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【四阿山】天気好転、咲くクルマユリ

 「四阿という名前もなかなかいい。(中略)頂上がやや左に傾いだ屋根型をして、その右側に乳首のような丘が盛りあがっている。いい形である」(深田久弥著『日本百名山』)

 午前5時、東京を出発。長野・菅平高原に向かう。ホテルが立ち並ぶ高原リゾートを過ぎると、菅平牧場にたどり着く。料金所があり、入山料は200円。後続の車両は料金所に気づかず、料金所のスタッフが慌てて声を張り上げて呼び止めようとした。だが、かけ声もむなしくあっという間に通過していった。

登山口

 午前9時ごろ、駐車場がある菅平牧場登山口に到着。雲行きは怪しいが雨に降られないことを祈りながら登山スタート。この日は登山口から時計回りに根子岳、四阿山と周回するコースを選ぶ。

 最初は牧場の柵沿いに林の道を進む。1時間ほど歩いて休憩していると、ポツリ、ポツリと雨が。急いで雨具を着ていると、しとしとと本格的な降雨となっていきた。だが、しばらくすると雨脚は穏やかになったため、登山を再開する。高度が上がると展望が徐々に開けてくる。

 午前11時ごろ、根子岳の山頂に到達。山頂の石の祠には撮影用に手に持つ木製の板が置いてあり、「花の百名山 根子岳」と書かれていた。そういえば、紫色のウツボグサやオレンジ色のクルマユリ、黄色のオミナエシなどかわいらしい花が登山道の脇に咲いていた。

根子岳山頂

 せっかく根子岳まで来たものの周囲は真っ白い霧で視界は悪い。休憩していた中年のご夫婦と思われる男女は「晴れていればとてもいい景色が見られたのにね」と残念がっていた。

 その後、岩場の稜線を進む。「屛風岩」という大きな岩があった。そして、「十ヶ原」(とおがはら)と呼ばれる鞍部まで来ると、雲の切れ間から青空が見え始める。四阿山までは樹林帯の急傾斜を登っていくが、このあたりまで来ると登山者も多くなってくる。根子岳と四阿山の分岐は空間が開けていて、横になって寝転んでいる登山者の姿も。

屏風岩

 最後のひと踏ん張りと気を引き締めて、進んでいるとすっかり頭上には青空が広がってきた。最後に階段の道を登り、午後0時半ごろ、四阿山山頂に到着。四阿山の山頂には祠があるが、広くないので写真撮影をしてすぐに引き返す。

四阿山山頂

 その後はひたすら樹林帯の中尾根コースを下っていく。登山口の少し手前で大明神沢と交わる。川の中に手を入れると冷たくて気持ちいい。

下りの道にある標識

 午後3時ごろ、出発地点に戻ってくる。売店に立ち寄り、ソフトクリームを注文。さすが牧場近くのソフトクリームだけあってミルクの濃厚さに驚いた。下山後はそのまま長野市内のホテルをめざし、温泉に浸かった。

 下山後はまだソフトクリームしか食べていないのでお腹はぺこぺこ。ホテルのスタッフおすすめの居酒屋に入るが2軒続けて満席。長野らしい店ではなかったが、ノスタルジックな昭和レトロの雰囲気が売りの居酒屋で夕食を済ました。翌日は長野市内を観光。前日の登山の疲れと暑さで、夏バテ気味の中、善光寺と長野市立博物館を巡った。      (2024年7月20日)


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