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『サクラ革命』のあれこれ(最終編)

なぜ『サクラ革命』のリリース時あそこまで評判が悪かったのだろうか。
今回の記事ではそのあたりの感想と、『サクラ革命』がなぜチグハグ・未完成な作りになっているのか、に関して私がたどり着いた結論について書いておく。
当分、この記事で『サクラ革命』の事は終わりにする。

最初に『サクラ革命』の評判が悪かった理由から。
『サクラ革命』リリース時、SNSの評判は散々だった。
ブサイクなキャラクターが出てきて不細工なキャラクターをガチャを出すリセットマラソン行うという意味で“ブサマラ”というスラングが登場した。
理性的に『サクラ革命』全体を見れば、キャラクターが不細工ではないことは確かだ。
そこに対して「ブサイクというほどではない」とか、「よく見れば美人」と言うこともできるが、自分としては「言われる理由はあった」と考えている。

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メインシナリオでも言及されているが、プレイヤーが最初に出会う九州のメンバーは服装が垢抜けていない設定で、デザインにもそれが反映されている。
イラスト上では「垢抜けないかわいさ」まで表現されているが、ゲーム内では3Dキャラクターをそのまま貼り付けたUIになっているため、プレイヤーが受ける印象は「垢抜けていない」で止まる。

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さらに、ゲーム開始時に出てくる大帝國華撃団BLACKのキャラクターは的ながら垢抜けたキャラクターで、比較してしまうとプレイヤーが仲間にするメンバーはよりダサく見えてしまう。

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こういった表現はゲーム上でよく見られる。
泥臭いところからプレイを通じて変化し、洗練されて可愛い面が見えてくるというのはキャラクターの表現としてとても魅力的だ。

実際、ヒロインであるシノは、演劇パートになって衣装変えて見せると別人のようになり、メリハリが効いたかわいらしさ、かっこよさを見せ、魅力を発揮している。

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ところが、基本無料ゲームではこの表現が難しい。
そういったキャラクターが中にいても良いが、垢抜けない集団で戦うことは厳しいのだ。
基本無料ゲームの世界は競争が厳しく、プレイヤーは序盤をプレイしてその印象でゲームを継続するか、やめるのか判断する。

序盤で『サクラ革命』のキャラクターが垢抜けていないと判断すると、キャラクターが合わない、というところでやめてしまう。
買い切りゲームは最初が気に食わなくても「買ったから序盤は終えよう」というモチベーションが発生する。だが、『サクラ革命』は基本無料ゲームだからそうならない。

メインシナリオでは、主人公たちが九州や四国などの地域を平定し、その地域の人々と出会う道中を描いているが、その中でも最序盤に当たる九州のシナリオはいまいちだ。

また、『サクラ革命』のファーストインプレッションの悪さはそこだけではなく、シナリオにも及ぶ。
主人公の置かれた立場は革命のテロリストであり、権力に狙われる厳しい立場だ。ところが、最初に遊ぶ九州編では物語上たいして必要性もないキャラクターが、たいした覚悟もないままにテロリストの集団に混ざっていく。キャラクターの魅力を立てるにしても尺の短いシナリオが続き、「ソシャゲにありがちなどうでも良いシナリオ」の側面が強い。

続く中国のシナリオで出会うキャラクターは革命家であり、それと協力して戦う様子は世界観とも立ち位置が合っているし、楽しめる。四国編は九州編よりは整合性があるし、ネタに全振りしてそれはそれで面白いものになっている。

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最初のシナリオが面白くないのは、当然ゲームをやめる理由になる。最初は面白くなければ後半もプレイしてもらえない。
そしてゲームの原型とも言える『FGO』は、シナリオの面白さキャラの面白さで引っ張るものだから、『FGO』を知っているプレイヤーからみるとそれが評価の基準となる。
そうすると、「FGOの良かったところ」がスポイルされていれば当然評価が悪くなる。

『FGO』を基準に『サクラ革命』を評価すると、「シナリオがいまいち」と「キャラの魅力を感じられなかった」が印象に残る。
それで語ろうとすると、SNS上には「ブサイク」というキャッチーなワードが入っていて、自分の言葉ではなくSNSで強い「ブサイク」という言葉に乗っかって語ってしまう。

まあ、『サクラ革命』の序盤の出来が悪かった結果として離脱者をうみ、試したプレイヤーの文句が「ブサイク」で統一されたのが「ブラマラ」とかいう言葉を生み出してしまった背景ではないかな、と思う。
まあ、普通は自分の言葉で説明しようと苦労するより、楽に語ろうとするからそうなってしまうんだろうなぁ……と思う。

『サクラ革命』とブサイクという言葉が紐付いてしまったのは、印象が強すぎる言葉が面白おかしく使われる近年のSNS事情を反映していると思うが、その背景には「序盤の印象が悪い」という問題があると思う。

脱線するけど、SNSで“サクラ革命”と“ブサイク”が紐付けられていき、検索のサジェスト候補1位として登場するぐらい汚染されていったことについて。

SNSで理不尽な言葉がはやってしまったとき、ファンはそれに対して反応する。「サクラ革命はブサイク」などと誰かが言ったら「サクラ革命はブサイクじゃない!」と反論したくなる。
ところが、AIは頻出する単語を見ていくので「なるほど、サクラ革命はブサイクとつながりが深いのだな」と学習し、サクラ革命とブサイクという言葉を紐付けてしまう。
これは『サクラ革命』のキャラがブサイクなのか、ブサイクでないのか賛否両論である、という状況なのだが、検索サジェストを見た人が「サクラ革命で検索するとブサイクとでてくる!」と話題にしてしまい、印象が決定づけられてしまう。
AIの学習が進化するまで、解決しない問題な気がする。

ブサイクという言葉に対して『サクラ革命』が好きなプレイヤーは「サクラ革命はブサイクじゃない!」と反論したいじゃん。無理だよね、この人情をどうにかするのは。

さて、この先はNoteの定期購読読者限定で、今回は個別の記事の購入ができない。この内容は外に漏らさないで欲しい。書くとしても「納得した」抽象的な感じで。
感想も書きづらいとしても、RTとかいいねしてもらえれば「ああ、この内容で需要あったんだな」と私自身は(調べた結果の労力に)満足する……と思う。

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