列王記下7章/よい知らせを伝える穢れた民

重い皮膚病を患っている者たちは陣営の外れまで来て、一つの天幕に入り、飲み食いした後、銀、金、衣服を運び出して隠した。
彼らはまた戻って来て他の天幕に入り、そこからも運び出して隠した。
彼らは互いに言い合った。
「わたしたちはこのようなことをしていてはならない。
この日は良い知らせの日だ。
わたしたちが黙って朝日が昇るまで待っているなら、罰を受けるだろう。さあ行って、王家の人々に知らせよう。」

列王記下 7:8-9 新共同訳

大飢饉に襲われている真っ最中の北イスラエルの首都サマリア。そこを更にアラム軍が包囲し、サマリアは壊滅的な飢餓状態に陥る。

母親が自分の子供を食べるほどの飢餓状態の中、圧倒的な軍事力を持つ敵軍の包囲下で出来るのは、苦しみながら死を待つことだけである。
飢餓の中にある人は言う。
「この不幸は主によって引き起こされた。
もはや主に何を期待できるのか(列王記下 6:33 新共同訳)。」

飢えに満たされたサマリア。そのサマリアの城内に入ることすら叶わない人々が居る。
穢れた民。皮膚病という病に打たれた人々である。

皮膚病に侵された人々は言う。
「このまま、街の外に居たところで、街の中に入ったところでどうせ死ぬ。
どうせ死ぬなら、敵軍のアラム人たちに投降しよう」

周辺の人々、穢れた民である皮膚病患者たちがアラム軍の陣営を訪れると、アラム軍は夜の間の物音にパニックを起こし、物資もそのままに退却していた。

飢えた皮膚病患者たちはその陣営に残された食料で飲み食いし、満腹になる。
そして、穢れた民である彼らが祭司である王に向けて、死から我々は救われたという「よい知らせ」を伝えに行く。

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