教員養成課程の大学生が系統看護学講座を読んでみた話。~看護学概論編〜その8

さて、今回も『系統看護学講座 看護学概論』を読んだ感想を述べていこうと思います。

これは『系統看護学講座 専門分野Ⅰ 基礎看護学[1] 看護学概論』を読んで書いたものなので、実際に本を読みながら「この人はここでこう思ったんだな」って読むのが一番楽しめると思います。多分。

一応リンク張っておきます。

1.ケアについて

さて、今回はケア(ケアリング)について触れていこうと思います。
まず看護におけるケアの定義は、「対象への直接的な援助行為」とのことで、まあ広い概念なようですね。
このままでは抽象化・一般化することもふざけることもできないのでもう少し掘り下げていくことにしましょう。

1.1. ホールによるケアの分類

さて、リディア=E=ホールは看護の側面を「ケア・キュア・コア」の3つの要素によるモデルで表しました。それぞれ
ケア:自然科学と生物学的要素、直接的な身体ケアの側面
キュア:病理学と治療学的要素、医学的ケアを通じて患者をみる側面
コア:社会科学的要素、自己を治療的に活用する側面
となっていて、それぞれの要素が組み合わさったものが看護のケアであるという主張のように解釈しました。

自然科学が集合として大きかったり、ケアの中にケアが使われていてちょっとややこしいことになっていますが、そこにはいったん目を瞑ることにしましょう。

ケアという言葉は教育でも使われることはありますが、この分類は看護におけるケアに特化したものであり、これを抽象化しようにも何らかのケアを構成する要素に分解すること以外なさそうなのでこのモデルはここまでにしておきます。

1.2. ベナーのケアリングの6つのパワー

看護理論家のパトリシア=ベナーはケアリングには6つのパワーがあるとしました。それぞれ
変容的パワー:患者に変化を与える力
統合的パワー:患者が家族と再び一緒になるのを援助する力
代弁的パワー:医師と患者の意思疎通を円滑にする力
治癒を促すパワー:患者やスタッフに希望をもたらす力
関与/肯定のパワー:困難な状況でも参与することで資源を引き出す力
問題解決:問題を解決する力

教科書によると以上のようですが、こちらもまあ分類に関して少々突っ込みどころがありますが、こちらも目を瞑っておくことにしましょう。

6つのパワーを眺めてみるとどうやら問題解決をケアリングによって行うという考え方をしているようですが、如何せん構造が見えにくくてこれも抽象化しようにもいい方法が思いつきませんでした。

とはいえこちらからいえることは陳腐なことではありますが、「人との関わり合いこそが問題解決には重要である」ということが言えそうではあります。

こちらも記述が少ないためにこれ以上のことは言えなさそうなのでここまでとしておきます。

2. 余談

ここまで書いて思ったのですがケアに関してはまずそもそも他の分野のケアに関する知識が不足しているという点から比較などがあまりできず、自身の不勉強を痛感することとなりました。

とはいえこちらも現在学部の2年であるためこれから教育に関してもこれから学ぶことも多いと思われます。これからもできる限り持っている知識と関連付けながら、色々述べていけたらと考えています。

こんな調子でこれからも書いていくので面白いなと思った方は、これからも読んでいただけると幸いです。ありがとうございました。

3. 参考文献

茂野香おる.系統看護学講座 専門分野Ⅰ 基礎看護学[1] 看護学概論.第17版,医学書院,2019,384p,

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