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The Last of Us PartⅡ から考える怒りとの向き合い方

はい。こんにちは。ちゃんこです。
ゲーム実況チャンネル、ゲーミングちゃんこにて実況しました「The Last of Us PartⅡ」というゲームに関しての感想をつらつらかいていきます。

まず、「The Last of Us」というゲームは

エリーは復讐のために再び旅立つ。その行いがもたらす恐るべき連鎖に心と身体を揺さぶられながら――この旅を見届けろ。
謎の感染爆発によって変わり果てたアメリカを横断した危険な旅路から5年、エリーとジョエルはワイオミング州ジャクソンで暮らしていた。生き残った者たち(生存者たち)によるコミュニティーは順調に発展し、二人は安らぎと落ち着きを取り戻したかのように見えた。もちろん、さまざまな危険は存在する。感染者とそれ以外――惨めな境遇にいる他の生存者たちだ。
そして、あるすさまじい出来事が平和を崩壊させたとき、エリーの無慈悲な旅が再び始まる。裁きを下し、すべてを終わらせるために。ひとり、またひとりと、標的を追い詰めてゆくエリーが見出したのは、自らの行いによって生み出された、心と身体を揺さぶる凄惨な連鎖だった。

PSストア
https://www.playstation.com/ja-jp/games/the-last-of-us-part-ii/)より引用

本日は「怒りという感情との向き合い方」というテーマでお話をしようと思います。作品のネタバレが多くある内容のため未プレイの方はお気をつけください。

まず、前作の主人公であるジョエルの怒り。
彼には前作の冒頭で娘であるサラを失っています。その時にサラを救えなかったという自分自身への怒りがありました。しかし、彼は20年後にエリーという免疫をもつ少女と出会い、ワクチン開発をしようとしているファイアフライの病院へアメリカ横断の旅をしていくうちに情が湧き、結果的にはワクチン開発を止めエリーの命を救います。
このことで彼は娘を救えなかった自分自身への怒りを許せるようになってきたのかと思います。
しかしこの行動により、彼にはもうひとつ自分自身への怒りが湧いてしまいます。それはエリーを救うことで世界を救えなかった、その事でエリーを悲しませてしまったというジレンマに囚われてしまったという怒りです。
彼は恐らく、その怒りをエリーとの時間を大事にすることで自分自身を許そうと思ったのだと思います。しかし、これは憶測ですが、その思いは完全に果たせずに殺害されてしまったのかもしれません。
この二つのことから彼が抱いていた自分自身への怒りは、恐らく父親としての役目を果たしたくても果たせなかった怒りがあったのだと思います。

そして今作の主人公の1人、アビーの怒り。
彼女はファイアフライの病院に配属されていた医者の娘です。そして、その父親はジョエルがエリーを救うために殺害されています。
アビーはその事でジョエルに対して怒りを抱き、その怒りは増幅され、彼を殺害してしまいます。
この復讐をしてしまったことでアビーは罪悪感を感じ、自分自身へ怒りを抱いてしまいます。その罪悪感は自分を助けてくれたレブとヤーラというセラファイト(アビーが所属していたWLFに敵対する宗教組織)を助けることで昇華します。
彼女が見る夢はいつもファイアフライの病院でした。その夢はジョエルに復讐した後も見続けていましたが、セラファイトを救ったことでその夢に父親が出て来ました。
この二つのことから、アビーは自分の父親を救えることが出来なかったという罪悪感と復讐してしまったという罪悪感からくる自分自身への怒りをずっと抱えていたのではないでしょうか。その怒りをセラファイトを救うということで昇華して、ようやく父親のトラウマと向き合えたのだと思います。

最後に今作の主人公であるエリーの怒り。
彼女はジョエルがアビーによって殺されてしまったことでアビーに対する怒りを瞬発的に増幅させました。その怒りは復讐の旅へと形にし、アビーが所属するWLFを襲いました。
そしてその旅の終わりでアビーと戦ったエリーは負けてしまいます。
アビーに敗北、旅の途中で失ってしまった仲間、そして生前ジョエルへ反発していた事、多くの後悔を昇華出来ないまま、自分自身への怒りや失望を抱えてしまいます。
その失望や、ジョエルへの想いはラスト再びアビーと戦った時、アビーを殺してしまうのではなく見逃すことでその怒りを昇華したのではないかと思います。
エリーが抱いた怒りというのはほとんど後悔から生まれているのかもしれません。また、自分だけが生き残ってしまったという罪悪感、抗体をもっていたのにその証を残せなかった、というぶつけようがない怒りがあると思います。
彼女の怒りは並大抵の人間では想像ができないような複雑な感情です。私も彼女の心情を理解するまで時間がかかりましたし、未だに言語化できていない部分はあります。

さて、ここまで3人の「怒り」ということに注目し、私なりにそれぞれの怒りはどう昇華されたのか言語化しました。正解かどうかは置いといて私なりにこのように解釈しました。
この作品全体通して、「復讐は何も生まない」という言葉の裏に隠された意味というものについて考えてきました。
復讐というのは、自分の中に芽生えた怒りを受け入れきれなかった結果起きてしまった悲劇なのかもしれません。
怒りという負の感情を否定するのではなく、自分自身の感情として受け入れることが出来たら怒りの原因を許すことに繋がるのではないでしょうか。
エリーは生前ジョエルに
「(ファイアフライでジョエルがしたことは)許せない、でも許したいと思ってる」
こう言ってます。
エリーは自分が生きた証を残せなかったことに対して怒りを持ってしまいました。
しかし、その原因であるジョエルを許そうとすることでその怒りと向き合うことができたのかもしれません。
アビーとの2度目の死闘でアビーを見逃したのには生前のジョエルとのやり取りを思い出したからと思います。最後の最後でジョエルが彼女を止めてくれたのだと考えると感慨深いものがあります。

ここまで書きましたが、この作品を自分の言葉でまとめるのに苦戦しました。
前作の感想でも話しましたが、この作品の世界には正義のヒーローなんていません。
登場人物全員がそれぞれの正義の形を持っていて、それを大事にしているだけです。
だからこそプレイしていて心が何度も挫けそうになりました。
しかし、この辛さというのは生きていく上で必ず遭遇するものだし、目を背けてはいけないと思います。
このゲームに出会って、自分のあり方を見つめ直すことが出来ました。そんな素晴らしいゲームを作ってくださった制作陣に感謝申し上げます。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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是非遊びに来てください!

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