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【Old School】赤青黒Troll Disco

オールドスクール環境における有力なコントロールデッキの一つである赤青黒Troll Discoを紹介します。
カウンター、ドロー、火力といった赤青の基本的なコントロール要素に加え、《Sedge Troll》と《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》による強力な盤面コントロール能力も備えています。

ちなみにデッキ名は《Sedge Troll》と《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》に由来します。円盤は回るがトロールは再生で生き残る様が踊っているようなので、ディスコと称しているのでしょうか。海外発祥のネーミングなので正確なところは分かりません。その他にDisk TrollやTroll Disk、Disco Trollなどとも呼ばれています。本稿ではTroll Discoと呼ぶことにします。

サンプルデッキリスト

■メイン

3《島/Island》
4《Volcanic Island》
4《Underground Sea》
4《Badlands》
2《真鍮の都/City of Brass》
1《Library of Alexandria》
3《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》
4《露天鉱床/Strip Mine》

4《Sedge Troll》
1《Guardian Beast》

4《稲妻/Lightning Bolt》
1《火の玉/Fireball》
4《対抗呪文/Counterspell》
1《マナ吸収/Mana Drain》
2《魔力消沈/Power Sink》
1《Ancestral Recall》
1《Time Walk》
1《Timetwister》
1《回想/Recall》
1《知識の噴出/Braingeyser》
1《精神錯乱/Mind Twist》
1《悪魔の教示者/Demonic Tutor》
1《支配魔法/Control Magic》
1《Chaos Orb》
4《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》
1《ブラック・ロータス/Black Lotus》
1《Mox Sapphire》
1《Mox Jet》
1《Mox Ruby》
1《太陽の指輪/Sol Ring》

■サイドボード

3《赤霊破/Red Elemental Blast》
2《青霊破/Blue Elemental Blast》
2《粉砕/Shatter》
1《粉砕の嵐/Shatterstorm》
2《ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome》
1《支配魔法/Control Magic》
1《恐怖/Terror》
1《地震/Earthquake》
1《City in a Bottle》
1《象牙の塔/Ivory Tower》

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デッキ解説

赤青のコントロールデッキに黒を加えた型です。《稲妻/Lightning Bolt》や《対抗呪文/Counterspell》などで序盤を凌ぎ、中盤以降は《Sedge Troll》や《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》などで盤面をコントロールし、大量ドロー呪文や手札破壊呪文で格差を付け、勝ちに繋げます。

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マナ供給源を30枚採用しているのが特徴であり、使えるマナを毎ターン確実に増やして行動の選択肢を広げ、また土地破壊への耐性を付けることも意図しています。一般にビートダウンデッキで26~27枚、コントロールデッキで28~29枚程度ですので、それらと比べてかなり多いです。

初手キープ基準としてはマナ供給源が3~4枚。黒マナよりも赤と青が優先です。《稲妻/Lightning Bolt》か《対抗呪文/Counterspell》を撃てると序盤が安定するからです。相手が序盤に《露天鉱床/Strip Mine》を一回使ってくるとして、以降の展開がイメージできる手札をキープします。
マナ供給源が2枚や5枚でも、《稲妻/Lightning Bolt》や《Ancestral Recall》など序盤の安定に寄与する呪文が複数あるなら、キープしてよいです。そうでないなら、2枚の場合は《露天鉱床/Strip Mine》を使われて詰み、5枚の場合は初動を弾かれて詰みのパターンがあるので、マリガンします。

《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》は非常に強力な土地ですが、初手に不要なため採用は3枚に抑えています。序盤は色マナを揃えることが最重要だからです。また除去で落とされると使えるマナ数が減るので、体勢が整うまでは積極的に攻撃には向かわせません。相手の《露天鉱床/Strip Mine》が見えているのなら、囮として展開することもよくあります。これを破壊してもらえるなら、色マナの出る土地の場持ちが良くなります。

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終盤に不要となった土地はプレイせずに手札に溜めることで、
①《Library of Alexandria》の起動に繋げる
②《回想/Recall》のディスカードに充てる
③相手の《精神錯乱/Mind Twist》を釣りだす
④相手の《ハルマゲドン/Armageddon》対策にすることもできます。

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マナフラッドへの対策カードとしては《火の玉/Fireball》、《魔力消沈/Power Sink》、《知識の噴出/Braingeyser》、《回想/Recall》を備えています。
特に《魔力消沈/Power Sink》は対コントロールのキーカードであり、ピッチスペルの無いこの環境でタップアウトは死の直前を意味します。デュアルランドの他に多色土地の選択肢が少ないため、《真鍮の都/City of Brass》が多く採用されるのもこの呪文の強さを引き上げています。相手の《真鍮の都/City of Brass》をタップすることでライフを火力圏内まで押し込めます。

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黒を加えることの利点は、
①《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》と相性の良い《Sedge Troll》を採用できること
②《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》や《Chaos Orb》の再利用ができる《Guardian Beast》を採用できること
③定番の《悪魔の教示者/Demonic Tutor》と《精神錯乱/Mind Twist》の採用です。

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《Sedge Troll》は再生を持つため、地上クリーチャーの大半を止めることができ、ダメージ依存の除去カードを相手の手札で腐らせることができます。戦線を維持しつつ、《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》で盤面を一掃したあとはそのままゲームを決めてくれる存在です。《剣を鍬に/Swords to Plowshares》や《支配魔法/Control Magic》には弱いですが、撃たれることを前提に4枚採用しています。

《Guardian Beast》はタフネス4が優秀であり、《稲妻/Lightning Bolt》一枚で除去されません。また《恐怖/Terror》も効きません。アーティファクトを守る能力は、攻撃してタップ状態になるとオフになるので注意が必要です。またクリーチャー化した《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を守ることはできません。使用した《Chaos Orb》を破壊から守ったとしても位相はタップ状態のままですので、1ターンに複数回の使用はできません。

《悪魔の教示者/Demonic Tutor》はドローやサーチ手段に乏しいこの環境で一際優秀なカードです。実質的に制限カードがデッキに2枚ずつ入っていることになります。強力なドローカードや、一撃でゲームを終わらせかねない《精神錯乱/Mind Twist》、その他状況に応じたカードに容易にアクセスできます。またサイドインしたカードをサーチできるので、サイドボード枠の節約も可能です。

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アドバンテージ差をつけることそれ自体がフィニッシャーとなりますので、カウンターや火力、《Sedge Troll》の再生、一対多交換の呪文、《回想/Recall》による呪文の再利用などでゆっくりと確実にゲームメイクしていきます。

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サイドボード後は《支配魔法/Control Magic》や《地震/Earthquake》、《ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome》などが追加のアドバンテージカードとなります。

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《支配魔法/Control Magic》と《地震/Earthquake》はクリーチャーデッキに対して一対多交換ができるので、劇的な効果が見込めます。
また《Sedge Troll》を擁するデッキ同士の対戦では《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》を少なくとも2枚サイドアウトするため、《ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome》はそのスペースにちょうど収まります。オールドスクール環境における《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》である《ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome》の強さは尋常ではありません。

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その他は色対策やアーティファクト破壊、クリーチャー対策などがサイドカード候補です。

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特筆すべきは《City in a Bottle》です。主に《Juzam Djinn》への対策として使用します。《暗黒の儀式/Dark Ritual》から唱えられる《Juzam Djinn》はタフネス5に加えてその速度も除去耐性になっています。使えるマナが少ない序盤に5/5というサイズを展開されると、《稲妻/Lightning Bolt》1枚では除去できず《支配魔法/Control Magic》も間に合いません。2マナの置物である《City in a Bottle》はモックスと土地から1ターン目にプレイできるため、対策として非常に有効です。その他に《セレンディブのイフリート/Serendib Efreet》や《アーナム・ジン/Erhnam Djinn》、多色デッキのマナ基盤である《真鍮の都/City of Brass》などを咎めることもできます。

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強力な対クリーチャーカードである《イス卿の迷路/Maze of Ith》が不採用なのは、土地プレイ権を使用するのでそのターンマナを伸ばすことができず、毎ターン使えるマナを増やしたいこのデッキには不向きと判断したからです。The Deckのように全色モックスを採用するデッキならこのデメリットを軽減できますが、色の合うモックス採用に留まるこのデッキではデメリットを強く受けてしまいます。

デッキ拡張案

黒赤メインで手札破壊や土地破壊に寄せるものもあります。《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》や《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》、《陥没孔/Sinkhole》などが候補です。この場合アグロな構成となるため立ち回りが異なってきます。

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その他に《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》と相性のよい《ルフ鳥の卵/Rukh Egg》や《ウスデン・トロール/Uthden Troll》、《粘土像/Clay Statue》を採用し、火力を増強するパターンもあります。

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「mtg troll disco」や「mtg crimson disco」などでGoogle検索すればデッキ画像が幾つか見つかるはずです。

強力な《Sedge Troll》と《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》の組み合わせを活かす方法は様々にあります。好みのアプローチでデッキ構築していただければと思います。

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