ラリーガ夏の移籍市場まとめ 8.10時点
一気に開幕モードに気持ちを入れ替えるため、一気に文章を書いていくスタイル。ラリーガ20チームの移籍in/outをまとめてあーだこーだ言っていく。
のおまけ付きで。先季の大体のスタメン画像付きで。
●マドリー
エンバペが来たので星5です。
ポイントはクロースがいなくなった事。ここ2シーズンのビルドアップはクロースに大きく依存していたところがあり、相手を押し込めるかどうかは割と彼のノリに依った。日替わりのスタメンになる事も多くあまり配置の約束事を作らず戦っていた印象。クロースがいなくなれば嫌でもビルドアップシステムを考える必要があり(考えなくてもCL獲れていたのが意味不明だが)、ご存知の通りアンチェロッティの得意ではない仕事でもある。序盤戦の戦い方は注目。とはいえエンバペとベリンガムが点取って勝つんだろう。
案外問題になりそうなのはナチョとホセルがいなくなる事で、マドリーのスタメンが世界トップクラスだなんて当然の事で試合を変化させたり変化させる事を拒んだりできるタレントがベンチから出てくる事こそが実はマドリーらしさの正体なのかもしれない。そう考えると頼れるベテランが抜けてしまう事がどこかで問題になるかも。というかそれくらいしか粗探しするところがない。
●バルサ
レンタルが大量に出たり入ったり。先季の主力で言うとカンセロとフェリックスが抜けた。フェリックスのところはダニ・オルモが来た事で強化される。構成がいまいちわからない最終ラインはエリック・ガルシアがジローナでフルシーズン戦って帰ってきた。期待のカンテラーノが大量にメンバー入りするようです。特に主力が抜けたという事もないので様子を見てみよう。たぶん4-2-3-1に準ずる事になるのでその内容次第でしょう。
●ジローナ
先季はラリーガで大暴れして3位。今季はCLを戦う。ライジングチームの宿命だが選手はかなり抜かれた。とはいえ元々レンタル選手も多い構成だったので予見はされていただろう。サヴィオも実質シティグループお抱えのような選手だし。
前線はドフビクとサヴィオの合計33ゴールのデュオが抜け、中盤はキャプテンのアレイシ・ガルシアがいなくなった。最終ラインはエリック・ガルシアとヤン・コウトが。レビュラーが半分変わる事になり、それぞれのポジションを的確に補強してはいるがクオリティをどこまで保持できるかは未知数。特にクレイチーとフランセスは全く知らない選手なので。
選手層は先季から不安があり、ヤンヘル・エレーラ以外の主力がほぼ怪我なく過ごせた結果の3位であった。CLを戦いながらアベル・ルイスが怪我をしたら、ブライアン・ヒルが長期離脱したらどうなってしまうかは大いに不安がある。ライン間タスクもパブロ・トーレに一任していたがファン・デ・ベークは一人でどこまで働けるのか。
ところで心臓部のアレイシ・ガルシアが抜けたが、ミチェル監督はおそらく彼をアンカーだと思っていた事は一度としてなかったのではないかと想像している。ロメウが来る前(セグンダ時代)もやってないし。アレイシ・ガルシアではCL級のカウンターに耐えられるはずもなく、実はそんなに大きな変化だと思っていないのではないか、なんて予想をしている。じっくり見てみたいシーズンである。
●アトレティコ
最終ラインからサヴィッチ、エルモソのレギュラークラスが2人抜けてル・ノルマンを獲得。中盤にはコナー・ギャラガーを加え、モラタとメンフィスが抜けるFWはスルロット、さらにフリアン・アルバレスを連れてきた。この夏最大クラスのビッグディール。
まあアトレティコのスカッドについてはどこかで語る気がするが、新たにワクワクする編成になった。あとはCBもう一枚かな。
●アトレティック
ELに挑むバルベルデ体制3年目のアトレティック。もちろん望み通りの補強ができないクラブではあるが、現在の泣きどころは両SBである。デ・マルコスとユーリ・ベルチチェのコンビは強力でトップクラスだが、35歳と34歳。バルベルデのチームはSBがカウンター対応でボールに飛び込む機会も多く、出場停止も気にしなければならない2人をイニゴ・レクエが1人でバックアップしていた。ここに先季アラベスでキャリアベストに近いパフォーマンスを見せたゴロサベルが加わるのは非常に大きい。最高の補強だった。
中盤はプラドスとウナイ・ゴメスがほっといても成長するであろう。WGにはジャロを加えて補完。ストライカーの控えのビジャリブレがいなくなってしまったのは心配が、なんだかまた新しい選手が出てきたりするのだろうか。ところでアギレサバラが怪我をして、シモンも手術したので開幕にGKがいないらしい。
ラウル・ガルシアとイケル・ムニアインのレジェンド2人とお別れして迎える新シーズン。楽しみだ。
●ソシエダ
レンタル勢が抜け、ル・ノルマンが移籍。引き続き噂のあるメリーノとスビメンディがいなくなったらそもそも終わりだがとりあえずいる前提。いなくなったら星0個。
SBのガチャを思いっきり外したが、今年は先季アラベスでブレイクしたハビ・ロペスを確保。良いところに目をつける。さらにマンチェスターシティで目処が立たなかったセルヒオ・ゴメスも連れてきた。オリンピックを見るに内側にポジションを動かして仕事をするタイプでハビ・ロペスとの相性は良さそう。
ストライカーをどうしたいのかいまいちビジョンが見えないがボルハ・マジョラルを狙っているとの噂。育成が上手くいっているから最終ラインもこれでいい、という感覚におれはあまり同意しないが、ある意味アルグアシルの本当の手腕が問われるシーズンになりそう。
●ベティス
最終ラインは野晒しのようになった。ペッセッラとチャディ・リアドのCBコンビが抜け、左サイドのミランダ、アブネル・ヴィニシウスも放出。中盤はギド・ロドリゲスもいなくなった。
流石に補強にお金を使ってCBはディエゴ・ジョレンテ、左サイドはニースからプロー、さらにリカルド・ロドリゲスを補強して急いで枚数を準備した。
中盤はマルク・ロカを完全移籍に移行しジョニー・カルドソもいる事を考えれば世代交代と捉える事も。WGも戦力を維持。
先季のチラシの裏で「ウィリアン・ジョゼでどこまで戦えるのか」と書いたストライカーはそのジョゼもいなくなったが未だ補強無し。もう2年くらいずっと過渡期だが、引き続き産みの苦しみが続く。今年もイスコとフェキルに依存する事になりそう。
●ビジャレアル
こちらもベティス同様最終ラインが崩壊気味。GKが2人ともいなくなりクエンカ、マンディ、アルベルト・モレノが移籍。レンタル勢も定着せず中盤はカプエ、トリゲロス、コクランとベテランが一気に退団。強制的に世代交代が進む中、キャリアベストのシーズンを過ごしたスルロットが引き抜かれた。なかなか厳しい。
ただ最終ラインはセルジ・カルドナ、カンブワラと能力のある若手を獲得。右SBはフォイスが怪我しなければどうにかなる。怪我するけど。
中盤は22-23シーズンにセビージャでスケールの大きいプレーを見せたパプ・ゲイェを連れてきた。さらに元アーセナルのニコラ・ペペを獲ってサイドを強化した。結果的にフォイスが健康かどうか、ジェレミー・ピノが健康に復帰できるか、ジェラール・モレノが何点取れるかに立ち戻ったのはある意味健全なのかもしれない。
●バレンシア
例年と比べると落ち着いた夏を過ごす。引き抜きの噂が消えないGKママルダシュヴィリの保険には早めにディミトリエフスキを確保している。最終ラインは長期離脱中のディアカビがいない期間は不安だが頭数は足りている。ガシオロウスキもいるし。
前線は良い意味でウーゴ・ドゥーロに依存しすぎないためにラファ・ミルを確保。
気になる点は中盤で、ペペルとハビ・ゲラが欠場すると普通に誰が出るんでしょう。ギジャモンに全てを賭けるのでしょうか。アンドレ・アルメイダにどれだけ期待できるのか。上位を狙う布陣は整った。今季もルベン・バラハの旗振りでハードに戦う。
●アラベス
上位クラブのマドリー、アトレティコ、ソシエダからのレンタルを中心に良いスカッドを作った先季。そのメンバーを引き続き残すのは難しい上に活躍しすぎた両SBがバスクの2クラブに持っていかれてしまった。戦力は大幅にダウンしたと見ていい。アレックス・ソラくらいは残って欲しかった。引き続き中盤3枚もほぼ替えが効かない。
ルイス・ガルシア・プラサの元でプレーさせておけば選手が伸びそうという雰囲気を植え付けたシーズンでもあり、ミランのルカ・ロメロ(先季はアルメリア)を確保するなど出来る補強はやった感。セグンダで5シーズン連続2桁ゴールとブイブイ言わせていたストイチコフも個人昇格。2季前に昇格の立役者となったビジャリブレも獲得。先季同様に序盤戦でペースを掴みたい。
●オサスナ
ダビド・ガルシアが抜けたがアラサテ監督が去ったのが大きく、もしかしたらそれ以上にビセンテ・モレノ監督が来てしまった事が大きいかもしれないオサスナ。補強はレンタルバック中心だがブライアン・サラゴサが来た。
22-23シーズンのオサスナが特別良かった理由をアブデ・エザルズリに求めるのであれば単独突破できるWGの存在は重要で、それ以外は先季通りやれればどうにかなるだろう。先季通りやれるんだろうか。
誰と心中するつもりでメンバーを組むのかに注目してみたい。キャリアベストに近いシーズンを過ごしたブディミルがどこまで継続できるかもポイント。ここで先季以上の成績を残せばいよいよトップハーフの固定メンツに入れる。
●ヘタフェ
"FW4枚使う4-4-2だ!"なんて言っていたらマジョラル以外誰もいなくなりました。マジョラルもビジャレアル辺りから狙われている様子。中盤で気が利きすぎていたマクシモビッチもいなくなり、選手獲得もボルダラスの意向が反映されている雰囲気があまりない。カルレス・ペレスとか、大丈夫か。ピーター・フェデリコも。
ヘタフェの事だから謎コンバートと謎システムで新しいヘタフェ節を見せてくれる事に期待したいが流石に戦力ダウンは必至。おれのお気に入りアレックス・ソラはまた死ぬほど走るチームに移籍した。応援してます。
●セルタ
市場オープン即、13ゴールのストランド・ラーセンがプレミアに買われていったが、先季ほぼ仕事しなかったボルハ・イグレシアスを確保。壁を殴るタイプの電柱、パシエンシアも帰ってきた。君はレンタルだったのか。
新監督クラウディオ・ヒラルデスの元で出場機会が減っていた選手が綺麗に抜けていった感じで、まずは継続路線。残留できる戦力はあると思うが負け始めると止まらなくなるチームを上手くコントロールしたい。
●セビージャ
欧州圏に返り咲けず、今年も大幅な刷新を行う。さすがのリクルート力とブランド力で多種多様なところから選手を持ってきて大賑わいで、強化されたのか足りていないのかもよくわからん。この辺はラス・パルマスから来た新監督ガルシア・ピミエンタの采配に注目。
ポイントはCBのセルヒオ・ラモス、先季アンカーで活躍したスマレ、FWのエン=ネシリとセンターラインがごっそり抜けた事。ついにセビージャに新時代がやってくるか。ブレイク候補のイサク・ロメロは最大の注目。
●マジョルカ
オサスナの長期政権で名を上げたアラサテが率いる新シーズン。 GKライコヴィッチをサウジに持って行かれたが両SBとムリキの衛星として浅野を獲得したのは好印象。ファイターが多い中盤が全員残ったのも面白い。選手層はなかなか厚いかも。
先季同様4バックと5バックを行ったり来たりするのか、ボール保持を構築するのかは注目ポイント。案外監督の調理次第でどうとでもなれそうなスカッドになった。
●ラス・パルマス
ボール保持哲学集団はギリギリで残留したが主力が引き抜かれまくった。やっと安住の地を見つけたように見えたムニルも退団したのは驚き。わからんもんですな。
最終ラインはセルジ・カルドナにサウル・ココが抜けて便利だったフリアン・アラウホもレンタルバック。ペローネはイングランドに帰った。
ハイメ・マタがどういう流れで移籍してきたのかよくわからんがイングランドから顔がもうオールドスタイル電柱感満載のマクバーニーに、蹴っ飛ばす事に人生賭けてるDFっぽいマッケンナを連れてきた。国内では昇格プレーオフでMVP級の活躍を見せたオビエドのヴィティを確保。右サイドの良い選手。ヤヌザイは早速怪我したが、ちょっと拘りから離れつつ勝てるメンバーを目指している印象だ。
●ラージョ
昇格してきた21-22シーズンから、ジダンの息子が謎やらかしをする以外ずっとゴールマウスを守ってきたディミトリエフスキがついに移籍。ファルカオも退団した。中盤のプラスアルファになりたかったキケ・ペレスとミゲル・クレスポもいなくなった。
ペドロ・ディアスはフランス2部でフルシーズンプレーしたCH。グンバウも確保。永遠に悩み続けるアタッカーはエンバルバと、セグンダからホニ・モンティエルを獲得。資金力があるクラブではないが積極的に必要な人材を埋めた。
結局ラウル・デ・トーマスとカメージョがどれだけ点を取れるかと、年々高齢化していく主力が強度を保てるか。先季と大体同じ課題を持ってシーズンに入る。
●レガネス
さて、昇格組はプレーオフを通過したクラブ以外は何もわからない。22-23に降格したばかりのバジャドリードはまだしもレガネスは本当にわからない。
首位で昇格したが、先季の出場時間を見るとディエゴ・コンデ、ホルヘ・ミラモン、アラン・ニョム、イケル・ウンダバレナ、フランシスコ・ポルティージョあたりはバリバリレギュラーだったが退団。残念。補強もレンタルバックが多めでどこまで期待できるのか。最近1位昇格クラブの成績があまり良くない気がするので頑張ってほしい。
●バジャドリード
降格して昇格して、降格して昇格。今度こそ残留を目指す。そんなクラブなので降格すると主力をレンタルでプリメーラクラブに貸し出しがち。今年もぞろぞろと帰ってきた。毎度思うがこういうのって気まずくないんだろうか。
さらに今年はマシップ、エスクデロ、ネグレドのベテランが昇格を見届けて退団。最終ラインにはそういえばフランスに行っていたキュマルトを確保。中盤の強度がまだ足りない気もするが、スタートダッシュを決めたい。
●エスパニョール
今年も死闘になったプレーオフを勝ち抜いて1年で復帰。この戦力ならストレートで帰ってこいと思いつつ、1年間の苦労を感じるプレーオフでもあった。
プレーオフで明確な違いを見せていたニコ・メラメドとケイディ・バレが昇格して退団するのはなんでやねんと思ったが、出場時間を見るとバレはそもそもレビュラーシーズンから若干干されていた様子。ニコ・メラメドは生え抜きの最重要選手かと思っていたがなんとフリーでアルメリアに行くとの事。大丈夫でしょうか。もっと干されていたオスカル・ヒルも退団。彼が東京オリンピックのレギュラーだった事をどれだけの人が覚えているだろうか。さらにエースストライカーのブライスワイトがメディカルチェックを受けて2時間後に退団を発表。クラブの買収を計画するなんて話も聞こえてくるがこの人の事は他の選手の移籍と同列に語るのは難しいでしょう。ここまで来るとプアドが残留したのが奇跡に見えてくる。
選手の獲得は先季冬にセビージャに来て背番号が空いてなかったから10番つけてたベリスと、ウニオン・ベルリンで準レギュラーだったクラールをレンタル。出ていった選手と人数比が合わない気もするが、チームを引っ張る中心選手を早めに確定させたい。
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