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結局FXって何が原因で動くの?って話

こんにちは。

最近職場の同僚が投資に興味を持ったようでFXの話になり、以前から私がFXをしている話をしていたので同僚から出てきた質問がタイトル。「理論上は~実際は~」と説明してみたが自分でも分かり辛かったので今回まとめたい。ちなみに今回書くのは実際のトレード経験から筆者が確信したものに限ります。理論上の話は役に立たないし、知識が無いので出来ません。また筆者は為替経験6年、生涯収支-60万の実力です。参考になりませんね、やったね。


結論

①投資家心理・需給・過去の値動き (8割)

②政策金利 (1.5割)

③経済指標 (0.5割)


①投資家心理・需給・過去の値動き (8割)とは

これは雑に言うと投資家や参加者が値動きを見て「こんなに上がったから下がるでしょ」とか「下げたからそろそろ上げるでしょ」と考えて各々が売買することです。(*この場合の投資家というのはいわゆる機関投資家や企業等を指して、我々個人の注文は規模が小さすぎて単位に含まれない)。あと (8割)っていうのは動く原因の度合のことです。つまりほぼコレでFXは動いてます。間違いないです(筆者経験則)。

え、なにその雑な感じと思われるかもしれませんが6年トレードしての結論としてはまあそんなもんだと思います。順に説明します。

1、まずこの為替を主に誰が取引していて動かしているかというと、「為替オーバーレイ入門」(中窪文男氏2004年)掲載の国際決済銀行集計の東京市場の1日当たりの取引形態別の平均出来高によると約8割はインターバンク=銀行間取引で行われています。図は書籍より引用、問題あれば消します。

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ここからは想像ですが、その銀行間取引は様々な顧客(自動車メーカーやら航空会社、商社、輸出入会社、保険、証券etc・・・)からの注文と想像できます。ここでもし銀行のトレーダーさんと大口顧客の注文決裁者さんに何考えて取引してんの?と質問して答えてくれたら解決するのですが、まあ絶対にないでしょう。つまり何が言いたいかとこれに関しては確たるソースなんて無く値動きから想像するより他に無いということです。

2、次に何故投資家心理とかふんわりしたものなのかというとそもそも為替には決定的な売買材料が少ないからです。例えば株だと「新商品が大人気」とか「〇億円の損失隠しか」というニュースがあると上がる下がるがありますが、国レベルの為替ではそこまでわかりやすいものはありません。見出しで書いている②政策金利③経済指標というその国の成績表みたいなものはあるのですが、例えばドル円の値動きを予測する時に「アメリカの失業率が先月と比べて-0.1%で改善!」と出たとしてじゃあ「日本は先月比-0.2%!」でも絶対値は日本の失業率の方が悪いです、となると結局どっちがいいのかはわかりにくい。また逆に「今回の数値ならアメリカの方が良い!」とわかるような数値の時でも何故かドルの方が下がるなんて事も多いです。証券会社等の解説では、「それまでの経済指標がよかったので織り込み済で上がってた」とか色々説明はされますが結局の所は注文した本人以外わかりません。つまり為替はその材料が少ないのと、あっても教科書的な動きをすることが少ないのです。

3、1で真実は不明、2で売買材料が無い、じゃあ何で取引すればいいんです?!となったと思います。実際に取引してる人もそうなってます。となると後は過去の値動きくらいしかないんです。少し話は変わりますが皆さんは「ドル円って大体どれくらい?」と聞かれたらどう答えるでしょうか。日本人なら100円~120円くらい?と答えるのではないでしょうか。

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これは2003年から2021年までのドル円の動きを纏めたものです。月足と言って図の1本1本は1ヶ月の動きをまとめたものです。

ここでお読みのあなたにはトヨタの為替注文責任者になってもらいたいのですが、トヨタは1円円高になると営業利益が350億円減るという話で有名ですが、アメリカでたくさん車が売れてそろそろ日本円に戻したいとなった時に社長から「君のタイミングで円に戻して」と言われて折りよくドル円が120円近くに上がってきました。皆さんはどうされるでしょうか、図では125円くらいまで上がってる時もありますがそこまで待つでしょうか。私なら120円に到着した瞬間に全部売ります。待ちすぎて下がっても嫌ですし・・・と、こうやって相場は形成されていくと思うんです。経緯はともかく現実問題その通貨毎におよその上限下限的なものがあり。余程の事件が無い限りその幅の中で取引されていることが殆どです。

その証拠に近いもので各FX会社が発表している「オーダーブック」「注文状況」というものがあります。

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*OANDAより引用。これはその会社の顧客が注文している内容を表示したものです。見方としては図の中央より左側が売り(Sell)注文、右側が買い(Buy)注文で、スクショを取った時点のドル円が109.73だったため111円まで上がると売り注文が多くなり、109円になると買いが多くなるというのがわかります。これを数年見てもらうとわかるのですが各通貨毎の上限に近づくと売り注文が増えて、下限に近づくと買い注文が増える傾向が高いです。「え、後はこの後の上か下かがわかれば完全に予想できるのでは」と考える方がいるかもしれませんがそうは問屋が卸しません。あくまで上限下限程度がわかるだけで(時には抜けるときもある)そこまでの空白地帯は予想不可ですので投資家心理・需給と言うしかないのですね。

ここから先の分析は各トレーダーさんの腕の見せ所なわけなのですが、私の分析では例えばドル円は逆張りが多いと言えます。先程の109.73から110円に到着するとすぐに売られる、109.80まですぐ売られることが多いです。また別にユーロドルという通貨だと1度流れが発生すると長い傾向があり1.15ドルという値段が上がりだすと売られることは少なく一気に1.20まで上がる等です。他にも「移動平均線の200日を超えたら上昇傾向が強い」とか「ボリンジャーバンドという分析手法の〇値を超えたら売り時」とかとか、、、。

というわけでまとめると普段は過去の値動きは強く意識されるが上限下限などのキリの良い所くらいで、それ以外の空白地帯は投資家心理・需給で各々好きにトレードしているということです。


②政策金利 (原因度合1.5割)とは

政策金利とはその国で預金した時の基準金利のこと。日本だと数年前に発表されて少し話題になった-0.1%のアレ。基本的には自国より金利の高い国で預金するとその分の金利が儲かるのでその通貨が買われる。

例として実際の政策金利と値動き(チャート)を用意しました。2018年1月から2020年までの米国とEUのもので、2018年時点では米国の政策金利は1.5%、EU(欧州)は0%でそこから2019年1月まで米国側が金利を上げていき、実際の値動きも金利に比例して米ドル買いの下方向に進んでいます。

政策金利eur-usd3

*外為どっとコム、政策金利一覧 より引用https://www.gaitame.com/markets/seisakukinri/

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はい、キレイに比例していますね。キレイに比例している値動きを頑張って探した結果です。よく見ていただくと、上図の2018年以前からも米国の金利は上昇してきているのに下図の値動きでは上昇しているのがわかると思います。つまり"ドル買い"されておらず"ドル売り"されてしまっているのです。じゃあダメじゃんという話ですが仰る通りで、他の諸々の要素に比べれば確度はあるものの”絶対”ではないのです。


③経済指標(原因度合0.5割)とは

経済指標とは国レベルの成績表の事。ニュースで聞くものだと失業率や消費者物価指数など。この経済指標を元に各国中央銀行が1の政策金利を決定する。FXで有名な所だと米国雇用統計というもので雇用に関する指標で毎月初めの金曜の夜に発表される。これは動くのは動くがこれを使ってトレード出来るかと言うとうーんである。

その原因は幾つかあるがまず1つ目は我々個人に指標結果が届く前には既に値動きが始まっている点。発表の時間1秒と経たずに猛烈に動き出すし、しかも一方向ではない。そんな初動が起きてから2~30秒程経ってからようやく詳細情報が我々一般参加者に届くのである。

2つ目は動きが一定や一方向ではない点。最初上に強烈に動いたので上かと思ったら5分とせずに今度は強烈な下げなどはザラ。長い流れならどうかというとこれもアテにならない。その晩は上昇し続けたが朝見たら元に戻ってる等も普通である。あとは全く動かないという場合もある。結論としては動かない時もあるし動く時は動くけどすぐ終わったり長く続いたり色々する(もうコレ結論じゃねぇな。)


④その他

見出しには書いてませんが、一応他にも普段発生しないが動く要因はあるので羅列します。

要人発言、トランプツイート(多分もう無い)、為替介入、選挙、国民投票(ブレグジット)、ファットフィンガー(誤発注)、金融危機(リーマン、チャイナ、コロナetc)、フラッシュクラッシュ、地政学要因、悪政(民主党政権、現トルコのエルドアン政権等)、週明け窓、フィキシング(仲値)、

他にもあるかもしれませんが、あったらコメントなどで教えていただけるとありがたいです。


まとめ

ここまでをまとめると金利・経済指標や過去の値動きでFXの動きは発生しているが”この後どう動くか”は投資家心理・需給、つまり客観的データは無しということ。つまり乱暴に書くと動く原因なんてわからん!ということです。その部分の分析や予測こそがFXの醍醐味、腕の見せ所ですので。

ちなみに筆者は「動く原因は結局の所わからないし予測も絶対に出来ないから動いた方向に乗るだけ」と考えていてそれでトレードしてます。長年トレードしている人やツイッターで勝っているっぽい方たちのトレード理由の殆どはこれではないかと思います。

最後に元も子もないことを書きましたが、現時点で私の経験値で書く正直な所は以上です。もしコレを読んだ人がいれば何かしら役に立てば幸いです。皆さんに爆益あれ。

2021年4月13日,sal

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