第16話 【書評】聖母の美術全史(2023.10.2記)

【最初に出会いたかった本】

1.書名・著者名等

宮下 規久朗 (著)
『聖母の美術全史(副題)信仰を育んだイメージ』 (ちくま新書)
出版社 ‏ : ‎ 筑摩書房
発売日 ‏ : ‎ 2021/6/10
新書 ‏ : ‎ 480ページ

2.兎平亀作の意見です

「全史」と銘打たれているが「百科事典」と言った方が正確なのではなかろうか。
富士山に例えれば、「頂上」に当たる部分は言うに及ばず、あの広い「裾野」をも視野に収めた本なのだ。

「美術」全史と、「美術」に限定したようなタイトルが付けられているが、実際の中身はと言うと、狭義の美術を大きくはみ出している。思想史、社会史、そして宗教社会学や民俗学にまで目を配った本である。

つまり、聖母マリア様について、最も要領良く、かつ系統的な知識を得たければ、本書から入るのが一番だったのだ。
(もっとも「3時間で読める」とは行きませんよ。念のため。)

実は聖母マリア様について調べていて、「そろそろ調査を切り上げるか」と思っていた頃に成って、ようやく本書に出会えた。

そりゃ無いよー。

私の後に続く人たちが、私と同じ失敗をしませんように。本書に最初に出会える幸運に恵まれますようにと、マリア様にお祈りしておきます。

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