なんやねん、「やる気」って。
ある企業の面接にて。
「当社はやる気さえあればいいですから」
と人事の方が言ってました。
やる気って具体的になんですかね?
と学生さんから質問いただいたので、今回は「やる気」についてのお話しです。
普段、「やる気」って言葉は割と使いますよね。
「やる気あんのかお前は」
「あいつ、やる気になってるな」
「やる気マンマンやんかー」
とかよく考えると実体がない言葉なのに、ほんまによく使います。言い換えるといわゆるモチベーションというやつです。
「やる気=モチベーション」って何でしょうか。
これは「自己効力感」と大きく関係します。
自己効力感というのは、「これなら自分でもできるかも!」って思えること。自信があるというのは、自己効力感が高い状態です。
例えば、目の前にエベレストがあったとして、「さあ登ろう!」ってなるかどうかで言うと大半の方は、やる気にならないはずです。なぜなら、高くて、険しく、簡単に登れないことを知っているからです。「そこに山があるから」という理由で山登りしたい人ならともかくとして、ほとんどの方は心沸き立つことはないでしょう。だって素人が登れるほど容易な登山ではありませんから。
じゃあ、六甲山ならいかがでしょうか。少なくとも、エベレストよりはやる気が出るはずです。車も通っているし、道も整備されているし。爺婆の登山客もいますし。
できそうなことなら、やる気が出る。到底できそうにないことはやる気が出ない。自己効力感には、「できるかできないか」が大きく関わってくるのです。
その自己効力感。中身としては4種類あるといわれています。
(1)直接体験
過去の成功体験です。昔に成功したことに関しては自己効力感が高まります。
(2)間接体験
他人の過去の成功体験です。他人でも成功を見ることによって自己効力感が高まります。逆に失敗を見ていると自己効力感が下がる傾向にあります。
(3)情緒的喚起
今日はできる気がする!とか根拠はないけど、なんとなく自信があることで自己効力感が高まります。
(4)言語的説得
誰かが励ましてくれることで自己効力感が高まります。
上記4つのうち、いずれかがあれば自己効力感が高まり、周囲からはやる気があると見えるのです。面接においても「やる気があるな、君は」と言われるためには自己効力感を高めることが大切です。
でも、その企業においてそんな仕事はしたことないでしょうし、成功体験どころか未経験なわけです。
どうするかというと、その企業において任せられるであろう役割や業務と自身の成功体験に照らし合わせて考えることです。そして、「自分ならできる」ということを認識し、相手に伝えます。
整理すると
・応募企業で何をするのかを調べる、考える
(例)既存顧客を中心としたルート営業(顧客との永続的な関係構築が大切)
・過去の自信の成功体験と照らし合わせる
(例)アルバイト先で仲良くなったお客様にご飯誘ってもらったり、バイト仲間と一緒にボードとかサーフィンに連れていってもらった。幼少期からずっと続いている友達が3人いる。
・その結果、生み出されるであろう価値を考える
(例)関係構築において、まずは相手のことを第一に考え、ニーズが何か?そのニーズの奥底にあるニーズは何かを考えながら、永続的に利益を提供できる存在になりたいです。
を理解した上で面接に臨むことが大切なのです。
最後になりますがそもそも、企業がやる気を求める理由が何か。
それは、やる気というものがその人の主体性や積極性を刺激し、パフォーマンスへと変換されるであろうと考えられているからです。
だって、前向きに取り組める人とそうでない人とでは、結果が大きく異なりますから。
つまり、やる気がある人は高い確率で成果を出してくれるため、企業はやる気ある人材を採用したいのです。
改めて言いますが、面接において「やる気がある人だ」と認識してもらうことが一つの重要な選考要素となります。
「なんか知らんけどやる気マンマン」って胸に秘めていても、気づいてもらえなければ何の意味もありませんから。「できる気がする!」みたいなことも伝わらなければ意味がないように。
この会社で何のために、何を成すのか、その結果、どんな価値が生まれるのか。それを語れるように企業研究をしてみてください。
なお、企業研究などガクチカにご相談ください。一緒に悩みましょう。
ガクチカ代表
中岡ごう
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