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イカサマ被害当事者になって気づいた「その場で言えよ」の難しさ

皆様こんにちは、
普段は同人サークルとして、同人TCGの制作や頒布等を行っているノーバディと申します。

TCG自体は23年ほど前から触れており、本格的な公式大会等にも参加するようになってもう15年以上経つ、先輩方には及びませんが比較的古い時代から大会に参加していたプレイヤーです。

と言っても10年近く前から現役プレイヤーとしてはほぼ引退気味になっており、今は創作意欲を自作のTCGに向けているような人間でございます。

自己紹介はほどほどにして、先日発売されたワンピースTCG、皆様はご存じでしょうか?

爆発的に売れており、各地で品切れが多発しているこのTCGですが、
私も原作のワンピースが割と好きな部類の作品であること、
またこのTCG自体もやりごたえがあり、久々にちょっと遊んでみようかな?と思った次第で、もはや老人とも言える重い腰を上げて、大会等にも参加するようになりました。

そして先日参加したフラッグシップバトル

これは店舗で行う公式大会のような立ち位置で、上位入賞品もある割と特別な大会です。
通常のメーカー様主催で行われる大型大会と、カードショップで行われる公認大会のちょうど間ぐらいの位置にある大会と言えば、わかりやすいと思います。

今回はその大会で巻き込まれたイカサマ騒動、そしてその当事者として情報を共有したいと思い、筆を執らせて頂いた次第です。
主語が大きいような発言かもしれませんが、出来ればTCGを楽しんでいる全ての方にご覧頂きたく存じます。

※今回発信する内容は、私以外の当事者の方の記録もございます。
もし内容に異議がある方、指摘がある方は、大変お手数ですが、Twitterのダイレクトメッセージまでご連絡頂けると幸いでございます。
※「」内の会話の内容は一語一句正しいわけではなく、あくまで記憶上の発言を趣旨通りに改編しております。内容に齟齬はないように努めておりますが、本当に細かいニュアンスは異なる場合がございます。
※ワンピースTCGを知らない方に配慮した記事の為、一部用語を一般的なTCGに置き換えて解説しております。予めご了承ください。

①イカサマ疑惑から発覚までの記録

先日tweetさせて頂いた内容と重複する部分もございますが、より詳細に書かさせて頂きます。
この事件は某店にて起こりました。
※場所に関しましては、お店の風評被害や、スタッフの方々に考慮して伏せさせて頂きます。話題に出す際も伏せて頂けると幸いです。

まず、ワンピースTCGの知識がないという方にわかりやすく説明させて頂きますと。

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この"鬼ヶ島"というカードは、割と典型的な
「序盤にプレイできると超絶有利に働く一方、終盤に引いたり複数枚引いてしまうと弱い」といった、どのTCGでもありがちなカードです。
性質的には
・極楽鳥(MTG)
・フェアリーライフ(DM)
上記のような性質を持ったカードと言えます。
もっとわかりやすく言うと「複数回使えるマナ加速」と言えば大体の方には伝わると思います。

今回イカサマ師(以後サマ師)が使用していたデッキは、このカードを用いた"紫単カイドウ"といったデッキタイプで、"鬼ヶ島"はこのデッキを使う上でダイレクトに勝敗に直結するようなカードとなっています。
このカードをプレイできる最速ターンは先行後攻共に2ターン目ですが、現状2ターン目に置ければそのまま押し切って勝てると言っても過言ではないほど、シンプルかつ強力な動きとなっています。

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そしてもう1枚、この"フーズ・フー"と言うカードは、非常にわかりやすく言うと「Sトリガーを持った除去内蔵クリーチャー」です。
3マナ以下を破壊出来る為、相手の場に3マナのクリーチャーがいる時にシールドから捲れると、相当な効果を発揮するカードと思って頂いて間違いないです。

以上を踏まえた上で、当日起こったことを説明いたします。

まず大会の二回戦目、お互い1勝同士の対戦です。
お互いデッキをシャッフルし、今は新型コロナの影響もあり、セルフカット(山を3つ程度に分け、相手に積み上げる順番を選んでもらう)が主流となっており、当日もほとんどの卓がセルフカットでの進行でした。
その際、山を分ける時にサマ師が執拗に山の枚数を調整していました。
大体均等に見えれば十分だと思いますが、数枚程度の誤差を執拗に調整していた為、後から考えると、この時からイカサマを仕込んでいたんだと思います。

今回用いられたイカサマは、通称"マークド"と呼ばれる、スリーブに裏からでも確認できる傷を付け、特定のカードを裏向きでも判断する古典的な手口です。

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上記は今回の手口を再現した写真です。
このような状態をイメージして頂ければ幸いです。

話をシャッフルに戻します。
そして3つに分けられた山を、こちらは指を指して
私「これ、これ、これの順番でお願いします」
と伝えたところ、反対の方から積み上げようとしました。
慌てて止めて、再度指定し直しましたが、また別の場所から積み上げようとしたため
私「左からでお願いします」と言葉にして伝えたところ、またもや別の場所から積み上げようとし、この時点で「コミュニケーションが難しい方なのかな?」と感じはしましたが、それ以上は感じませんでした(鈍感ですみません)

その後試合が始まり、サマ師が先行、私が後攻でゲームを開始しました。
先行2ターン目、サマ師が出したカードはもちろん

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"鬼ヶ島"、この時点では「あー多分負けたなぁ…」という感想でした。
今回大会に向けて調整している中で「2ターン目に"鬼ヶ島"置かれたらほぼ無理」という現状の結論があり(あくまで今の時点の個人の感想です)
今回は「ブン回った紫単カイドウはメタとして切る」という判断をして臨んでおりました。

しかし勝率は薄いと感じつつも、この時点で諦めるほどでは決してありません。
私は後攻2ターン目にまず攻撃を仕掛けました。
その際にシールドからカードを探すような仕草をし(このゲームは削れるシールドは相手が選べます)、その場ではSトリガーもなかったため、不審とは思いながらもゲームを進めました。
その後、手札をフルに使い、3マナのクリーチャーを2体並べ、ビートダウン戦法に切り替えました。
これは対処法を持たれているとそのまま負けのプランですが、そもそも2ターン目"鬼ヶ島"という動きをされている以上、リスクを取っていき最大のバリューを取らないことには、この試合に勝てないと判断しました。

その後サマ師の3ターン目、手札から最大級の対処カードを最速で場に出され、ほぼほぼ負けに近い盤面になりました。
この時点で「負けたなぁ…次頑張るか…」ぐらいの絶望感でしたが、私の3ターン目、3マナのクリーチャーが1体場にいる状況でリーダーカードによる攻撃を仕掛けました。

そうすると、サマ師はまたもやシールドのカードを選び始め(時間にすると2秒ぐらい)、選んだカードを捲り、その結果は…

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最強と言っていいタイミングでのSトリガーです。
ここで私は明らかにおかしいと気づきました。
そして相手の場のカードをじっくり見始めたところ、

・フーズ・フーの右上にクッキリとした折れがある
・別のカードにも、別の位置に判別できるような折れがある

上記2点に気づき「コイツやってんな」とほぼ確信に近い確証を得ました。

相手の場のカードを確認する為、一旦ターン終了の宣言だけはし、相手の場のカードを全て目視で確認しました。
最初のアクションで大型の除去内蔵クリーチャーが登場し、除去の対象を選ばれたところで、手を上げジャッジを呼びました。
テーブルに来たジャッジに
私「対戦相手のデッキを確認したいです、ゲームを終わらせる必要があるなら畳みます」と告げました。そして

私「対戦相手のスリーブに、カードを確認できる跡が付いているように見えます。正直マークドを疑っているのでチェックしてほしいです」と畳みかけるように伝えました。

サマ師「負け確定の場で何を言い出すんですか!?これ攻撃したら次のターンで自分勝ちますよね?」と反論され、そういう話じゃないけどなと思いつつ
私「とりあえず場の"鬼ヶ島"を見せて頂きたいです、こっちから見てもおぼろげですが傷のようなものが見えます」と伝え、ジャッジに確認を要求しました。
その後、ジャッジの方は相手のデッキの"鬼ヶ島"と場の"鬼ヶ島"を全て確認し、こう告げました

ジャッジ「確かに傷のようなものは見られますが、この状況(勝敗がほぼハッキリしている)では認められない」このような趣旨の話をされました。
私としてはそれでは納得がいかなかったため、
私「とりあえず盤面は負け確定なので(この時点では)負けで良いです、その上で対戦相手のデッキをチェックさせてください」とジャッジに伝えました。

正直申し上げて、この時点で100%イカサマ、マークドをされたと確信していた為、絶対に立証できるという自信から、このような発言をしました。
まずワンピースTCGのフロアルールでは

④ 【失格】
非常に悪質な違反や、イベント全体に損害を与えるような行為、重大な非紳士的行為に対して与え
られる。
プレイヤーに【失格】が与えられた場合、そのプレイヤーは現在の対戦に敗北し、以後の対戦にも参加
できなくなり、それまでの成績に対する賞品を受け取ることはできない。
【失格】は観客に対して与えられることもあり、その場合は会場から退出しなければならない。
(違反例)
・対戦相手と相談し、対戦や対戦結果を不当に操作した。この場合、取引をした対戦相手も【失格】となる。
・賭博行為、買収行為、イベント物品の窃盗をした。
・意図的に、相手のデッキや手札など、自分が見ることのできない情報を、不当に見ることで利益を得ようとした。
・意図的に、カードやドン!!カードを必要以上に得るなどの不正行為。

このような決まりがあり、マークドが立証できれば間違いなくサマ師を失格処分にすることができます。
この時点では冷静に対応しており、声を荒げたりそういった行動はせず淡々と進めていたつもりです。
ところが、次のジャッジの言動により、事態は思わぬ方向に進みました。

ジャッジ「とりあえずこの試合はサマ師側の勝利で、スリーブに傷があるのは確認できたため、次の試合からはスリーブを変えて続けるように」という裁定がありました。そんな馬鹿な!

私「"鬼ヶ島"をチェックして傷があったんですよね?流石にその裁定はおかしくないですか?」明らかにフロアルールの規定にも引っかかっているため、流石に口調を荒げて抗議をしました。
すると、その発言と同時に、サマ師がスリーブからカードを抜き始めました。
証拠隠滅です。すぐさま止めました。

私「何やってるんですか!?まだチェックは終わってないし納得していません!やめてください」
サマ師「あなたさっき負けでいいって言いましたよね?ジャッジもそう言ってますし、そもそもあなたのせいで大会が押してます!迷惑です!」

私はすぐさまジャッジに静止を求めました。すると
ジャッジ「さっき負けで良いとおっしゃりましたよね?先ほどの裁定で進めます」
これと同時ぐらいだったと思います、横にいた他の参加者の方(以下参加者)

参加者「(うんざりしたような表情で)こういう指摘が今後もあると面倒なので、それなら全員のデッキチェックすればいいんじゃないですか?また言われても嫌なので」明らかに私の方を呆れるような目で見ながら、そう告げました。

確かに現状、私の行動や言動は傍から見ると「ジャッジの裁定にも異議を唱える、勝敗に納得いかずにゴネだしてる悪質ユーザー」です。
確かにそう見えてもおかしくないとは思います。でも冷静になって考えて欲しいのですが、

・イカサマというのは基本的に負けてる時にしか気づけないことが多い
・マークドをされているカードを使われて俗にいうブン周りをされている現状、勝ってる方が逆におかしい
・フロアルールに準じていない裁定にも関わらず、サマ師の証拠隠滅をジャッジも止めない

このような状況で、淡々と落ち着いた話ができますでしょうか?
少なくとも、その時の私はサマ師の証拠隠滅を止めるのに必死でした。

私「だからスリーブを抜くな!ジャッジも止めてください!」
と言っても、ジャッジは無理に止めようとしません。
私「この時点でおかしいじゃないですか!やましいことがないなら見せればいい!」このような伝え、本当に渋々、うんざりしたような表情のジャッジの方が相手を静止してくれて、何とかデッキチェックを自分でもできるような流れになりました。

ただこの時点では、ジャッジの方は完全に私のことを「面倒なゴネ方をしている」と言う風に判断しており、また強く抗議しているのは私側の為、他の参加者の方も「あそこまで必死にゴネてるのヤバすぎでしょ…」と言った視線が突き刺さるようにありました。

一言だけ言わせてください。
・こちらはマークドを確信している
・ジャッジはデッキチェックに消極的
・対戦相手は進行形で証拠隠滅を図っている

この状況下で、どういう行動が正解なのでしょうか?
私には今振り返っても「強く抗議する」or「泣き寝入りする」の2択しか思い浮かびません。誰か他にやり方があったら教えてください。相手をぶん殴って物理的に止めるとかはなしで。

次に私はこう主張しました。

私「せめて"鬼ヶ島"とトリガー系カードだけは確認させてください!それ以外は良いので!」
今考えると、何故こちら側が丁重にお願いしなければならないのか意味不明ですが、自分がデッキチェックをすれば、間違いなく立証できるという確信があったため、本当に必死でした。

何故ここまで必死なのかと言うと、やはりこの時点での「勝敗はこのままで次の試合からはスリーブを変えて続ける」に納得がいってなかったからです。
私の勝敗は正直二の次です。真に危ういのは「サマ師がお咎めなく大会に出続けられること」と感じていました。
ある意味使命感のような「このサマ師だけは絶対に逃がさねぇ」と言った気持ちがあったのは事実です。

そして私のお願いに、ジャッジの方は渋々、相手にデッキを渡すよう指示しました。
まず私は"鬼ヶ島"の状態をチェックし、全て同じ位置に傷があることを確認し、見やすいように"鬼ヶ島"とその他のカードを並べ

私「"鬼ヶ島"には全て同じ傷がありますが、その他カードには全くありません」とジャッジに伝えました。
サマ師「他のカードも傷ならある!よく見てくださいよ!」"鬼ヶ島"と同じような傷はありません。本当にありがとうございました。

次に"フーズ・フー"を抜き出し、その他トリガーカードと並べ

私「全てのフーズ・フーの右上に強く折った跡があります。その他のカードにはこの場所の折れはありません!」
サマ師「デッキ構築している段階で同じカードのスリーブに同じ傷が付くのは当たり前!あなたがおかしい!」おかしいのはお前の頭だろ

私「この状況を見て、それでもマークドの認定はされないということですか?それでしたら記録だけ取らせてください」
そうジャッジに伝えました。

このチェックをしている間、ジャッジの方の心情が、「面倒なゴネ方をしている」から「あれ?もしかして本当にマークドじゃね…?」と言う風に切り替わったのを、直観で感じました。

ジャッジ「これは間違いなくマークドですね…そうですね…」
少し悩みながらも、言葉を選んで発言されてました。
少しの思考の末

ジャッジ「(私に向かって)これはマークドです。対戦相手を失格にします」
ジャッジ「(サマ師に向かって)あなたを失格にします」

ようやく正当な裁定が通った…一瞬にして安堵しました。
私「そりゃそうですよね…これ見たらマークドって10人が10人言いますよ…」正直周りの視線にメンタルが憔悴しきってましたが、ようやく認められた…と実感した途端、疲れがドッと来ました。

当然ながらサマ師は抵抗します。
サマ師「さっきはこっちの勝ちと言ったじゃないか!相手も負けで良いと言った!おかしいだろ!」
私「ここまではっきりマークドしてるんだから失格なのは当たり前だろ!後さっきジャッジの決定には文句言うなって言われた気がするが???」
ジャッジ「(サマ師に向かって)あなたは失格です、決まりました。覆しません」
サマ師「じゃあ相手のデッキのチェックさせろ!」

そう良い、自分のデッキを許可なく触り始めました。
その頃、別のスタッフの方主導で全参加者のデッキチェックが行われており、対応していたジャッジの方もそれの対応をするため、こちらのテーブルから離れました。
その間も、サマ師は私のデッキを執拗に触り続け

サマ師「ここに傷が付いてる!ここにも付いてる!これはどうなんだ!」と言った発言を執拗にしていました。
私「そりゃスリーブなんだから傷ぐらい付くよ。マークドはその"鬼ヶ島"みたいに特定の傷が特定のカードだけについている状態を言うんだよ」とマークドの説明をし始めました。正直この辺は疲れ切っており、頭も冷静ではなかったと思います。

ジャッジの方々によるデッキチェックが終わり、この時点で二回戦開始から1時間程度は経っていたと思います。
確かに長いと思います。正直5分で終わる話を、全体のデッキチェックまで発展してしまったので(上記で述べている通り、これは私の提案ではなく、他の参加者の提案です。また私個人としては全体のデッキチェックはいらなかったと思います)、他の参加者の方には相当なストレスだったと思います。

②「本当に悪いと思ってるんですか?」

無事サマ師が失格になり、全体のデッキチェックが完了しジャッジが戻ってきたタイミングで

サマ師「相手のデッキのこのカードに傷が付いている!これはどうなんだ!」とジャッジに詰め寄り始めました。
私「本当にいい加減にした方が良いよ」
流石に怒りのボルテージが頂点に達しようとしていました。

ジャッジ「(一応確認して)はい、全く問題ございません」
サマ師「おかしい!不公平だ!後失格なら参加費返せ!」
本当にこの生き物はなんなんでしょうか…?
ジャッジの方はそのまま参加費の500円を返金し、
ジャッジ「失格なので席から離れてください」とサマ師に伝えました。

そして私は、他の参加者の辛い視線を浴びながら
私「大会進行を妨げてしまい本当に申し訳ございませんでした」
と一礼しました。
確かにイカサマは許されないことで、何時間かかっても追及すべき事例だと思います。
イカサマが野放しにされる大会は、大会とは言えないと思います。
しかし、他の参加者にとっては、事態も把握できず「ゴネてた奴が勝ったの?必死だね~」となるのも当然だと思います。
正直この時点でジャッジの方から全体に向けてアナウンスが欲しかったですが、私から求めるのも違うと思い、言えませんでした(大会終了までアナウンスがなかったため、その後の対戦がひたすら気まずかったことは言うまでもないですね…)

そして、全体に向けて謝罪している中、サマ師からとんでもない言葉を浴びせられました。

サマ師「それ本当に悪いと思ってるんですか?」

…?
……??

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えっと…確かに私に向けて言ってるようなコイツ…?
ん…悪いと思ってるんですか…?

スリーブを抜いて証拠隠滅を図った時は流石に慌ててましたが、それ以外に関しては語気は強いまでも、比較的淡々と話していたつもりです。
しかし、この発言にはもう怒りのボルテージが抑えられませんでした。

私「テメェには謝ってねぇよ!他の参加者に向けて謝ってるんだよ!お前自分の立場わかってんのか?マークドがバレてるんだぞ?"鬼ヶ島"と"フーズ・フー"にだけ特定の傷が付いてるとかマークド以外の何物でもないわ!」

申し訳ない、ここに関しては大声になってしまいました。
怒りを抑えられませんでした。今その場に戻ったとしても多分抑えられないです。

他の参加者の方が「いい大人がマークドとか騒いでてみっともなかった」と言っていたのは、この場面だと思います。
もちろん相手の発言はその周りしか聞こえておらず、関係ない他の参加者からしたら「なんかまだキレてるんだけど…なにあれ…?」となるのは致し方ないかと思います。

感情的になり、反省すべき点の1つだと思いますが、憔悴しきっていた自分にこれを冷静に対応する能力はありませんでした。
ただ今見ても、沸点低いとは思えないぐらい、サマ師の発言は度を越えて酷いとは思います。

流石に、サマ師はそれ以上の発言はなく、参加費を返却され、席を立ちました。
私も冷静になり、勝敗の書かれていないスコアシートをジャッジの方に渡して
私「どう書いていいかわからないので何も書かずに渡します。すみませんが処理お願いします」と伝えました。

その後サマ師が、大会運営スペースに向かい、何やらしていましたが、事後には興味がなかったため、お手洗いに行ったりと少し休憩をしました。

押しに押した大会、ようやく三回戦目が開始されました。
スコアシートで呼び出され、上位卓から少し離れて私の名が呼ばれたため「あれ?」とは思いながらも、席に座ると…

二回戦目 負け

…?
……??
対戦相手がマークドで失格になったんだよな…あれ?
もしかして最初の負けで良い発言がスタックに残ってる感じ?

ジャッジの方に確認

私「あのー…さっきの試合は結局負けってことで進む感じですか?」
ジャッジ「?いえ、そんなことはないですが?」
私「いや、負け扱いでマッチングされてるのですが…?」
ジャッジが慌てて私のスコアシートを確認

ジャッジ「確かにそうですね…」
私「この勝敗はジャッジの方が付けたんじゃないんですか?」
ジャッジ「いえ違います、先ほどの対戦対手(サマ師)の方がこちらに来て記入しました」

…?
……??

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本日二度目のミルコ・クロコップも登場しますよそりゃ。
さっき運営スペースで何か言ってると思ったら、こんな嫌がらせしてたんかい。

私「ではどうなるのでしょう…?」
ジャッジ「勝ちに訂正します」
サマ師「さっき負けで良いって言ったじゃないか!」
ここは完全スルーで進みます。

私「(対戦相手のスコアシートを確認し)えっと、相手は1-1なのでこのままだと下当たりになりますね…」
ジャッジ「隣の方と入れ替えます!」

再マッチングじゃないんだ…と思いつつも、既に準備を始めている卓もあったため、流石に言及はせずに…

三戦目 紫単カイドウ

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相手2ターン目"鬼ヶ島"
自分3ターン目の攻撃のSトリガーで"フーズ・フー"

負け!!!第一部完!!!
と物凄く綺麗なオチができました。
もちろんスリーブ等に傷は見受けられませんでした。

③本題「その場で言えよ」の難しさについて思うところ

長々と長文を読んでいただき大変恐縮です。
ここまでが当日あった一通りの出来事となります。
ここまではtweetさせて頂いた内容の詳細部分になりますが、ここからは今回の出来事で感じた点についてお話いたします。
この記事の本題の部分です。

時折、Twitterでは「大会でイカサマされました!その場では言えませんでしたがここで言います!」といった事後報告のtweetを、特に大型大会直後で目にすることがあると思います。
その事後報告に対して、一部の方の意見として

・それはその場でジャッジに言え!後から言うな!
・サマ師を見過ごしてる時点でありえない

のような意見が散見されることがあります。
正直私も、どちらかと言うとこの意見に近い意見を持っており、今でもその気持ちの方が強いです。
だからこそ、今回の件も「後からSNSで愚痴るようなことはしたくない、白黒は現場でつける」と意気込んでいたところもあります。
また私は過去にも、某TCGの大型大会の決勝トーナメントに出ていた際、対戦相手の挙動に違和感を覚え、サイドチェンジをする相手の手を止め、ジャッジに
「何もなかったら二本目もやらずに負けで良いから、相手のデッキチェックをお願いしたいです」
と申し出たところ、リストが数枚変わっており、かつ当時自分の使っていた速攻系デッキに強いメタカードがサイドからメインに変わっていたことが発覚し、そもそもデッキ枚数も水増しされていた事実も発覚し、今回のような俗にいうジャッジkillという経験をしたことがありました。ジャッジが関わる勝敗の変更は今回が初めてではありませんでした。

その時の経験もあり、今回も指摘した際はすんなり終わると思っていました。
しかし上記の通り、結果的には大会の大部分を占領する形でご迷惑をおかけしてしまい、他の参加者の方には多大なご迷惑をおかけしてしまいました。

そして、当たり前と言えば当たり前ですが、SNSにも
「めっちゃゴネてる人いて萎えてしまった…」
「マークドだ!!!ってバカほど騒ぎ散らかしてるやついて進行最悪だった、」

このようなtweetがされておりました。
上記で述べた通り、全体へのアナウンスがなかったこともあり、非常に冷たい視線は終始感じておりましたので、なるべく感じないようにはしましたが、正直プレイに支障が出るレベルでメンタルが削れました。

ただ言わせてほしいのですが、イカサマをしている側とされている側、熱くなったり語気が強くなるのはどう考えたってされている側だと思います。
イカサマをしている側は終始言い逃れをすればいいだけに対し、されている側はイカサマの立証しなければなりません。

そして繰り返しになりますが、当初はジャッジもデッキチェックには消極的であり、目の前で証拠隠滅が行われている状況で、私には強く抗議する以外の選択肢を選べませんでした。

このようなことが起こりうる状況で、本当に「その場で言えよ」という意見が、必ずしも正当性を持った意見なのでしょうか?
私は今回のことで「その場で言う」難しさを痛感しました。

大型大会では専属のLvジャッジがおり、このようなことにはまずならないと思いますが、店舗規模の大会では、全ての大会にlvジャッジや、少なくともフロアルールを熟知したスタッフを置いておくというのは、色々な面から見ても少し難しいと感じます。

そういった状況下で、どうやって「その場で言える」ようになるのでしょうか?
今回の経験を得て、自分の中の結論としては

「各々がイカサマに対して決して他人事とは思わず、常に自分事として考えるべき」

という結論となりました。
もちろん追求のために大会の時間は押します、それは本当に申し訳ないです。
しかし、時間がかかるからと言って、サマ師がそのまま放置されることは、絶対に許されないと思います。
またサマ師が放置された結果、その被害が自分に向くことも往々にしてあると思います。

もしかしたら今この記事を読んでいるあなたも、同じような現場に遭遇することがあるかもしれません。
確かに「面倒だな…時間遅れて嫌だな…」と思ってしまうかもしれません、しかし、少しだけでも"自分事"として、もしかしたらイカサマされていたのは自分かもしれないと、少しでも思っていただければ、進行が遅れて待っている時間も、苦にはならないのかなと思います。

その上で、私が今回どうしても納得できない点があり、それが以下になります。

④「どっちもどっち」の喧嘩両成敗理論だけは絶対に間違っている

今回、詳細が完全に発覚するまでに「ゴネてる奴いるわ…」となるのは致し方ない部分もあると思います。
中には引用RTや直接リプライで「同じ会場にいたけどお疲れ様でした」といった内容や「現場で助けられずにすみません」といったとても暖かいメッセージを頂き、本当に感激しました。

しかし問題は、今回イカサマが完全に認定されたにも関わらず、一部の方の

側から見たらごねてたのは指摘側
参加者目線だとイカサマをする人もそれを指摘する人も印象としては最悪でした。
インターネットで被害者になれて嬉しそう

こういった、「どっちもどっち」論を主張される方が、少なからずおられました。
熱くなってしまったのは確かに私にも非があります。
相手の許せない言動に語気を強めたのは事実です。

しかし、事の顛末を把握した上で、それでもサマ師と指摘した側と同じ目線で見るのは、絶対に間違っていると、ここは声を大にして伝えたいです。

このような「どっちもどっち」論が認められるのであれば、尚更「その場で言えよ」の正当性が失われ「イカサマされたけど、もめたく無いから言わないでいいや…」といった、サマ師に得しかない風潮になっていく危惧があります。

また「インターネットで被害者になれて」というのはどういうことなのでしょうか?
当然イカサマの被害者になっているわけですから、現実だろうが何だろうが被害者になっていると思いますが…被害者意識を持ってる痛い奴って言いたいのでしょうか?
もし「イカサマ如きで騒ぐな」という論調ということであれば、それは私には受け入れられないですし、意見としても受け入れられるべきではないとも思います。

先ほどの話にも通じますが、やはりイカサマは「自分事」として捉えられないと、真にイカサマの撲滅はできないのではないかと思います。

「自分がされているかもしれない」し、
「会場の誰かがされているかもしれない」

その意識を、少しでも皆々が持てば、

「その場で言いやすい」環境
「イカサマし辛い」環境

が作れるのではないでしょうか?

今回はこういった経験をしたことで、今まで漠然としていた「その場で言えよ」という考えを、改めて自問自答できたことは、ある意味いい機会だったと思います。

この記事を読む人が増えて、少しでもTCGの世界からイカサマが減ることを心から祈っております。

最後に、このような面倒事を引き起こしてしまい、記事では事細かに詳細を伝えさせていただきましたが、当日の店舗スタッフの方には本当に申し訳なく思います、また改めて他の参加者の皆様にお詫び申し上げます。
貴重なお時間を費やしてしまい、本当に申し訳ございませんでした。

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