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MTG1年生のわたしがヴィンテージと出逢った日

「初心者なのにどうしてヴィンテージに?」

わたしはよく尋ねられます。

mtgと言う大海の〝深海〟でもあるヴィンテージと出逢い、日本最大規模のオンライン大会「添削杯」に出場するに至るまでを綴ろうと思います。



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2020年5月 - 2021年2月

この頃のわたしの中でmtgは初心者友達3人と遊ぶ為の〝共通言語〟の1つでしかありませんでした。

新弾が出ては集まり、パックを剥いては効果を知らないのに一喜一憂し(これは今でも一緒かも知れません。)、スタックも知らず、ライフは正義であり、デッキは勿論持っていませんでした。


そんなわたしを変えた1枚のカードとフォーマットがあります。

それは、自引きしたルールスによる統率者戦でした。


環境を知らずともうっすらと「ルールスは強いらしい」と聞いていた愛猫家のわたしは、そのヴィジュアルと初心者友達からの熱望の眼差し、そして〝1枚だけで良い〟という理由で統率者戦に挑む事を決意するのでした。

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2021年2月 - 3月

自引きや貰い物の在り合わせで作ったチグハグな〝初めてのデッキ〟、それは達成感と満足感でいっぱいでした。

数日後、わたしは初心者友達を驚かす為にフリープレイと言う名の武者修行に出ました。


初めての対戦募集、

初めてのフリープレイ、

初めてのカードたち、

全てが新鮮で、少し怖くて、すごく楽しくて、わたしはすぐにフリープレイに夢中になりました。


全力で夢中になると現れるモノ、〝勝てない悔しさ〟。それは例に漏れずわたしの前にも現れたのでした。

藁にも縋る思いでアドバイスを求めたTwitterで、1人のヴィンテージプレイヤーの先輩と出逢いました。


〝彼我のアドバンテージ差をつけること、それ自体がフィニッシャーだと考えてます。強みを最大限生かすことを意識すれば勝ちにつながるかと。〟


当時はこの言葉の真意を理解出来ていませんでした。

負け続けて凹んでいたわたしは〝ありのままで良いよ。ルールスの常在能力はとても強いんだよ〟と曲解しながらも、とても励まされたのを今でも覚えています。


そのアドバイスから程なくして店舗大会が再開され、わたしは当時のお礼を伝えようと大会会場へと趣くのでした。

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2021年4月 - 10月

初めての大会見学、その場の熱量に圧倒されました。

コロナ禍でmtgを好きになったわたしは大会を見た事・体験した事が無かったのです。


普段は画面越しでしか見た事の無いパワーカードたちが、

本当にプレイされていて、本当に強くて、本当に美しくて…

畏れ多くも、「同じ舞台に立ちたい」、と思ったのでした。


ヴィンテージ先輩はそう言う〝想い〟を察知する常在能力があるのか、「proxyデッキをあげますよ」と、奇しくもmtg1年生のわたしがproxy乍らもヴィンテージと言う深海へ潜る様になったのでした。

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2021年10月 - 11月

初めての大会見学から約半年が経ち、On Offでの大会を何度か経験した頃、遂に日本最大規模のオンラインヴィンテージ大会「添削杯」の告知がTLを駆け抜けました。

TLやDiscordは瞬く間に「添削杯」一色に染まりました。


そんな中わたしは「ヴィンテージ店舗大会へは願っても一生出る事は出来ない」、「初心者の添削杯参加は申し訳ない」「大会参加、羨ましいな」とぐるぐるした気持ちで過ごしていました。

大会を応援したい、本当は参加したい、でも、参加は出来ない。


〝カードを買う痛みを知らないわたしが同じ土俵に立ってはいけない〟

ぼんやりと、そう思っていたのです。



正直な話それから参加を決意したキッカケは覚えていません。

多分、大きなキッカケは無かったのです。

普段から優しくプレイを教えてくれたり、パワー0なんて気にしなくて良いと笑ってくれたり、小さな優しさの積み重ねで、その〝思い(込み)〟が和らいだのだと思います。



参加表明後は練習の日々でした。


判らなくて申し訳無くて泣いてしまった日、

サイド戦で勝てて嬉しかった日、

対戦後の深夜雑談…、

その全てが大切な思い出となりました。



mtg1年生のわたしがヴィンテージと出逢った日、それは煌びやかで運命的な日なんかじゃなくて、誰にでも起こり得るごく普通の日常の中にあったのでした。

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mana



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