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ゲームの思い出:バーチャロンシリーズ その3 電脳戦機バーチャロンフォース part1

人生で一番お金を使ったゲームは何か?
たまに聞かれるこんな質問。僕は正直に答えて引かれたことが割と多い。

僕は電脳戦機バーチャロンフォースを中古で筐体が買えるほどプレイしていた。

総額350万はフォースに使っているのではないだろうか。

あの日、模型部の部長に誘われ、ゲームセンターに来た僕たちは5台並んだ筐体を見つけた。

電脳戦機バーチャロンフォース(以下フォース)。
4台は普通のゲーム筐体。

そして残り1台はターミナルと言って、色々な事ができるものらしい。

僕たちは部長に説明してもらい、自分のライセンスカードを作った。

機体は勿論ライデンだ。

 ゲーム専用のデータカードは僕の記憶にある限り、フォースで初めて実装されたはずだ。機体名と自分の名前が書きこまれたカードは見ているだけでとてもワクワクした。

そしてワクワクをそのままにフォースを始める。

筐体に座りコインを投入。ライセンスカードを挿入する。僕はこの行程が好きだった。

そして遂にフォースをプレイ!

 ルールが変わっている、とのことだったのでチュートリアルからプレイ。
フォースは前作、オラトリオタングラムとは違い、2on2で戦う。
リーダー機を先に倒した方が勝利というシンプルなルールだ。
プレイしてみて全体的に前作に比べて遅くなっていることと、少し画面の演出が寂しいこと、敵へのロックオンが遅いこと、左ターボ攻撃ができない事などが気になった。
 しかしそんなことすぐ忘れるくらい面白く、あっという間に手持ちのお金を使い果たしてしまった。
何度やっても5戦目のフェイイェン、エンジェランの壁が乗り越えられない。ここで何度も何度も敗北した。
しかし、フォースはプレイするだけで楽しかった。
最初選べる機体は基本機体しか選べない。
しかし、プレイの際に自分のライセンスカードを使ってプレイしていくと、そのうち機体が支給される。
今乗っている機体の派生機体や指揮官機、特殊なカラーの機体だ。
そして支給された機体か今までの機体。どちらかを選び機体を乗り換えていくのだ。

その様々な派生機体は普通に敵CPUとして出撃してくる。
その派生機体を見るのも楽しかった。

 僕はバーチャロンをゲームとしてだけではなくバックストーリーも好きだった。バーチャロンには小説作品がある。
One Man Rescue。
当時模型紙ホビージャパンに連載されていたものだ。
これに出てくる2機のオリジナル機体が僕は凄く好きだった。

 一つはミミーサルペン専用ライデン。通常のライデンと違ってバズーカではなく、大型のフラットランチャーを持った機体だ。
フォースではこの機体に似た機体を使用することができる。
この事が僕たちのテンションを大いに盛り上げた。

そして、それを始めて見た僕にはどうしても使いたい機体があった。

小説で見て以来、ずっと好きなもう一機の機体が。

エルデン・リットー専用ライデンである。

 通常のライデンと違ってバズーカでは無く、超大型のガトリングガン【チェーンガンシステム・ダムド9009】を持ち、ブースター付きの斧【デスギガント】、スパイクシールドの【ボルトゴッチ】等の武器群【リットースペシャル】を持つ機体。青を基調としたボディに黒のアクセント、そしてフレアラインが入ったカラーリングもとても好きだった。

 当時プラモデルが発売されていたが、どこにも売っていなく、しかも当時はネットでの通販なんてほぼ無い状態。喉から手が出る程欲しかったが、どうしても手に入らなかった。

 このプラモデルはミミーサルペン専用ライデンのランナーと新規ランナーで構成されているため、ミミーサルペンのフラットランチャーや、通常のライデンのバズーカも付いているという激アツなキットだった。リットースペシャルがついていなかったのは残念だったが、ダムドやフラットランチャーがとても大きくて、物凄く武骨で格好良かった。

 この機体に近い機体は結局フォースに追加されなかったが、僕はこの機体で火星戦線に出撃するのをずっと夢想していた。

 そんな僕の初めての支給機体はライデンの嵐の勲と呼ばれる紫を主体にしたカラーバリエーションだった。ありていに言えばガンダムのドムの様なカラーである。そのかっこよさに僕はすぐ乗り換えた。
乗り換えてすぐに観戦に戻る。そこでは部長が見慣れない機体……いや、僕はこの機体を知っている。

幻獣戦機ヤガランデ。
OMGで規定時間以内に前半戦を終わらせないと出現する中ボスで、ライデンをも凌ぐ火力で襲いかかって来るめちゃくちゃ強い機体だ。
部長が戦っていた機体はその機体に酷似した機体で、初代の頃よりもかなり大きく見えた。
2on1の変則マッチだが、相手のライフはこちらの総数と同じようだった。

部長はあともうすこしというところで負けてしまった。
部長なら割とあっさりとラストボスまで行って倒せるんじゃないかと思っていたが、そんなに簡単なゲームではなさそうだ。

 「うわつえー…」
 「今のヤガランデか?」
 「そうみたいだな」

そんなことを言いつつ席を立つ。

 「そろそろ部室に戻るか」
 「え?なんでだよ?もう少し遊んでいこうぜ」
 「いや、もうじき強い奴らがいっぱい来るから殆ど遊べなくなる」


部長に言った通り、その少し後に大勢のチャロナー…バーチャロンプレイヤーが来て入れ替わりの激しい対戦台になってしまった。確かにこの中に入っていってプレイできるほどお金に余裕のある生活はしていない。他の人のプレイを観ていたいという欲もあったのだが、プレイを我慢し続けることが僕にはとてもできそうになかった。

 「しゃーない、かえろっか」
 「そうしよう」

 部長と後輩と、暗くなり始めた道を自転車を走らせ部室に戻る。
戻る傍らフォースの色々な話をした。その大体が、一体他にはどんな機体があるんだろう?というものだった。


続く


電脳戦機バーチャロン フォース

ハード:アーケード

2001年10月稼働。

販売:SEGA

※見出し画像は公式の物をお借りしています。問題があれば連絡をくださればすぐに消去します。 






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