。でも、全員を集結してるヒマなんてない。固定電話もロクスッポありゃしない時代なのよ。れんらくしゅだんは往復ハガキまたは電報で?それじゃ、間に合わないよ。だから東京と、せいぜいよこはまに住んでるくらいでガマンするしかなかった。京都・大阪にも、まとまった数の戦闘少女がいるのは分かってたけど、あきらめるしかなかった。

それでも、何とか101人の戦闘少女をかき集めた。私が呼びかければ、すぐ応じてくれた。イヤだなんて言うは一人もいなかった。地域ごとに10人編成のチームを組み、10人のキャプテンの上にそうかんとくを置いた。

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