Spec Ops:The Lineをプレイした
バイオ8に続きゲームをクリアしたので、その投稿。
と言ってもクリアしたのはバイオ8より前。
このゲームを初めて知ったのは、この動画がきっかけ。
(この動画の6:04から)
ゲームが終盤に差し掛かると、ローディング中に表記されるTIPSが次第にプレイヤーに直接語り掛けてくる文言に変わっていくという演出に、動画を通して驚いた。そしてこういうゲームは動画ではなく、実際にやってみないと実感出来ない事が多いだろうなと思いプレイした。(Steamのセールで596円。安い!)
最初の印象としてはスタンダードなTPSシューターだと思った。ギアーズやThe Divisionのようにカバーしながら敵を撃ち前に進んでいくアクションで、戦闘と戦闘の間に挿入されるシーケンサーがゲームの展開の良いアクセントになっている。
弾は少し少なく感じる事もあり、何度か弾切れになる事もあったし、被ダメも割と痛く、難易度はノーマルでやったけど、それでもかなり歯ごたえがあると思う。
TPSカバーシューターは他のアクションゲーよりもプレイヤーの動きは限定されがちなので、シーケンサーを用いてゲームのテンポに波を作るのは良いシステムだと思う。とはいえ、TPSシューターという点だけを切り取ると、良くも悪くも平凡なTPSシューター。しかし平凡に至らないのは、シナリオにある。
ゲームの中盤で、プレイヤーは敵が密集するエリアにを白燐弾を撃ち多勢の敵兵を倒していく。
要するにめちゃくちゃ毒性も高く確実に処理できる武器。
白燐弾を撃って敵に命中させていく中で聴こえてくる敵兵の叫び声がゲームとは言えど、自分がボタン一つで人命を奪っている罪悪感をふつふつと与えてくる。そして白燐弾は敵兵だけでなく、敵兵が保護していた民間人にも被弾し、プレイヤーの正義感は一気に崩壊する。敵を倒し前に進んでいたはずが、外からやってきた自分達こそが、この戦いの諸悪の根源なのではないか?と疑わずにはいられなくなる。
敵を倒して物語を進めていくアクションゲームという事を逆手にとって、敵(人間)を倒していく事の生々しさを突き付けてくる。それがこのゲーム最大の特徴であり、未だに忘れ去られない要因の1つなのだと思う。
他にもプレイヤーに選択肢を与えるシーンもあった。
プレイヤーの乗っていたトラックが敵に横転させられ、トラックに下半身をつぶされた味方が、「ひと思いにやってくれ」と言う。しかしプレイヤーは今まで持っていた武器をほとんど失い、持っていたのは、1発の弾が入ったリボルバーだけ。ここでは2つの選択肢がある。味方をひと思いに撃つか、そのまま放置し、前に進むか。
どちらにしてもゲームの進行に支障はきたさないが、この臨場感のある選択しをプレイ中に与えてくるのが、とても印象的だった。
こういうシーンは他にも何か所かあり、エンディングを分岐するシーンもある。
前にも書いたように、TPSシューターとしては敵のバランス調整等、イマイチに感じる部分もあったが、プレイヤーの倫理観を揺さぶるシナリオと、そのシナリオの中で描かれるインタラクティブな選択肢が、ゲーム体験をとても濃密なものにしていたと思う。
こういう演出はPS5のように最高品質なグラフィックやレベルギミックとはまた異なり、シナリオとゲーム体験がしっかり紐づいていないと生まれないものなので、こういう体験が出来るゲームが増えたら良いのになぁと思ったりもした。
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