【対談企画】 第1弾 | 劇団言魂 山口大器×万能グローブガラパゴスダイナモス 友田宗大
友田:よろしくお願いいたします。
万能グローブガラパゴスダイナモスの友田宗大です!
山口:北九州で活動しております劇団言魂の山口大器です。
よろしくお願いします。
なんかこうやってちゃんと対談するとなると緊張しますね。
友田:緊張します。
山口:ガラパに入って何年目なの?
友田:ガラパに入って、今年で3年? ですね。
山口:あ、まだ3年とかなんだ。どうですか?ガラパに入って活動して。
友田:ここ1年ぐらいで一気につながり増えたなと思っていて。去年は『福岡“題名のない”演劇祭』とか、『甘棠館Show劇場設立二十周年演劇フェスティバル』とか、フェスみたいなのが2つ続いて。その時に福岡の他の劇団さんや、北九州を代表する劇団さんと知り合えたので。そこで初めて言魂を観て、そこから『こえの聴こえる』を観に行って。
山口:なるほど。そうなんだよね、意外と同じ県でやっているけれど、北九州と福岡ではなかなか。それこそ『未開の議場』があるまで、ムネ(友田の呼び名)と交流なかったし。
友田:そうだそうだ!『未開の議場』ね!
山口:やっぱり、ちょっと遠くて観てない、みたいなのはあったんだね。
友田:『未開の議場』の友田宗大はどうだったの…?
山口:元気のいい人でした。
友田:ハハハハハ(笑)
山口:元気のいい、ちょっとめんどくさい奴だった。めんどくさいは言い過ぎか(笑)
友田:いやいやいや、めんどくさい奴やったよ。
山口:だって自己紹介のときに一発ギャグし始めるじゃん。なんだっけあれ?
友田:『僕の胸筋パンプキン!』ですよね。
山口:何あれ、どういう意味なの?
友田:だからあれは…
(友田、一生懸命に一発ギャグを説明するも空回り)
山口:いやー、めちゃくちゃ面白いねそれ。
友田:もうこれ、全部載るんだからね!(編集の都合上カットさせていただきました)
山口:僕の悪い癖が出ましたね(笑)
友田:『未開の議場』の時、俺的にはヤマヒロくん(山口の呼び名)って若手で、めちゃくちゃクールで、椎木さんとか川口さん(それぞれガラパ代表、脚本・演出家)からも評価高くて、めっちゃカッコよく見えてたの。でも仲良くなればなるほどさ、何かすげえ意地悪だよね、ほんとに(笑)言われない?劇団の人から
山口:劇団員から…?そうだね。何か…申し訳ないよね(笑)
友田:申し訳ないって(笑)え、今劇団員って何人いるんですか?
山口:8人。言魂ってもともと僕が大学入った年に作って、九州大私立大学を中心に活動していて。そこ卒業しても続けている団体なので。メンバーの入れ替わりとか、就職して活動はできないけどまだメンバーみたいな人もいて。だから劇団だけで言うと…もう8年?
友田:え、そんなに長いんだ!?
山口:学生演劇時代も言魂としては活動してるから。
友田:え、すご。
山口:そうそう。だから、なんですか、そんなすごくいじわるな僕も…
友田:8年(笑)いじわるしてきたと。
山口:なんかこの流れ違うなー(笑)
友田:いや、今日はこういう一面も聞いてきたいなと。この対談ならではの。ヤマヒロ君ってさ、年上の人たちと絡むことが多いでしょ?
山口:まあそうですね。北九州でお世話になったり。年上の人にはヘコヘコしながらね(笑)
友田:ヘコヘコ言うてるやん(笑)『題名のない演劇祭』のアフターイベントとかさ、イジられまくってたやん、一番下やから。
山口:そう!椎木さんがさ、イケメンってイジるからさ
友田:なんか椎木さんハマっちゃってたよ。
山口:いやあ、まあイケメンだし?
友田:うんまぁね、イケメンだと思う。うんうん、イケメンイケメン。
山口:「違うのでやめてください!」って言うのも違うかなと。
友田:でも椎木さん言ってた。イケメンって言ったときに、イケメンですって返してくるのが清々しいって。「あいつは清々しいね、気持ちがいい」って。
山口:あれこれ何の話だっけ?(笑)
2人が仲良くなったきっかけは?
山口:僕は結局出演できなかったけれど、『ミモココロモ』っていう公演があって。その稽古の時に、ムネと一緒にやるのが楽しいなと思って。
友田:あの1回目の稽古の時、ヤマヒロ君が一番笑ってくれてた。稽古場で僕の芝居を観て。そしたらヤマヒロ君が稽古終わった後に、「今度言魂出てよ」って。
山口:言ったっけ俺?
友田:言ったよ!一緒にやろうよって言ってくれて、もう一年ぐらいたつ。僕は鮮明に覚えてますから。
山口:あの時は、信頼できる仲間というか、演劇やってく中で彼とは長い付き合いになるだろうな、みたいなのを僕は思ったから。そうなればいいなと思った。
友田:いやあ、エモいっすね。そこからじゃん。そこからヤマヒロくんの家に僕が泊まりに行って。
山口:で、『ハイバイ』観たりとか『劇団☆新感線』観たりとか。そういう日があって。
友田:でその日結局帰れないぞってなって、1日泊まり、同世代のセクシーなかむら(俳優)君とかを呼んで、カタンていうテーブルゲームやろうやってなって。で、楽しくてまた泊まって(笑)1泊の予定だったのが2泊したっていう。最初は敬語だったんだけど…学年は僕よりヤマヒロ君が1個上なんすよね。だけど、もう敬語のノリじゃなくなったから。
山口:もう戻れなかったんだ(笑)
友田:もう戻れなくて。
山口:なんか僕はあんま敬語を使われるのが好きじゃなくって。
友田:グレーゾーンだからいいよ、みたいな。ほぼ同い年だから、みたいな(笑)
山口:仲良くなりたいな、という意味も込めて。
友田:そこから僕たちの愛は深まっていきました。
山口:いや僕はまあ…愛と言うほどではないんですけれども。
友田:こういうところ(笑)すぐ突き放されるんですけど。
山口:ちょっと恥ずかしがり屋なんでね。
友田:もしかしたら、俺がそれを求めちゃってるのかな…。ヤマヒロ君に突き放されるために、何か仕掛けちゃってるのかなあ。
お互いの演劇について
山口:何か色々と話していくうちに…ムネは何だろう、「売れたい」みたいな。そういう欲が強いんだなっていうのは思って。
友田:あります。今年26になる年で、自分の俳優像みたいなのを明確にしていきたいというか。やっぱ今まで勢いでやってきたけど、ちゃんと明確に好き嫌いが出てくるようになったんです。
山口:なるほど。作品とか?
友田:そう、俺はこういう芝居が好きだな、俺はこういう芝居があまり得意ではないな、とか。好き嫌いが出てくるようになった時に、ちゃんと目的を持ってそのお芝居に出たいし、この人の人柄に惹かれてこの作品に出たい、とか。そういうのが強くなっていって。やっぱ売れたいっていうのが一番上にあるんですけど。でも、ただただ東京に行くみたいなのが、僕はなんかすごいちょっと言い方アレだけど、埋もれちゃう気がするというか。
山口:なるほど。
友田:東京に行ったらパイが増えるじゃないですか。他の若手、僕と同い年ぐらいの人がいっぱいいて。何か、埋もれちゃうんだったら、俺は福岡に残って福岡で一番になって、福岡で若手の俳優っていったら友田だろうという状態になって。で、東京から呼ばれるような俳優になりたいなというのを思ってますね。
山口:ムネは、売れたいっていうところで、演劇というステージを選んでいるわけだけれど、演劇のどういうところが好きなの?
友田:僕、もともとはやっぱり、目立ちたいだけの承認欲求野郎でして。
山口:わかるよ、僕もそうですもん。
友田:ずっと応援団長とかやったり、その流れでただただやってきた、みたいなのはずっと強くて。でもガラパに入って、演劇の面白さに気付かされた部分は大きいですね。作品に触れるにつれて。
山口:具体的にどういうところが?
友田:ガラパってコメディじゃないですか。全員野球みたいなところがあるから、スポーツっぽいなとも思った。最初にやった作品が『ナイス・コントロール』で、団体芸がすごく強い作品だったんだけど、最初にそれを経験したときに、あんなにお客さんって揺れて笑ってくれるんだ、と思ったんです。
山口:はいはいはいはい。
友田:サッカーでいうと、パスがいっぱいつながって、最後シュートでドカーンってゴールが決まったときみたいな。その時のお客さんの笑い声がずっと忘れられないのと、あともうひとつは、北九州芸術劇場で観たシェイクスピア。内野聖陽さんがやっていたハムレット。
山口:ハムレットね!観た観た。
友田:ハムレットは大学演劇でやったことがあったんだけど、シェイクスピアってやる人によってこんなに変わるんだと思って。その時にスタンディングオベーションになって、うわあああみたいになって。そういうの見た時に、こんなでかい劇場でみんな総立ち状態で、なんかすごい気持ちよくて。僕は一応アクションとかで映像もやってはいたんだけど、そういう面白さは、あまり感じたことなかった。できた映像を見たときも、この熱は果たして伝わってるだろうかみたいな。あの劇場の熱はあの劇場でしかないのかなって思って、その熱に惚れ込んだのもあるのかもしれない。そこを一番に浴びたいっていう。
山口:なんかその、ムネのコミュニケーションのうまさというのかな。そういうやり取りを、お客さんとも感じて、きっとそれを楽しんでいるんだろうなというのを、芝居をしているムネくんを見ながらな感じてます。
友田:なんか意識しているかもしれないどこかで。
山口:ムネがね、直感的にわかっているんじゃないかな。
友田:そうかもな。置いてけぼりにしたくないなと思うんですよ。1人でやる俳優になりたくないなというか、1人になっちゃいたくないなっていうのがあって、やっぱ。お客さんの呼吸も感じれたら最高なんだろうなとは思ってますね。常日頃から。
山口:へえ~。
友田:いや、わかんないっすよ、わかんないっすけど、なんか。じゃ、逆に同じ質問返してもいいですか?
山口:はい。
友田:ヤマヒロくんは、その演劇初めたきっかけというか。
山口:僕も最初は俳優で、作品で目立ちたいみたいなところから始まってはいるんだけれども。大学入った時に劇団を立ち上げるにあたって、自分で本を書かなきゃなっていう必要に駆られて本を書き始めたんですよ。ただ書いていくうちに、俳優としてお客さんの前で何かをやって渡して、それを楽しんでもらって、それをまた受け取る、みたいなやりとり。それも楽しいんだけど、自分で何か考えたことを本に書いて、それを俳優さんを通してお客さんに渡して、それをまた僕がもらうみたいな。そういうやりとりの方が僕に向いているなというか。好きだなと思ったり。あと、色々な作品を見ていくうちに、あ、演劇って、できること色々あるんだみたいなことをすごく思って。そういうことを広く考えたいな、と。今そこで何かを起こして、お客さんと関係性を作っていく、というその作業。その工程がすごく尊くて、豊かで、僕は大好きなので。だから演劇をしているんですけど。なんかね、ガラパはちゃんとそういうやり取りを、どんなお客さんも取りこぼさないようにやろうとしているところが、すごくいいなと思います。
友田:ヤマヒロ君の発想力、『題名のない演劇祭』の時の箱の使い方とか。そういうの考えるのがやっぱ好きなんすか?なんか面白いんですよね、観てて。むっちゃ。
山口:それは…うん嬉しい嬉しい。
友田:俺はなんか、稽古場が楽しそうだなって思ってたんです。だから言魂の稽古場に行きたくて。稽古場でそういうヤマヒロ君が言ったアイデアみたいなのを、俳優としてちゃんと受け取って、僕は僕でまたアレンジ加えたいし。だから、そのヤマヒロ君の発想力みたいなのがどこから来ているのかなとか思ったりとかして。だから俺はずっとずっと出たいとは思っているんです。
山口:ムネとは、いつか何かしたいなと本当に思ってんの。
まだ回収されていない二人の伏線
友田:てかさてかさ、1回さ、俺なんかすごいこと言ったじゃん。ヤマヒロ君にさ。青野君(俳優)と。
山口:そうです。西鉄ホールでやりたいとかぬかして。何回かミーティングもしたんだけど、いつの間にかその企画が苅野名義(脚本・演出家)さんに変わっていたという(笑)
友田:違うの、そんなつもりじゃないのよ!
山口:(笑)
友田:違う違う違う。
山口:いやわかるよ全然。正しいと思うよそれは。
友田:違う違う、そんなつもりじゃなくて!本当に、なんか…西鉄ホールはいずれ必ずやると思ってますし、絶対にやりたいと思ってて。
山口:頑張ってください。
友田:頑張ってくださいって!笑
やりたいと思ってて、その上でやっぱり今の僕じゃ絶対に無理だな、っていうのはすごく思ったので。本当にそこに関しては…何かヤマヒロ君に声かけておいて申し訳ないみたいな気持ちは、あった。
山口:ムネ頑固なんだよー
友田:や、ごめんな。頑固かー
山口:良いとこでもあると思うんですよ。それをしたいっていうところに対して突き進むっていうのは絶対大事だと思うし、むちゃくちゃ良いところだと思うんだけど…ああ、大変だな、と思うからさ。集客もそうだけれども。あの空間で作品を作るのも大変だし、そんなこと分かって言ってないだろうなと思いながら。だから「こうなんじゃないの?」と言っても、「でも…」って言い出すから。椎木イズムを感じている。
友田:そうね、そういうところは…。でも、椎木さんからも「西鉄はまだ早いよ」とかってずっと言われていたから。それを含めて、僕の完全なる勉強不足。
山口:(笑)そうですね。
友田:ホントそうだと思います。
山口:いずれこの伏線は回収していただけると。ていうか回収しましょうね。
友田:回収しましょう。
演劇の話は尽きない同世代二人の公演。実現楽しみですね!
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