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Cyberpunk2077 ミスター・ブルーアイズを考える

ネタバレ注意。プレイ日記の方で書こうとしたら長引いたので別記事としてこちらに載せる。

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ミスター・ブルーアイズとは、マルチエンドのうち通称「太陽エンド」に登場する男性。名前通りに目が青い。通信中などに青く発光する描写は作中でよく見るのだが、まるで常時通信しっぱなしかのようにブルーアイズの目は光り続けている。

ブルーアイズは主人公・Vに危険な大仕事を依頼し、引き換えに金ではない重要な事柄を約束している謎多き人物。初見の際には「依頼してくるだけの新キャラ」としか思っていなかったが、実はブルーアイズは「暗躍している、人ならざる存在」という説がある。

太陽エンドで登場する前から、幾つかのイベントでブルーアイズの存在がちらつく。

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市長選にまつわるサブジョブシリーズで、新市長候補のペラレスという人物とVは関わる。ペラレスは修羅の街ナイトシティには珍しい人格者。調べると彼の家の中には家人が誰も知らない隠し部屋があり、そこからペラレスは常時監視され、そして「変化」の過程を記録されていた。

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ペラレスは元々は、セレブではあるようだが今ほど高潔でもない普通の人物だったらしいが、何者かによって理想的な市長候補者と作り変えられた。薬物投与の他、変なものを埋め込まれたりしていそうだ。サブジョブ「DREAM ON/覚めない夢」にて、Vは様々な証拠を掴み、待ち合わせてペラレスに会いに行く。

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そこへ、謎の人物から電話がかかってくる。通話中は普通は左上に相手の顔が表示されるだけなのだが、視界自体がジャックされたかのように画面が真っ暗になり、たまに赤いデジタル的ななにかが映る。男声の機械音声が女言葉で、ペラレスの件に深入りするなと脅迫してくる。

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そしてペラレスと会話することになるのだが……向かい側の建物に男がいる。

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ミスター・ブルーアイズである。

はじめてこのイベントやった時は全然気づかなかった。他の人の報告で改めて確認して、大変ホラーなものを感じた。ブルーアイズがペラレスを洗脳した人物であり、今しがたVの視界を乗っ取るようにして語りかけた存在だと思われる。

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夜に行くと、瞳が光っているのがよりわかりやすい。

ペラレスに「お前は洗脳されて脳みそいじられてる」と告げても告げなくても、このイベントはスッキリせずに終わる。なにせ黒幕が正体不明のままだから。ジョニーは「不良AI」の仕業かもなと言う。オルトのいるサイバー空間には人間の手を離れたAIたちもまた漂っているという。そんなAIの一つがブルーアイズであり、人間社会の腐敗をいっちょ正してやろうと「高潔な市長ペラレス」を作り出した説。

ペラレスのいる場所まで登れないか試してみたが無理だった。誰か無理矢理登る裏技を見つけてくれないかな(他力本願) 銃も爆弾類も届かない。

ブルーアイズの目が青いのは、器である肉体を通信して操っているだけということだと思う。AIであるために肉体を持たず、人間の体を操作しているのだろう。

作中、「プロキシ」と呼ばれる職業(?)が登場する。言うなれば「生きたラジコン」のようなものであり、肉体を器として提供し、通信している利用者の意のままに動いたりしゃべったりする。利用者は引きこもりつつ、通信してプロキシの体を借りて街へ繰り出すということもできる。プロキシは通信中は目が赤かったと思うが、このような原理の職業がある世界ならば、AIが人間の体を乗っ取ることも可能であると思う。


ブルーアイズが示唆される別のイベント。

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「預言者ギャリー」と自称している人物がいる。彼はかなり序盤から登場する。ヴィクターのいる場所のすぐそばで声高に、「爬虫類人が攻めてくる」など意味不明な警鐘を叫んでいる。彼の発言は、本編を一通りプレイした後だと真実も含まれているとわかる。

ギャリーは「サブロウは死んでいない、一族の墓地で休眠しているだけ」と叫ぶ。実際、サブロウは生物的には死んだがその人格データが保存されており、エンドによっては別人の肉体にデータを移植され甦る。

ギャリーは「肉体のない生命が住む世界に氷のような声をした女王がいる」と叫ぶ。実際、サイバー空間には、アクセス中に生身の体にトラブルが生じて死亡し人格だけの存在となり彷徨う者たちがおり、「人類最初のデジタルゴースト」と称されサイバー空間を統べる女性・オルトがいる。

ギャリーが預言を受けるようになったのは事故にあってからで、その時に装置を埋め込まれたせいで聞こえるようになってしまったという。本当の経緯は不明だが、ギャリーが本来聞いてはならないはずの何らかの声を傍受できてしまうようになったというのは事実だと思う。ブルーアイズから器への通信が流れ込んでくるようになってしまった?

そしてギャリーは「人間を操ろうとする青い目の者がいる」とも主張する。ただの碧眼ではなく「冷たく青い目」と表現し、その目から彼は爬虫類を連想して「爬虫類人」の妄想をするようになった。爬虫類はともかく、これはダイレクトにブルーアイズを指している。

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ギャリーは朝は寝ており、昼は不在が多く、22時頃には活発に演説をしている。日を変えて何度か会うとサブジョブ「THE PROPHET'S SONG/預言者の唄」が発生。ギャリーは「爬虫類人たちが集会を開くのでそれを見れば妄言ではない証明になる」というようなことを言ってくる。

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ギャリーに指定された場所へ行くと、7人の人物がいた。背を向けている5人はメイルストロームで、5人に対してスーツ姿の2人が向き合っている。7人は宗教めいた謎の会話を繰り広げる。

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noteは行間が広すぎるので画像にすると、こういうやりとりをしている。カタカナ部分はラテン語。ググったところ、「カルペ・ノクテム・ラミア」は「夜を楽しむ吸血鬼」みたいな意味らしい。「カルペ・ノクテム」がひとまとまりのフレーズで「闇夜を生きる」とか「こんばんは」とか訳される。とりあえず夜に吸血鬼がいるんだな。

「テヂェット~」の方はカタカナでググってもさっぱりわからず。そのため英語字幕にしてみたら「Decet dim exsecrari」だった。単語ごとに調べると、decet→ふさわしい、dim→薄暗がり、exsecrari→呪い。つなげると「薄暗がりにふさわしい呪い」? 全体的によくわからない。

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スーツの二人は所属組織なし。名前の「ジョン・ドー」は日本語で言えば「名無しの権兵衛」である。ジェーンはその女版。とても怪しい。

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サングラスで隠してるけど、この人達目が青いんじゃないかな? そう思いじっくり見てみたが、別に青くない。ブルーアイズの息がかかっているだけの普通の人間?

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戦闘中は目が赤くなるが、サイバーウェアの効果なだけだと思う。ローグも赤くなる時ある。

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ジョン・ドーを倒すと「確認後必ず処分せよ」というタイトルのチップを入手できる。桃太郎をパロった文のようだが、区切りごとに縦読みする暗号である。

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暗号を解くと「オラクル計画発動」と書かれている。オラクルは「預言」という意味。つまり、どういうことだってばよ? この計画、作中で他にふれられたところあるのかな。今のところ覚えがない。

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ギャリーのもとへチップを届けに行くも、そこにギャリーはおらず、ギャリー信者の女性がいた。ギャリーは青い目のスーツを着た人物に拉致されたという。ブルーアイズか? ギャリーは巷では有名人らしく、こうして信者がつくし、面白がってツーショットを撮りにくる人もいる。狂人の放言では済まないかもしれないと危惧され、ギャリーは始末されたのだろうか。女性にチップを見せると、「ギャリーの言うとおりに、人を人形のように操る計画が始まった」とひどく怯える。こうしてギャリーイベントは謎を残して終わる。


「カルペ・ノクテム・ラミア」という呪文が登場したが、「カルペ・ノクテム」という言葉が別のイベントでも登場し、これもブルーアイズに関連していると思われる。

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サンドラ・ドーセットという女性がいる。序盤のメインジョブで彼女を救出する展開があり、印象深い人物。凶悪なギャングに拉致され、全裸で氷風呂に漬けられ死にかけていた。

氷風呂は作中で何度か登場する。プレイ日記の方でサンドラに触れた際には、「サイバー空間接続時に過負荷から脳が高温になるのを防ぐために氷風呂に入る人がいるから、そういうのだろう」と書いていた。だがその後、「サイバーウェアを死体から剥ぐ時は冷やすと取りやすい」という記述をどこかで見たので、そっち目的だったのかもしれない。

サンドラは無事に生還し回復したが、拉致時に所持していたチップをギャングに奪われたので取り返してほしいと依頼してくる。チップの中を見てはいけないとも頼まれる。

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頼みを無視してチップを見る。サブジョブ名が「FULL DISCLOSURE/全面開示」であるし、開示を推奨してるな。チップのタイトルは「カルペ・ノクテム作戦」。「ナイト・コープ」という企業からサンドラが盗み取った情報が記されている。要約すると「人格を作り変える技術の開発に成功した。被験者は自覚ないまま別人へと変貌する」という報告である。ペラレスを変えた技術と同一だろう。

リンクは各企業の紹介ページ。ナイト・コープは「インフラ関係を主とする会社。他の企業と違って黒い噂がない。慈善事業に力を入れ、貧困層支援などを行う。ナイトシティ創設者であるリチャード・ナイトが興した会社」とのこと。リチャード・ナイトは故人。作中では影が薄い企業だったように思う。「週労働時間を80時間に短縮すると発表しナイトシティ比では優良企業だ」みたいな文書で見かけたぐらい。

ブラック企業ではあるけど事業内容自体はホワイティな方のはずだった。しかし多分、実情はブルーアイズに支配された会社なのだろう。ブルーアイズの目的が「猥雑なナイトシティを正す」なのであれば表向きのホワイティさとも矛盾はない。だがその過程で罪のない従業員を死に追いやっているならやっぱり危険。

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サンドラの部屋にある日記のような文書。anon_42って誰だ。サンドラはネットランナーであり、うっかりナイト・コープの闇を知り目をつけられた。ギャングに拉致されたのも、ブルーアイズの差し金だろう。大富豪であるらしいサンドラを再び拉致してまた大騒ぎになるのも困るからと今は見逃されている? いつかまた襲われるかもしれない?

Vの知力が高い場合にはサンドラと専門的な会話をすることができ、サンドラはノリノリで長文で話してくれる。サンドラは自分が狙われていることを知っているため警戒心が強くけっこうツンツンしており、そこがムカつくからと殺してしまうプレイヤーもいるようだが、ノリノリなサンドラは輝いてるので生かしてあげてほしい。

今の所わかっているブルーアイズ関連っぽいサブジョブは以上の3つ。


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太陽エンドについて話を戻す。ブルーアイズの発言を書き出すと「お前を雇ったのは、わずかでも生き残る可能性があるなら、どんな手も尽くすだろうと踏んだからだ。仮にそれが、死を早めることと隣り合わせの賭けになるとしても」。

太陽エンドでのVは寿命問題を抱えたまま。そんなVにブルーアイズは「生き残るための方法」を教える代わりに危険な依頼を引き受けさせたのだと思われる。

太陽エンドについては初め、「短命を受け入れて太く短く生きるために最後にでっかい仕事を引き受けた」という話だと思っていた。前向きではあっても、生き延びることに関しては後ろ向きなエンドだと。だが逆で、Vは諦めずにあがき続けており、生きるために仕事を引き受けたのだろう。

ブルーアイズが暗躍する強力なAIだとすれば、オルト並に様々な知識を集積しており、オルトでは救えなかったVを別アプローチで助ける方法を持っているのかもしれない。人格を上書きするという<Relic>みたいな技術をアラサカとは別に持っているぐらいだから。

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ブルーアイズからの依頼で宇宙へ飛び立つV。依頼の具体的な内容は「宇宙にあるカジノの顧客データを盗む」というもの。クリスタル・パレスという衛星に人が住めるようになっており、もちろん交通費その他諸々がお高いのでセレブしか行けない。貧富の差が激しいナイトシティとは異なる富裕層だけがいる場所なので、警備も厳重で、そして失敗した時に逃げ隠れすることも難しい。でもセレブの顧客リストというのは価値あるものだろうし、手にして具体的に何をするかはわからんがブルーアイズがそれを求めるのは理解できる。


「よくわからん」と思ってたサブジョブ同士が実はつながりを持ち、それでも得体が知れなくてうすら怖い。ミスター・ブルーアイズのことがもっと知りたい。これが彼の全てなのか、追加シナリオなどでこれからより具体的に種明かしなどがあるのか。あればいいな。

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