サムエル記上 9章

「全イスラエルの期待は誰にかかっているとお思いですか。あなたにです。そして、あなたの父の全家にです。」


サウルは答えて言った。


「わたしはイスラエルで最も小さな部族ベニヤミンの者ですし、そのベニヤミンでも最小の一族の者です。どんな理由でわたしにそのようなことを言われるのですか。」
‭‭サムエル記上‬ ‭9:20-21‬



人々は驚いて言った。


「この人は、このような知恵と奇跡を行う力をどこから得たのだろう。


この人は大工の息子ではないか。母親はマリアといい、兄弟はヤコブ、ヨセフ、シモン、ユダではないか。 姉妹たちは皆、我々と一緒に住んでいるではないか。


この人はこんなことをすべて、いったいどこから得たのだろう。」


このように、人々はイエスにつまずいた。
‭‭マタイによる福音書‬ ‭13:54-57‬



本章より、神に選ばれた士師たちによりイスラエルが導かれる時代から王制へと移行する歴史が信仰者の視点で描かれる。



イスラエル初代の王にして後に廃されるサウルと最後の士師サムエルの出会いが本章のメイン。



後々に神に背くサウルではあるが、この世的には取るに足らない彼が主に選ばれる過程はそれまでの預言者や士師たちの物語と類似点が多い。



そしてこの、この世的には取るに足らない者が神により選ばれるという物語は無論のこと、後のナザレのイエスを前もって現す部分でもある。


:サムエルはサウルに言った。


「あなたと一緒に帰ることはできない。あなたが主の言葉を退けたから、主はあなたをイスラエルの王位から退けられたのだ。」
‭‭サムエル記上‬ ‭15:26‬


:モーセは主に言った。


「ああ、主よ。わたしはもともと弁が立つ方ではありません。あなたが僕にお言葉をかけてくださった今でもやはりそうです。


全くわたしは口が重く、舌の重い者なのです。」


主は彼に言われた。


「一体、誰が人間に口を与えたのか。一体、誰が口を利けないようにし、耳を聞こえないようにし、目を見えるようにし、また見えなくするのか。


主なるわたしではないか。」
‭‭出エジプト記‬ ‭4:10-11‬


:彼は言った。


「わたしの主よ、お願いします。しかし、どうすればイスラエルを救うことができましょう。


わたしの一族はマナセの中でも最も貧弱なものです。それにわたしは家族の中でいちばん年下の者です。」


主は彼に言われた。


「わたしがあなたと共にいるから、あなたはミディアン人をあたかも一人の人を倒すように打ち倒すことができる。」
‭‭士師記‬ ‭6:15-16‬


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