サムエル記上 18章

サウルはダビデに言った。


「わたしの長女メラブを、お前の妻として与えよう。わたしの戦士となり、主の戦いをたたかってくれ。」


サウルは自分でダビデに手を下すことなく、ペリシテ人の手で殺そうと考えていた。
‭‭サムエル記上‬ ‭18:17‬



「人を裁くな。あなたがたも裁かれないようにするためである。


あなたがたは、自分の裁く裁きで裁かれ、自分の量る秤で量り与えられる。


あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか。 兄弟に向かって、『あなたの目からおが屑を取らせてください』と、どうして言えようか。自分の目に丸太があるではないか。


偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からおが屑を取り除くことができる。」
‭‭マタイによる福音書‬ ‭7:1-5‬



本章においてはサウル王の家臣ダビデが素晴らしい戦働きをし、民衆の人気も得たダビデに対してサウルが嫉妬し、陰謀を巡らす様が描かれている。



サウル王は有能かつ民の心も掴んだダビデに王位を奪われることを恐れ、あるいは嫉妬し、彼を合法的に亡き者にしようとする。



自分の娘を彼に与え、その持参金代わりとして敵であるペリシテ人たちの命を奪ってくるよう話を持ちかける。



ダビデはその条件を果たし、遂に、貧しく、家柄も良くなく、単なる羊飼いであったダビデは王の娘婿となる。



この後、ダビデはサウル王の次の古代イスラエル王として即位する。



そのダビデには有名な罪のエピソードがある。ヘト人(外国人)ウリヤを殺し、その妻を奪ったエピソードである。



ヘト人(異国人)ウリヤの妻が穢れから身を清めるために沐浴しているのを目撃し、それに欲情したためダビデ王は陰謀を巡らせる。



戦争から離れられ、やっと休暇を取れたにも関わらず「自分だけ休むわけにはいかない」と述べるほどに神に対しては敬虔、王に対しては忠実な部下であるヘト人ウリヤを殺し、その妻を奪う陰謀である。



この陰謀はある意味成功し、ヘト人ウリヤは敵の手にかかり死ぬ。



かつてサウル王の嫉妬により命を奪われかけたダビデは、自らが王となった時に、隣人のものを欲するという嫉妬により同じ罪を犯す。



主はダビデにこの罪を悟らせるため、預言者を通じて一つの物語、あるいはたとえ話を語る。



丁度、キリストが数多くのたとえ話、あるいは物語を通じて語ったように。



:ダビデは、サウルが派遣するたびに出陣して勝利を収めた。


サウルは彼を戦士の長に任命した。


このことは、すべての兵士にも、サウルの家臣にも喜ばれた。
‭‭サムエル記上‬ ‭18:5‬


:女たちは楽を奏し、歌い交わした。


「サウルは千を討ち ダビデは万を討った。」


サウルはこれを聞いて激怒し、悔しがって言った。


ダビデには万、わたしには千。あとは、王位を与えるだけか。」


この日以来、サウルはダビデをねたみの目で見るようになった。
‭‭サムエル記上‬ ‭18:7-9‬


:サウルは言った。


「では、ダビデにこう言ってくれ。『王は結納金など望んではおられない。王の望みは王の敵への報復のしるし、ペリシテ人の陽皮百枚なのだ』と。」サウルはペリシテ人の手でダビデを倒そうと考えていた。
‭‭サムエル記上‬ ‭18:25‬


:自分の兵を従えて出立し、二百人のペリシテ人を討ち取り、その陽皮を持ち帰った。


王に対し、婿となる条件である陽皮の数が確かめられたので、サウルは娘のミカルを彼に妻として与えなければならなかった。
‭‭サムエル記上‬ ‭18:27‬


:サウルの家臣はこれらの言葉をダビデの耳に入れた。


ダビデは言った。


「王の婿になることが、あなたたちの目には容易なことと見えるのですか。わたしは貧しく、身分も低い者です。」
‭‭サムエル記上‬ ‭18:23‬


:ダビデは末の子であった。


年長の三人はサウルに従って出ていたが、 このダビデは行ったり来たりして、サウルに仕えたり、ベツレヘムの父の羊を世話したりしていた。
‭‭サムエル記上‬ ‭17:14-15‬


:イスラエルの長老たちは全員、ヘブロンの王のもとに来た。


ダビデ王はヘブロンで主の御前に彼らと契約を結んだ。長老たちはダビデに油を注ぎ、イスラエルの王とした。


ダビデは三十歳で王となり、四十年間王位にあった。
‭‭サムエル記下‬ ‭5:3-4‬


:ある日の夕暮れに、ダビデは午睡から起きて、王宮の屋上を散歩していた。


彼は屋上から、一人の女が水を浴びているのを目に留めた。女は大層美しかった。
‭‭サムエル記下‬ ‭11:2‬


:ウリヤが自分の家に帰らなかったと知らされたダビデは、ウリヤに尋ねた。


「遠征から帰って来たのではないか。なぜ家に帰らないのか。」


ウリヤはダビデに答えた。


「神の箱も、イスラエルもユダも仮小屋に宿り、わたしの主人ヨアブも主君の家臣たちも野営していますのに、わたしだけが家に帰って飲み食いしたり、妻と床を共にしたりできるでしょうか。


あなたは確かに生きておられます。わたしには、そのようなことはできません。」
‭‭サムエル記下‬ ‭11:10-11‬


:あなたの隣人の妻を欲してはならない。


隣人の家、畑、男女の奴隷、牛、ろばなど、隣人のものを一切欲しがってはならない。
‭‭申命記‬ ‭5:21‬


:使者はダビデに言った。


「敵は我々より優勢で、野戦を挑んで来ました。我々が城門の入り口まで押し返すと、 射手が城壁の上から僕らに矢を射かけ、王の家臣からも死んだ者が出、王の僕ヘト人ウリヤも死にました。」
‭‭サムエル記下‬ ‭11:23-24‬


:ナタンはダビデに向かって言った。


「その男はあなただ。


イスラエルの神、主はこう言われる。


『あなたに油を注いでイスラエルの王としたのはわたしである。わたしがあなたをサウルの手から救い出し、 あなたの主君であった者の家をあなたに与え、その妻たちをあなたのふところに置き、イスラエルとユダの家をあなたに与えたのだ。


不足なら、何であれ加えたであろう。


なぜ主の言葉を侮り、わたしの意に背くことをしたのか。あなたはヘト人ウリヤを剣にかけ、その妻を奪って自分の妻とした。ウリヤをアンモン人の剣で殺したのはあなただ。
‭‭サムエル記下‬ ‭12:7-9‬


:主はナタンをダビデのもとに遣わされた。


ナタンは来て、次のように語った。


「二人の男がある町にいた。 一人は豊かで、一人は貧しかった。


豊かな男は非常に多くの羊や牛を持っていた。 貧しい男は自分で買った一匹の雌の小羊のほかに 何一つ持っていなかった。


彼はその小羊を養い 小羊は彼のもとで育ち、息子たちと一緒にいて 彼の皿から食べ、彼の椀から飲み 彼のふところで眠り、彼にとっては娘のようだった。


ある日、豊かな男に一人の客があった。 彼は訪れて来た旅人をもてなすのに 自分の羊や牛を惜しみ 貧しい男の小羊を取り上げて 自分の客に振る舞った。」
‭‭サムエル記下‬ ‭12:1-4‬


:イエスはこれらのことをみな、たとえを用いて群衆に語られ、たとえを用いないでは何も語られなかった。


それは、預言者を通して言われていたことが実現するためであった。


「わたしは口を開いてたとえを用い、 天地創造の時から隠されていたことを告げる。」
‭‭マタイによる福音書‬ ‭13:34-35‬


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