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 今年のFA市場の大物ギャロの2023年を振り返る

 今年からMLBのデータ野球の象徴ともいえる守備シフトに規制がかかりましたが、このシフト規制の恩恵を受ける打者がかなりいるだろう予想されていました。
 その1人が今年からツインズに移籍した私のお気に入りの選手、ジョーイ・ギャロです。
 毎年毎年スタッツ好きの私に刺さる成績を叩き出すギャロですが、昨年は不振のシーズンを送り今年こそと期待されましたが、思うような成績を残せず2023年を終了しました。
 今回はシフト規制もある中でなぜギャロが思っているより復活できていないのかデータを見ながらそれとなく検証します。
 ※データしか見ません。打撃フォーム等のメカニックな部分については一切触れません(そこに触れると面倒なので


1 ギャロの成績を確認する

ギャロらしさ満載の成績

 ギャロは昨年オフにドジャースをFAとなった後、1年1100万ドルでツインズと契約しました。
 昨年のギャロはヤンキースで開幕を迎えましたが、ニューヨークのプレッシャーに潰れて不振に陥りTDLでドジャースへ移籍。2022年の最終成績は打率.160(350-56)19本47打点とギャロのキャリアで最悪の成績を叩き出してシーズンを終えてしまいました。
 シフト規制がかかること、ツインズというそこまでプレッシャーを感じない球団へ移籍できたこともあり、ギャロは今年こそ豪快な打撃を見せつけると期待していました。
 ただ今年の成績は打率.177(282-50)21本40打点と思っているより成績が改善せず、最後はケガでIL入りしPSにも出場できないままシーズンを終了しました。

4月以降は散々


 4月こそ本塁打7本を放ち、復活を思わせましたが、5月以降は昨年を思い出したように不振に陥り、毎月打率が1割台に低迷。三振を量産する状態になってしまいました。
 特に後半戦は.157(83-13)と大不振で100打席で47三振を喫するなど、ある意味ギャロらしいのですが(?)昨年のような粗さも垣間見える1年となっていました。
 平均打球速度は93.0mph、ハードヒット率52.9%と強い打球は打てていたもののxBA(打率の期待値)は.154しかなく、昨年よりも悪化(昨年は.169)していました。つまり今年のギャロはxBAだけで見ると、去年より期待できない打者だったわけです。
 ただ50安打のうち本塁打21本で単打はわずか19本と「単打より本塁打が多い」というギャロの持ち味は最大限に発揮されました。(どういうこと)

2 不振の要因は?

 ギャロの今季の不振の要因は2つです。
 1つ目として挙げるのは「バットに当たらなくなった」ということです(冗談で言ってない)


 今季のギャロは332打席に立ちましたが、喫した三振はなんと142個(!?)を数えAL20位にランクしました。三振が140個以上の選手の中ではギャロの打席数は最も少ないです(次点が404打席で141三振のTORベルトの時点でギャロの恐ろしさが分かるはず)
 ギャロのK%は42.8%はキャリアワーストで、今季300打席以上の選手の中でもワースト1位です(K%が他に40%を超えていたのはKCニック・プラット1人だけです)
 元々豪快な打撃スタイルのギャロなので、K%が高いのは仕方ありませんが、40%を超えたのは今年が初めてで今季いかに三振が多かったかが分かります。
 さらに「バットに当たらなくなった」が冗談では済まされないデータがWhiff%(空振り率)からも読み取れ、44.3%というこちらもキャリアワーストの数字を叩き出しました。
 これだけバットに当たらず、三振を喫していてはシフト規制などほとんど関係なく、成績が残らないのも仕方ありません。
 もうひとつ挙げられるのは「打球の質が良くなかった」という点です。
 元々ギャロの打撃スタイルは「三振かホームランか四球」なためそもそもインプレーの打球はかなり少ないです。
 今季の打席に占める三振+ホームラン+四球の割合はなんと63.6%とほぼ3分の2です。(野手は暇だろうなぁ)
 その数少ないインプレーになった際の打球の質も実はそこまで良くなかったのです。

フライが多い

 今季のギャロの打球の内訳をBaseball Savantで見るとPU%(ポップフライの打球)が15.0%と例年と比べても高めだったというところが気になりました。
 ポップフライではいくら打球速度が速くても滞空時間が長くなるため余裕でアウトになります。
※今季のLaunch Angle(平均打球角度)は26.4°でこれもキャリア最大でした。
 xBAが低いのも打球の質が悪すぎるためで、LD%(ライナー性の打球)が14.3%でキャリアワースト、FB%(フライ打球)が41.4%とバットに当たっても約6割がフライと打球の質が良くないのでは復活など望めなかったわけです。
 今季のギャロが復活できなかったのは「極端な打撃スタイルがさらに極端になったから」という信じ難いような結論にたどり着いたわけです(あくまでデータを見ただけなのでこれだけが全てではありません)

3 ギャロの今後を大胆予想

FA市場の大物は何処へ移籍するのか

 ギャロはツインズとの契約は1年契約でオプション等もないため今オフでFAとなりました。
 今季のFA市場では大谷翔平を超えるNo. 1の大物(大谷さんにド失礼でした、お詫びします)なわけですが、今季の成績を見てると今オフはかなり厳しいものになるのではないかと予想してます。
 これだけ極端な打撃スタイルではコンテンダーのチームも獲得に難色を示すのは目に見えています。
 またギャロはこの豪快な打撃スタイルに似合わない(?)守備が上手い選手なのですが、今季の守備指標は平均レベル程度になってしまっています。
 さらに今季はハムストリングの負傷を含めて計3回IL入りし、PSに出ることなくシーズン終了するなどケガがちなシーズンとなってしまったため、今オフは昨年と同程度の契約を結ぶ(1年1100万ドル)のは厳しく、獲得するチームは1年契約を結び、チームの状況を見てTDLで放出を見越して獲得するのではないでしょうか。
 さすがにスプリングトレーニング前には契約がまとまると予想してますが、この極端すぎる打撃がどのように評価されているかは微妙なところです。
 私のお気に入りの選手で、来年のその豪快な打撃を見ていたいので、どうかギャロにチャンスをください(なんでもしますから)


















※これが実現したら笑う

とあるFA市場予想ではギャロはA‘s入りだとか何とか

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