シナリオを作っていこう(その3)

今回はシナリオの整理です。
前回かなり荒っぽく書いていた部分を整理整頓し、シナリオとして整形したものになります。
それはどうぞ。

トレーラー・ハンドアウト

トレーラー
カントウ地方にとある国が興った。戦国乱世のこの世の中で新たな国が興る事は珍しくない。
だがしかしその産まれたばかりの弱小国に対してかの小田原討伐隊が軍を進めている。しかもかなりの大部隊を。
周辺国がその侵攻を止めることも無く明日は我が身と怯える中、今まさにその侵攻を受けているその国は選択を迫られていた。

降伏か誇りある死か。或いは・・・あるか分からない希望に縋るか。その選択を。


共通ハンドアウト
君達は故郷を再興すべくもてる術を駆使してきた才覚者だ。
やっとの思いで国を再興する事が叶ったその矢先、かの大国小田原征伐隊が攻め込んできたとの報を受けた。
残された時間は僅かしかない。だがそれでも死にものぐるいで興した国を諦める訳にはいかない。
生き残る術を少しでも得るためにも残された時間でいかに抗うか。君達は興ったばかりの我が国の為に全てをかけるのであった。


OPフェーズ

〇〇国城中。とある知らせがPC達に届く。

「一大事でございます!西の方より小田原討伐隊の旗を掲げた軍団が我が国の方向へ迫ってきております!。」
「その数およそ100万!。このままの進軍速度だと一週間程にて到着するかと!。」

報告を受けていると更に別の伝令が慌ててやってくる。

「も、申し上げます!。小田原討伐隊の使者を名乗る者が国主様にお目見えしたいと申しております!。」

慌てる伝令をよそにPC達が居る城内に無遠慮に踏み込んでくる一人の男。

「こちらが〇〇国の城内か。我が国と比べて随分貧相・・・いや趣ある佇みまいですな。」
「ああ、申し遅れた。我が名は国哉・イノマタ。我が主君ホウジョウ早雲の書簡を持ってまいった。」
「と言っても中身は簡単。降伏せよ。さもなくば死、あるのみ。・・・期限として一週間お待ちいたす。それまでにお返事いただきたい。」
「降伏するのであれば最低限国民の命は保障しよう。・・・それ以外については我々の采配にて決めさせて頂く。」
「と、上はお考えの様だが私個人としてはそちらが我が国と相対するに相応しいとみなせるほどの実力を見せて頂けるのであればその旨を我が主君に伝えるのもやぶさかではない。」
「何せ我らが主君は力ある者との戦いを強く欲している。・・・仮に3日程抵抗出来るというのであれば我が主君が相対するに相応しい実力の片鱗があると考えてもいいでしょうなぁ。」
「ま、こんな小さな国でそれが出来るとは到底思えませんが。ではよりよいお返事をお待ちしておりますぞ。」

一方的に言いたい事を言ってイノマタは去っていく。
このまま降伏すれば民の命は保障されるが、国の扱いについてはよいものになるとは思えない。
そして何より死に物狂いで興した我が国をそう簡単に諦める訳にもいかない。
PC達が国を守ることを選択したらOPフェーズを終了し、今回の目標をPC達に開示する。

目標:3ターン自国の国力を削りきられない


中間フェーズ

国を守ることを選択したPC達。国内外の状況などを補佐官から説明される。

「ご報告いたします。敵は小田原討伐隊、国哉・イノマタ率いる国力(PC国力+100)の軍勢。」
「対する我が軍の国力は(PC国力)。このままでは国力差の前に押しつぶされるだけにございます。」
「イノマタが提示してきた期間までの間にこの国力差を少しでも埋めるしかございません。」
「いくつか調べたところ、現在我が国に足りないのは兵力、兵士のための武器、兵糧。まずはこの3つ。」
「また敵の情報が不足しておりますのでそちらも調べる必要があるでしょう。」

中間フェーズイベントとして下記が開示される。

イベント1
戦うための武器を買い付ける
シチュエーション:国内の武器屋に向かい、兵士達が扱いやすい武器を仕入れたいがどのような武器を選べばいいのだろうか?
判定能力:武力
目標値:10
増加国力:7
イベント成功で兵士達が扱いやすい武器が多数揃う。「これは大変扱いやすいです!」
イベント2
志願兵を集める
シチュエーション:我が国に足りないのは兵力だ。才覚者が声をかければその声に応じる者もいるかもしれない・・・。
判定能力:カリスマ
目標値:12
増加国力:8
イベント成功で国内の志士達が集まってくる「俺たちも戦います!」「この国を亡ぼす訳にはいきません!」

イベント3
兵糧を買い付ける
シチュエーション:現在国内に兵糧を取り扱う商人が来ているらしい。彼から兵糧を買い付けたいがどうすれば少しでも安く大量に仕入れられるだろうか?
判定能力:知覚
目標値:13
増加国力10
イベント成功で多数の兵糧を仕入れることができる「いやー、お商売上手なことで。いい様に乗せられてしまいましたわ」
イベント4
近くに居る在野の傭兵団と交渉する
シチュエーション:我が国の近くに在野の傭兵団「煉獄モヒカン団」が駐屯しているらしい。彼らを味方に付けれれば戦力として期待できるだろうが「力なき者に仕える気はない」と使いの者は追い返されてしまった。
判定能力:武力
目標値:16
増加国力:17
イベント成功で「煉獄モヒカン団」の面々を仲間に迎え入れることができる。「アンタ強いな。俺達は強い奴につくのは大歓迎だぜ!ヒャッハー!」このイベントに挑むとイベント7が開示される。「俺達は強い奴に着くが、アンタらのお仲間っぽい奴を近くで見かけたぜ?そっちの方が声をかけれるんじゃないかい?」
イベント5
小田原討伐隊の状況を詳しく調べる
シチュエーション:小田原討伐隊の全容を調べる必要がある。上手く調査を行い全容を調べろ。
判定能力:知覚
目標値:20
増加国力:18
イベント成功で小田原討伐隊の情報を得ることができる。兵士の数、武器の数などで我々の国を上回っている。ただ正面から戦うのは厳しいそうだが3日間凌ぎきるだけなら他国の協力などを取り付けられれば何とかなるかもしれない・・・。

☆イベント6(開示条件。イベント5をクリアする)
小田原討伐隊と敵対する「江戸紅蓮花火隊」への協力を取り付ける
シチュエーション:諜報部隊のおかげで小田原討伐隊の全容は明らかになったが、わが国だけでは抗うことは難しいという事が判明した。小田原討伐隊と敵対する江戸紅蓮花火隊の徳川儀統の協力を取り付けることが叶えば対抗することも可能かもしれないが・・・
判定能力:運
目標値:26
増加国力:25
イベント成功で江戸紅蓮花火隊の協力を取り付けることができる。「我が殿はこの賭けに乗ってもいいと仰せです。・・・くれぐれのそのお心を無下になさることの無い様にお願いいたしますね」
☆イベント7(開示条件:イベント4をチャレンジする)
今は亡き祖国の戦士達が集まっている傭兵団と交渉する
シチュエーション:「煉獄モヒカン団」の首魁から亡き祖国の義士達が集まる傭兵団「亡霊兵団」が近くに来ているとの噂を聞いた。一度は袂を分けた彼らの協力が得られれば戦力としては大きい。
判定能力:カリスマ
目標値:22
増加国力:20
イベント成功で「亡霊兵団」を仲間に迎え入れることができる。「一度は袂を分かった我々だが、今その道を共に歩む時。・・・これより貴殿らの元で協力させて頂く」


最終フェーズ

一週間後、国哉・イノマタが率いる小田原討伐隊100万の軍勢が〇〇国に攻め込んでくる。
「ほう、一週間前よりかは手勢も増えている様子・・・兵士らの顔つきも少し違う様にも見えますな。」
「だがそれもどれだけ持つやら。・・・一応確認しますが降伏の意志は?。」
「(PC達が拒否の意志を見せたら)宜しい。なれば3日間貴殿らが持つか、それまでに我々が叩きのめすか・・・見極めさせて頂きましょう!。」


最終フェーズ終了後

「本当に3日間持ちこたえるとは・・・これはなかなか面白いことになってきましたな。」
「全軍撤退!早雲様にこのことをお伝えせよ!・・・なかなか面白い鷹狩りが出来そうであると。」
「ではこれにて引かせて頂きましょう。・・・次は少しばかり本気を出せると期待しておりますぞ?。」
余裕しゃくしゃくといった様子で国哉・イノマタは去っていく。

EDフェーズ

今回は無事小田原討伐隊の手から国を守ることができた。
だがしかし、興ったばかりの我が国にはまだまだ障害が多数ある。
この国をより良きものとしていくためにも、才覚者達は国のため己のためにこれから先も歩んでいくだろう。


この様な形で1本のシナリオとして書き上げてみました。
後はこれに敵データを付け加えれば遊べる形となる予定です。
次回はその敵データについてデータ班からのお話となります。こうご期待!。

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