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Old School本の仕様と反省点まとめてみた
諸事情で今後の編集作業に関われるかどうか不明なので後任の方の参考になればと思い、自戒も込めて反省点などまとめてみました。
(タイミングが合いましたら勿論お手伝いしたいです)
同人・印刷業界の方からしたら本当に本当に初歩的な事ばかりだと思いますが、わたしにとっては新発見ばかりだったので拙い文章ですが綴ってみました。
※参考資料としての掲載許可済
![](https://assets.st-note.com/img/1657060734944-Ag7HDq1MIM.jpg?width=800)
仕様
表紙 フルカラー
本文 モノクロ
サイズ B5
表紙 スターアートボード 19.5kg
本文 上質 90.0kg
作業時間 約90時間
作業期間 2/3 〜 6/5 (デザイン・レイアウト構想込)
印刷所 栄光 https://order.eikou.com
![](https://assets.st-note.com/img/1656978071651-OcY1zZ09Ro.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1656980335710-zo1J4sou5O.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1656980466259-C60QRDxRLP.jpg?width=800)
反省点や気付きなど
・原稿が揃ってから編集作業に入る
・ノンブル(ページ数)を打つタイミングは難しい
・原稿に著者の表記名を記載してもらう
・モノクロイラストはグレースケールで描いてもらう
・〆切はあった方が良い
1つずつ説明したいと思います。
・原稿が揃ってから編集作業に入る
原稿を集めている途中で〆切が決まってしまったので今回はイレギュラーなのですが、本来なら原稿が揃わないとページ数やレイアウトが決まりません。
ページ数が決まらないと印刷所探しも難航します。
印刷所が決まらないと入稿ルールが定まらないので後々苦労します。(しました)
まず初めに前回の本を参考にアーキタイプ順に大まかに200ページ分のアートボード用意しました。
それでも途中で新規アーキタイプ・原稿が増えてレイアウト組み直しがありました。
また人によって原稿の文字量に差があった為、原稿回収の済んでいない人用の余白ページ計算に苦戦しました。
そして本は見開き2ページずつで展開されるのでページ数変動がちょっと大変でした。
対策として、原稿が左ページで終わる場合、右ページ余白を調整する為にアーキタイプ見出しを作りました。
(最終的には統一感を出す為に全部にアーキタイプ見出しを作りました)
![](https://assets.st-note.com/img/1656980264074-8HUJYlIA2B.jpg?width=800)
・ノンブル(ページ数)を打つタイミングは難しい
原稿が揃っていない状態なのでアートボードの増減・移動が頻繁に起こります。
作業期間中に確定したノンブルを打てたのは、序文〜扉絵までの1〜9ページ間のみでした。
今回全ページにノンブルが打てたのは一番最後の原稿を編集したタイミングでした。
ノンブルレイヤーにロックをかけてアートボードを移動するとアートボード位置が微妙にズレてしまう可能性があったのでページ増減・移動は以下を行いました。
(ガイドラインでの位置合わせは140ページもボリュームがあり手間がかかるのでやめました。)
・ページごとコピー&Fペースト
・アートボードはタブ(+)で増やす ※見開き2ページを考慮しないといけないので偶数ずつ
もっと良いやり方はあると思います。教えてください…。
あと、かなり細かい点なのですがノンブルとページ上部分はちょっと拘りました。
左側にデッキタイプを入れ、数字と文字でフォントにコントラストを付けて遊んでみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1657061694620-jetOnNPqqi.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1657062040926-Vvl8Jb974a.jpg?width=800)
〝左側だけ〟と言う事は、見開き展開を完全に把握していないと左右でズレてしまいます。
作業中は見開きの並びが変動したり跨る場合もあるので要注意です。
・原稿に著者の正式表記名を記載してもらう
編集しながらなるべく毎晩校閲用に全ページをPDFで書き出し、著者の方々と共有・チェックを行いました。
寄稿文は寄稿文、名前は名前…とチェック作業が分割してしまい見落としが増えてしまいました。
なので今後は寄稿文に〝クレジットに載る正式表記〟での名前も入れてもらうと良いかもな、と思いました。
あと誰からの原稿データかが判り易いです。
・モノクロイラストはグレースケールで描いてもらう
これはかなり吃驚しました。
わたしは普段フルカラーでしか印刷物を作らないので、CMYKやRGB入稿で慣れてしまっていたのです。
本文がモノクロの場合、CMYKモノクロでもCMY値(色の数値)が入ってしまうのでダメだったようです。
CMYKモノクロで描かれたイラストはCMY値を抜くと、同じ〝モノクロ〟でも値の差が出てしまい結果としてコントラスト差が生まれてしまいました。
今回はそのコントラスト差を修正する時間が無く、色が沈み過ぎたり飛び過ぎてしまいました。
本当にすみません…。
モノクロイラストは完全なる二値化のK値のみのグレースケールで!です。
・〆切はあった方が良い
プレッシャーは増えてしまいますが、スケジュールが立て易くゴールが目に見える事で安心感とモチベーションの継続にとても役立ちました。
創作物は無限に修正や微調整が出来てしまうのです…。
そして〆切がある事で時間・スキル的に〝自分に出来る事〟と〝出来ない事〟が明確化します。
出来ない事は他の人に頼っても良いのです。
作業中は沢山の方に頼らせていただきました。
本当に本当に有難う御座います。
そして最後に。
頑張ったら頑張った分だけ〝リターン〟があります。
それは本のクオリティに限った事ではありません。
〝達成感〟だったり、〝読者の感想〟だったりします。
実物を手にした時は本当に感動しました。
1つの物事に真剣に取り組み、情熱を注ぎ込んだ事はとても素晴らしい経験となりました。
そして、その姿はどこかで誰かが見てくれています。
ゴールテープに向けて走り切った4ヶ月間。
一緒に走ってくれた皆さん、
応援してくださった皆さん、
感想を呟いてくれた皆さん、
本当に有難う御座いました。
この〝達成感〟が、最高のリターンだとわたしは感じました。
素晴らしい機会とご縁に感謝いたします。
mana
サポートいただけたら嬉しいです。創作活動に使います。