蒲田健の収録後記:佐々木俊尚さん
20世紀のマインドは「上へ」あるいは「外へ」だった。そして、、、、
佐々木俊尚さんの最新刊「そして、暮らしは共同体になる」。
昨日より今日、今日より明日、
どんどん豊かになりたいという上昇志向(=上へ)、
そしてそのカウンターとして枠組みから逃れたいという
反逆志向(=外へ)。
この二つは右肩上がりの経済成長を大前提としているという観点から
表裏一体である。成長が永続的なものならばこれらのベクトルは
変わらないだろう。しかしながら21世紀の今、幸か不幸かその成長曲線は
右肩上がりではなくなった。しからば人々の向かう方向はどうなるのか。
佐々木さんの回答は「横へ」。
時に近所づきあいのような目に見える形でのつながり、時にIT技術などを
媒介としたつきあいのような目に見えない形でのつながり、などが
混在しながら個と個がゆるゆるとつながりあい、それぞれの人がそれぞれの
つながりの世界(=共同体)を広げていく中で暮らしやすさを実感して
ゆくようになるだろう、という見立てだ。それが「横へ」というベクトル。
そしてそれはリアルな形ですでに顕在化している例が散見されているのだ。
時代に即した幸福な暮らしを実践するヒントはこのベクトル上に
あるようだ。
“「上」か「外」 二つに一つと 思いきや
第三の軸あり それは「横」”
P.S.料理本も上梓されている佐々木さん。箸休め的に挿入されている
オリジナル料理のレシピが文字通り「いい味」出してます。
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