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その迫力、体感する価値大いにあり「日本の巨大ロボット群像展」

コロナ禍も随分過去になって、人の動きも活発になったように感じるゴールデンウィーク。
東京のガンダムベースなどは朝の四時から整理券を配っていると聞いて正気か?と驚くばかりですが。

そんな人が沢山集まりそうな都会は避け、今回は日帰りで四国は香川県の高松市に日帰りで遊びに行って来ました。

お目当ては昨年から巡回している「日本の巨大ロボット群像展」。
福岡、横須賀に続いて三ヶ所めが高松市美術館になります。
この後京都にも来るので、兵庫在住の私としてはそっちに行くという選択肢もあったのですが、時期的に暑くて混みそうだし、久しぶりに本場の讃岐うどんも食べたかったので、ドライブがてら瀬戸大橋を渡って行ってきました。

高松市内は渋滞もなく、駐車場も停めやすくて快適でした。

そんな感じでうどんを食べて美術館へ。

おでんとうどん。うどんは冷たいのでもよかったかも。

最初の展示では、最近の実物大ロボット展示の映像(ガンダム 、パトレイバー、鉄人28号など)に続き、元祖巨大ロボットである鉄人28号にマジンガーZの展示。鉄人はその時代的変遷を、マジンガーZは搭乗するロボットの元祖として、今のロボットアニメにも続く革新的なフォーマットの説明を、当時の資料と共に解説していました。

合体ロボットとしてはゲッターやコンバトラーVを、同時期のロボットとして鋼鉄ジーグやライディーンの紹介も。

そして次のコーナーは、マクロスのデザインでも有名な宮武一貴さんが本展のために描き下ろした巨大なロボット絵画です。

マジンガーZ
コンバトラーVとライディーン
90年代のロボットたち

この絵の迫力は、実際に見ていただかないと伝わらないと思います。勢いで描いているように見えて、下からロボットを見上げる構図が見事で、美術館に飾る絵画として見応えがありました。

顔を入れて記念撮影できます

実在の大きさを伝える展示が多い本展、スタジオぬえデザインのパワードスーツ(ハイラインの宇宙の戦士より)の実物大モデルのパワードスーツで記念撮影もできます。
そしてパワードスーツに続いては、皆さん大好きモビルスーツのコーナー。

シールドのデカさがインパクト大

床一面に描かれた等身大のガンダム と、壁に描かれたビームライフル、シールド、バズーカ。各部にはそれぞれ掌に乗るセイラさんやサーベルの手入れをするアムロなど、リアルさを伝えるシーンが掲載されており、説得力のある展示を堪能できます。
また、セル画の重ね合わせにより巨大感と存在感を伝える演出も流石。

1話の名シーンが蘇ります。

なお、本展の音声ガイドは水樹奈々さんと銀河万丈さん。このコーナー辺りから銀河さんの参加作品も増えてきて、ギリギリ攻めた中の人ネタも聞けて、耳が幸せでした。美術館らしく備えおきの機器で聞けますので、スマホにインストールしなくて良いのも嬉しいところです。

ガンダム の次は80年代のリアルロボたち。

ダグラム頭部にザブングル のレッグタイプ
ルパンのラムダにガーランド

ガンダム 以降リアル路線を追求した結果、ロボットは中型から小型なものが増えた様子です。

特にガーランドはバイクからロボットに変形するデザインで、ロボット形態の大きさも4メートル以下。丁度模型を作っていたのもあり、その大きさを実感できました。変形の設定も詳細で、キットの変形機構も忠実だったんだなあ、と感心するなど。

プラモの変形も秀逸でした

リアルなロボットの大きさを堪能した後は、ロボットの内部図解。永野護のゴティックメード「カイゼリン」の巨大図解は、彼の業績についての詳しい音声解説も相まって、設定資料で見ていたものも、存在感を増しているようでした。

エルガイムmark2の内部も存在感バッチリ

内部機構に絡めて流されていた映像では、勇者シリーズやガンバスターの合体シーンが。
なるほどこの時期のロボットアニメでは、合体シーンで精緻な内部機構が堪能できるものが多かったですね。映像は撮影禁止ですが、好きな合体シーンも多く、プロジェクターで堪能できてラッキーでした。

最後は90年代ロボットや著名人のコメントなど。押井監督や中島かずきさんのコメントは読み応えありましたが、富野監督や高橋監督のコメントがあれば嬉しかったなあ、と思うなど。

展示の最後には、本展に企画から関わっていた故・廣田恵介さんに言及するパネルも。Xでも展示について貴重な話を常に提供していただいていただけに、突然の訃報は本当に残念でした。
彼のキュレーションで決まった立体ではなく平面を展示する手法は、等身大ロボットが日本中で見れる今こそ体感する価値があるものだと感じました。

既に関東では横須賀で実施済みの本展。関西では前述の通り7月から京都で行われます。
巨大ロボットに憧れた子供時代を過ごした人たちは、是非一度足を運んで頂きたい展覧会だったと思いました。

なお、高松展では開催に合わせてジオラマ展示を募集しており、力の入った作品も堪能できました。

ゴールデンウィークに讃岐うどんを食べに香川まで、と考えている人がいらっしゃいましたら、この機会に立ち寄るのもありですよ。

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