神々の誕生

はじめに現れた神

そのときは未だ何ひとつ分かれていなくて、空も海も大地も全てが混じり合っている世界が無限に広がっていたようです。

やがて天と地が分かれたとき、天のとてもとても高いところ、高天原（たかまのはら）と呼ばれる天上界に、神々が現れはじめます。

最初に現れた神様は、天之御中主神（アメノミナカノヌシノカミ）です。天の神様の中央にいるリーダーです。Perfumeでいうと『あーちゃん』です。不動のセンターでリーダーです。次に現れたのは、高御産巣日神（タカミムスヒノカミ）という天上界の創造神と、神産巣日神（カミムスヒノカミ）という地上界の創造神です。Perfumeでいうと『のっち』と『かしゆか』です。

いずれも万物の創造をつかさどる神様であり『造化三神（ぞうかさんしん）』と呼ばれています。『Perfume』とはもちろん呼ばれていません。この三柱（みはしら）の神々は独神（ひとりがみ）といわれていて、すぐに身を隠したので、姿を見ることができない神様です。

少しややこしい言葉が出てきたので説明致しますと、神様は「一人、二人」ではなく「一柱、二柱」と数えます。そして、独神とは男女の区別が無い神様で、男神（おがみ）と女神（めがみ）の両方の性質を備えています。なので『Perfume』とたとえましたが、『THE ALFEE』でもあるとお考えください。『あーちゃん』が『坂崎幸之助』で、『のっち』が『高見沢俊彦』で、『かしゆか』が『桜井賢』です。どうですか。立ち位置も役割も非常に似ておりますね。

四柱目と五柱目

天上界に神々が現れだした頃、地上はまだ不安定で、水に浮かぶ脂のようで、海月（くらげ）のように漂っていました。ところが、葦（あし＝水辺に生える稲のような植物）の牙（かび＝新芽）が一斉に泥沼の中から芽吹いてくるかのように現れたのが、ウマシアシカビヒコヂノカミで、次に現れたのがアメノトコタチノカミです。この二柱の神様も独神で、やはりすぐに身を隠してしまって、姿を見ることはできません。

天上界にいる神のことを『天つ神（あまつかみ）』と呼びます。以上の五柱（いつはしら）の神は、天地が分かれだして早い時期に現れた特別な神なので、『別天つ神（ことあまつかみ）』と呼ばれます。

さっきまで三人組でたとえていたのに、急に五人組になってしまっとことをここでお詫び申し上げます。そして今後、二度とグループでたとえないと誓います。なぜなら、このあとまだまだ神様が出てきますので、このノリを続けると、自分で自分の首を締めることになると予感できるからです。早めに気づけてよかったです。

このあと本当にたくさん神様が登場します。どの神様も素晴らしいのですが、特に重要な神様を『漢字と読み仮名』で表記させていただき、今後ほぼ登場しない神様は『片仮名表記』にさせていただいております。勘の鋭い読者の方ならもう気づかれているのではないでしょうか。

そうです！なんと『別天つ神』の後半の二柱の神はもう出てきません！特別な神なのにもう出てこないんです！ドラゴンボールならプーアルやウーロンでさえ最後の方まで出てくるのに！
これが古事記のすごいところです。なので片仮名表記の神は覚えなくても大丈夫でございます。気楽に読み進めてください。このお話ももう少しで終わりです。

柱は揃った！

その後、また次々と神が現れます。まずクニトコタチノカミ、そしてトヨクモノノカミです。この二柱も独神で、またまたすぐに身を隠しまして、姿を見せることはありませんでした。なんでしょう？身を隠して姿を見せないというノリが流行ってたんでしょうか。

やがて男女が一対の神が現れます。ウヒジニノカミと妹のスヒチニノカミです。この二柱は兄と妹ですが、夫婦になりました。兄と妹の結婚は神々にとっては理想とされています。だから人間には禁止されているのかもしれません。そして別に隠れませんでした。みんなに見てもらいたいくらい仲の良い夫婦だったんでしょう。

このあと三組の男女一対の神が現れまして、最後に男神の伊邪那岐神（イザナキノカミ）と女神の伊邪那美神（イザナミノカミ）が現れます。この二柱は、このあと日本列島をお生みになる重要な神です。

クニトコタチノカミから最後の伊邪那美神（イザナミノカミ）までの神々を『神世七代（かみよのななよ）』といいます。これは最初の二柱の独神はそれぞれ一代（ひとよ）と数え、男女一対の神は二柱合わせて一代とする数え方です。まさに神７（セブン）です。二度とグループでたとえないと言ったのに、我慢できなかったことをお許しください。

これで、国作りまでの神々すべてが出揃いました。いよいよ日本がはじまります！

次回、告白はストレートな方がいい！？