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岡村風俗発言について

どうもこんにちは。ガラパゴス伊藤です。


今回は岡村隆史の風俗発言についてです。


どういう内容だったかは色々な報道で皆さんもご存知だと思うので、ここでは割愛させていただきます。


ガラパゴス的には、これは現代の社会が抱える様々な問題を集約したような問題だなと感じました。


なので今回はこの問題から、現代の日本が抱えている問題について考えていきたいと思います。



1. そもそも何が問題なのか

まず岡村の発言の何が問題だったのかについて確認したいと思います。


「なんとなくよくない」というのは皆さん感じていると思いますが、これをちゃんと言語化できている人は少ないと感じました。


まずこの問題に対する著名人の意見についていくつか紹介してみます。


まずはお笑いジャーナリストのたかまつななさんのYoutubeです。


めちゃくちゃ建設的な意見ですね。

つまりこの問題を通して女性への差別などの問題を社会で取り扱いましょうという話です。

確かに岡村自身が今回の発言の何が問題だったのか認識できているかは微妙な気がしました。


続いて炎上系Youtuberのシバターの動画。


これは正直共感する男性は多いと思います。

岡村の真意として「コロナ自粛頑張ろうぜ」という意味だったのは、実際にラジオを聞けばわかりますし、これを活字に起こしたことでだいぶ印象が変わってしまっていると思います。

また「深夜ラジオはクローズな環境」という意見もよくわかります。この辺は後で触れます。


続いては風俗系Vtuberの金美館通りの藤村さんの動画です。


色々見聞きした中でこの意見が一番芯を食っていると思いました。

まさに「同情するなら金をくれ」状態で、岡村をワーワー批判するなら店に行くなり、風俗嬢にお金がいくようにして欲しいという意見です。



その他一般人の意見としてYhaoo知恵袋でも「岡村の発言は何が問題なのですか?」という質問が結構あり、やっぱり問題点を言語化できていないのではないかと思います。


ガラパゴスとしてはこれらの色々な人のコメントをみて自分なりに問題点を言語化しました。


まず「コロナが終わったら風俗に行こう」は問題ないと思います。これは「コロナが終わったら美味しいものを食べに行こう」と基本的には同じ考えなので、これを批判する場合は風俗に対する職業差別があると思います。

また風俗嬢側としてもできるだけお客さんに来て欲しいのは事実であり、それによって結果的に貧困の援助にもなっているので、この部分を批判するのは間違いだと思います。


では何が問題かというと「コロナで風俗嬢のレベルが上がって嬉しい」という部分です

つまり景気が悪くなったことによって望まない職につく人が増えたことを喜ぶような発言をしたのが間違いだったと思います。

例えば警察が「コロナで景気悪くなって犯罪者増えて検挙数が上がって嬉しい」と言ったら問題ですよね?

もちろんそんな悪意はなかったと思いますが、本質的にはこれと同じだから問題なのではないかと思います。


ではなぜこのような発言が出てしまったかというと、やはり「女性の貧困問題」についての知識が不十分だったからではないかと思います。



2. 女性の貧困問題

この問題を扱う上で近年の日本が抱える格差社会、特に若年女性の貧困問題について知る必要があります。


一月万冊というYoutubeチャンネルをされている清水有高さんがいくつか女性の貧困問題を扱った本を紹介してくれています。


ここで紹介された「東京貧困女子」という本を読んでみました。


読んでみた感想としては、内容がとにかくエグい。救われない。

でもこれが現実であることを知りました。


内容としては女性がなぜ風俗に働くのか、そもそもなぜお金がないのかをインタビュー形式で語られています。まず一人目が風俗で働く国立大学医学部の学生だったのでとても他人事とは思えませんでした。


この本を読んで「女の子が風俗に働いてかわいそう」ということよりも「どのような状況の女性でも、風俗で働かないと満足な生活ができない可能性のある今の日本はやばい」と感じました。


根底としては親の育児放棄による低学歴者の職業難、非正規雇用の増加、奨学金という名の巨額負債、結婚してもDV・モラハラでの離婚などなど、とにかく日本の闇が風俗業界に詰まっているなと感じました。


これを読むと確かに岡村の発言の罪深さを感じてしまいました。でもこれは岡村が悪いわけでなく、こういった事実を報じないメディアや、こういった女性を量産してしまう社会に根本的な問題があると感じました。



3. 経済的変動と風俗業界の関係性

今回の問題で経済と風俗がどのような関係にあるのかも気になりました。

本当に岡村の言った通り不景気になると風俗嬢のレベルは上がるのでしょうか?


経済と風俗の関係を調べたネット記事はいくつかありました。


やはり不景気になると女性もお金がなくなるのですが、男性もお金がなくなるんですよね。なのでまず支出を抑えようとなるので男性も風俗にいかなくなります。

逆に女性は不景気で風俗に働く人が増えるので供給としては増えます。しかし需要は減っている状態なので、どんどん価格崩壊が生じ、結果的には風俗で働く女性に入るお金も減ってしまうので、風俗が女性の生命を守るセーフティネットにならなくなってしまう可能性が高いです。


さっき紹介した本の著者であるノンフィクション作家の中村淳彦さんがYoutubeをやっており、この辺についても解説してくれています。


これも初めて知ったのですが、風俗業界は「逆年功序列」であり、若い素人がもっとも価値があり、以前から勤めていたベテラン風俗嬢の価値が相対的に下がってしまう構図になっているそうです。


なので結果としては確かに岡村の言った通り風俗嬢のレベルは上がる可能性はありますが、その一方で多くの風俗で働く女性が路頭に迷ってしまうと予測されるわけです。



4. メディアのオープン化とクローズ化

今回の問題でもう一つの論点としては「深夜ラジオでの発言」というポイントです。

つまり「深夜ラジオなんて若い男かおっさんしか聞いてないんだから何を言ってもいい」という意見と「深夜ラジオとはいえ公共放送で有名人が差別的発言をしたのがよくない」という意見がぶつかっていると思います。


これはそもそもとしてはメディアにオープンとクローズの違いがあることで生じていると思います。


ガラパゴスがよくお世話になっているNewsPicksの佐々木紀彦さんのインタビューがあるので紹介します。


なんとなくこれで何がオープンでクローズなのか、それぞれどのような収益スタイルなのかわかったかと思います。


ガラパゴスの中でオープンかクローズかの度合いは「利用している人数」×「アクセスのハードル」で決まると思っています。


オンラインに限らずメディアのオープン、クローズの尺度でいうと、テレビは最もオープンな媒体だと思います。
テレビの目的はとにかく多くの人にみてもらって、広告をいっぱい広めることになります。ハードルもテレビを買うお金とNHKへの受信料さえ払えば誰でも観れます。


10年くらい前まではテレビは圧倒的強者でした。
SNSがない時代は単純に視聴率だけをあげればよかったので、内容によっては誰かが傷ついてしまっても一定数面白いと思ってもらえる人にみてもらえればよかったので、過激な内容にしていっても問題ありませんでした。
それこそ「めちゃイケ」がかなり攻めた内容をやってもテレビ局的には何も問題ありませんでした。


しかしSNSなどで徐々にマイノリティの人たちが声を上げやすい環境になっていき、スポンサーも企業イメージの悪化を恐れ、結局テレビは攻めた内容ができなくなり、中高年者しかテレビを見なくなってしまい、またそこに向けたような健康番組とかクイズ番組とかが量産されて、最終的に若い人はテレビを見なくなってしまいました。

この辺の時期にまた岡村が「嫌なら見るな」発言をしていますが、これも根本的にテレビの性質をわかっていない発想だと思います。テレビの目的はいかに多くの人に観てもらうかなので、嫌な人を作ってはいけない構造になっているのです。


まぁ結末はみなさんご存知の通りで、若い人たちはテレビから離れYoutubeに流れていきました。
おそらくYoutubeは雰囲気としては10年くらい前まではクローズ側のメディアだったと思いますが、ここ数年で一気に視聴者が増えたことでオープン化したと思います。


10年前はまだスマートフォンを持っていない人も多く、誰でもYoutubeを観れたわけではありませんでしたが、スマートフォンに普及によりアクセスへのハードルがテレビよりむしろ下がり、かなりオープンになったと思います。

なので昔はかなり危ない内容でも広告がついていましたが、どんどん不適切な動画に広告がつかなくなり、最悪アカウントをYoutube側が消すという自体も生じています。

なのでゆくゆくはYoutubeもテレビと同じような末路を辿り、最終的には誰も観なくなるのではと思っています。


ではラジオはどうかというと、テレビやYoutubeに比べると利用者数もアクセスへのハードルも高いですが、昔と比べるとラジオを聞きやすい環境になり、時代の流れ的に徐々にオープン化していったと思います。


以前は深夜ラジオといえば福山雅治さえも下ネタを言うなど、とても地上波では話せないネタを散々していたわけです。公共の電波を使っているものの、事実上「男子校状態」だったわけです。


それがオープン化されていき、いろいろな考えの人に触れるようになり、男子校生的には問題ないこともアウトになるわけです。



一方でそういった誰も傷つかない配慮をしたコンテンツよりも、さらに攻めた刺激の強いものを求める人も多いと思います。


それが現在はAmazon PrimeとかNetflixなどの有料動画サイトに流れていると思います。つまり月額料金でアクセスへのハードルを作りクローズ化することで、より攻めた内容でも許容されやすいのかと思います。


ガラパゴスが好きな番組でABEMA TVのおぎやはぎがMCをしている「ブステレビ」という番組があります。


番組タイトル通り素人のブスをいじる番組です。たまにネット記事で「こんな不謹慎なテーマなんかやって!」と書かれることがありますが、結局は大きく炎上しないことがほとんどです。

それはやはりこの番組が有料というハードルと視聴者数が制限されているためではないかと思います。


しかし今後ほとんどの家庭がNetflixを観るようになったら、最終的には現在のテレビがたどったような末路を迎えるのではと思います。

その後さらに高い料金でハードルを高くしたコンテンツが生まれて、それがまた浸透して叩かれて、、といった具合にメディアとコンプラのいたちごっこが続くのではないでしょうか。



5. 男性の女性に対するコンプレックス

岡村の問題発言後のオールナイトニッポンでは相方の矢部が出演して公開説教をしていました。


その中で岡村の女性に対するコンプレックスの話になりました。


これもまた興味深いなと思いました。

つまり根本的には岡村が女性を見下したり、敵対心を持っていることが問題なのではないか、それを払拭するために結婚すればいいのではというのが矢部の意見でした。


これは男性ならなんとなくわかると思うのですが、そもそも男性は女性に対して結構恐怖心を持っているんですよね。


多分母親から怒られた影響もあるだろうし、モテない男性だと自分が女性なんかに愛されるはずがないという固定概念みたいなのもついてしまうと思います。


そういうガラパゴスも全然モテなかったので、女性と話すだけでも『後で悪口言われていないかな』と気にしていました。


そういう感情を克服できないままに社会的に成功してしまうと、寄ってくる女性がいても「こいつは本当は金が目当てなんだろ」と思ってしまい、より心理的な距離ができてしまうかもしれません。


また男性は年齢が上がるほど精神的にナイーブになるので、傷つくのが怖く本気の恋愛もなかなかできなくなってしまいます。


日常生活で女性と絡むのは嫌だけど風俗は好きって一見矛盾しているようですが、心を傷つけず性的欲求を満たすという意味では理にかなっており、実際にこういう考えを持っている男性は一定数いるなと感じています。



5. バッシングをする人の精神的構造

あとこの問題でよく言われたのは「岡村をチコちゃんから降板させる署名活動はやりすぎだろ」という話です。


この現象は別に岡村の件に限りませんが、最近の日本では以前そこまで問題にされなかった事象(不倫とか)でものすごいバッシングされるようになりました。


岡村の件も言ってしまえばただの失言なので、社会的制裁としては謝罪で十分なはずです。失言だけで職を追われなければいけないのであれば、国会議員はめちゃめちゃ辞めなくてはいけません。


しかしこれが著名活動までいってしまったので、最近よく言われている「不寛容社会」が原因と思われます。


ガラパゴスはアベプラニュース好きで結構観てるのですが、この回はマジで神回でした。


色々な論点がありましたが、梅谷先生がおっしゃった「自分より上の人間が落ちていく様をみると幸福度が上がるようにプログラムされている」という話はめちゃめちゃしっくりきました。


つまり人間が生存競争の中で身につけたプログラムが「他人の不幸は蜜の味」になってしまい、それをメディアは利用して視聴者を焚き付けているのだと理解しました。


なのでこういった炎上は根本的には「いじめ」も「ワイドショー」も「警察24時」も自分の正義感でマウントをとるのが楽しいからなくならないわけです。


その点すごいなと思うのは「アンパンマン」です。

アンパンマンは子供なら全員好きだと思うのですが、おそらくバイキンマンのこともみんな好きなんじゃないかと思います。


それはなぜかというと、やなせたかし先生はちゃんとバイキンマン側の気持ちも描いてくれているからだと思います。お腹がすいてどうしようもなくなったから天丼マンを襲ったり、ドキンちゃんに命令されて仕方なくお菓子を盗んできたりしているわけです。


個人的にはあんなに何回もアンパンマンにやられて、絶対負けるとわかっているのに何度も立ち向かっていく様は感動すら覚えます。


つまり正義を振りかざされる側の気持ちもちゃんと考えれば歪んだ正義を押し付けることにはならないわけです。

まぁ結局は自己肯定感の問題とか生育環境の問題とかに集約されていくのですが、この辺りはやはり根深いなと感じます。



6. まとめ

かなり長くなってしまいましたが、ガラパゴスの結論としては

①女性の貧困問題を学ぶべし

②メディアとコンプラのいたちごっこは終わらない

③女性に対するコンプレックスと向き合うべき

④歪んだ正義を押し付けない


以上です。


ここまで書いてなんですが、ガラパゴスはジャストめちゃイケ世代で、岡村隆史には死ぬほど笑わせてもらっていました。

毎週土曜の8時がすごい楽しみで、人生でもあれ以上何かを楽しみに待っていた経験はありません。

そして岡村がどれだけ努力してめちゃイケをあそこまで持って行ったのか、想像すらできません。

ちなみにチコちゃんも好きで今もよく観ています(笑)。ガラパゴスの父(グリーンランド石井)もゴチがめっちゃ好きで絶対観ています。おそらくオールナイトのファンも同じような気持ちだと思います。


こんなに多くの人に笑いと感動を届けたのに、たった一つの失敗でそれが全部ダメになるなんて私はおかしいと思います。

岡村はすでに深く反省して、社会的制裁も十分すぎるくらい受けたと思うので、これからまた笑いを届けて欲しいなと思います。


ではまた


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