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融合式
テーマはフリー。
デジタルでの制作とアナログでの制作を合わせた作品のみの展示会となります。
この展示会を行うきっかけはみっつありました。
①デジタル作品は展示会に向かないのか。
②デジタル作品は一点ものになり得ないのか。
③アナログ作品とデジタル作品の境界は何なのか。
①は展示会というものがそもそも作品発表の場であることから向かないわけではないと考えています。
イラスト作品の販売が当たり前になっている今、作品発表の場であるというよりは作品を販売する為のものであるという側面が強くなっているようになっています。
アナログ作品でも非売品はありますし、自身の生み出す表現を見てもらうことにデジタルとアナログに差はあるのか?あくまでツールの差ではないのかと考えます。
②はデジタル作品は複製が出来るから一点ものではない。
だからアナログ作品に比べて価値が低いという風潮。
確かに、何度も印刷にかけるならそうでしょうが、ナンバリングをしてこの世にこれだけの数しか手にできるもの(データでないもの)はありませんよとするのであれば価値は変わらないのではと思います。
それこそ作家側のデータを完全削除したのであれば印刷した一点のみがこの世に残るもの、一点ものにもなり得るのではないでしょうか。
ナンバリングせずに何度でも印刷していたらポストカードと変わらないという意見も理解はできます。
③に関しては人によって答えが異なると思います。
完全なアナログ作品ってどこからなんでしょうか。
線画はデジタルで描いたものを印刷して塗りはアナログ。
デジタルラフを作ってそれをトレースして線画を起こしている。
ぱっと見は全てアナログに見えると思いますが、これは完全なアナログ作品なのでしょうか。
一度でもデジタル工程を入れればアナログであるとも言い切れないような気がしています。
鉛筆、シャーペン、色鉛筆、ペンみたいに使い分けをするようにデジタルでの制作、アナログでの制作使いやすいものを、表現したいものを実現できるものを使用すればいいと思っています。
それこそ表現したいものを叶える為であれば混合してしまってもいいのではないでしょうか。
今回の展示では普段から混合で描かれている方、興味を持ってくれそうな方、デジタルがメイン、アナログがメインなど多彩に構成をしました。
この展示をきっかけに表現することに幅を持っていただければ、デジタル作品も展示会に出展してもいいと思えるようなものになればいいなと思っています。
「融合式」企画構想
※支援者様限定記事となります。