第5話 【書評】よくわかるキリスト教の教派(2023.6.12記)

【この程度の事は押さえた上で物を言うのが礼儀】

1.書名・著者名等

今橋 朗・徳善 義和 (著)
『よくわかるキリスト教の教派』
出版社 ‏ : ‎ キリスト新聞社
発売日 ‏ : ‎ 2017/6/20
単行本 ‏ : ‎ 167ページ

2.兎平亀作の意見です

私、念仏です。異教徒です。
ある必要があって、キリスト教について調べています。まあ、広く浅くですが。

さて、本書一冊、読んでおけば「キリスト教とは※※だ!」式の一面的な思い込みor決め付けは回避できそうですね。
「キリスト教各派には『ニュアンスの違い』以上の分岐点がある。各々、そうなる必然性を持っている。つまり、みんな違って、みんな良いのだ」と言う「公平」なジャッジを行っているように思えたからです。
(今、「公平」をカッコ書きしたのは、キリスト教・初学者の私の目にはそう見えた、と言った程度の意味です。)

そりゃあ私だって、禅と念仏の違いも分からない人に「仏教とは※※だ!」なんて言い切られちゃ、たまったもんじゃありません。
異教徒がキリスト教を論じる際、本書のような本に目を通しておくのは、良い悪い以前に、礼儀の問題だと思います、礼儀の。

急いで付け加えておきますが、本書はモルモン教、ものみの塔=エホバの証人、そして統一協会を「神の家」から放り出しています。決して「何でもアリ」と言っている訳ではないのです。摘まみ出した理由は、彼らの聖書解釈が独りよがりだから。
日本で言えば『新共同訳』聖書を拒絶すると異端と言う事になるようです。『新共同訳』聖書は日本のキリスト教各派の妥協の産物ですから、いわば「組合」みたいなもの。
組合から締め出されたらアウトサイダーになる。スト破りになる。当然と言えば当然の理屈だと思います。
(なお、手島郁郎が創始した「キリストの幕屋」はセーフみたいです。)

著者らは「キリスト教各派は合同すべし」と言う考え方に立っているようですが、「それが、いかに困難な事か」と言う点も、ちゃんと書いてある本なのでした。

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