蒲田健の収録後記:今泉忠明さん

コツコツやっていれば、いつかきっと、それなりの結果がついてきますよ

今泉忠明さんの最新刊「気がつけば動物学者三代」

タイトル通り、お父様、ご自身、息子さんと三代続いての動物学者一家。

子供のころから、家の内外に動物が当たり前にいる環境。その中で動物の飼育や

研究は純粋に楽しいことだったという。長じて一時は海の生物の道に進もうと

志すも、ひょんなことからイリオモテヤマネコの調査に加わることになる。

ここで、それまで小さなころから楽しくてやってきた様々な経験が役に立つ。

芸は身を助く。好きこそものの上手なれ。

好きなものが仕事になればそれに越したことはない。とは言いながら、

その仕事の中身全てが好きなもので充足できるかといったら、さすがに

そういうわけにはいかない。多かれ少なかれ、嫌々ながらでもせざるを得ない

雑事も含まれてくるというのは世の常。清濁併せ吞むことも必要である。

それゆえ、”濁“を呑みつつ、心から没頭できる“清”にあてる時間を確保することが

大切。そのメリハリがあれば、“濁”にも励むことができる

現在、公の役職からは基本的に離れたフリーの立場となっている今泉さん。

今は富士山周辺の生態をさぐること、どうしてこうなっているんだろうということ

を純粋な楽しみとして仮説をたて検証、追及している。好奇心を源とする疑問。

それに一定の結論や解明が為されることは、成果としてはもちろん嬉しいことで

ある。だが、本心を言えば、そういったところに到達することは第一義的な

目的ではないという。一定の研究成果を発表しなければならないというノルマや

プレッシャーなしに観察し、考察することが、純粋にひたすら楽しいという

ことなのだ。これは学問の究極の形態であるようにも思える。

「ひたすらに 追求できる 好きなこと

        仲間を得れば 更になおよし」

P.S. 70代中盤に差し掛かる年齢でいらっしゃいますが、足腰も好奇心も

衰え知らず、まだまだ現役の今泉さん。いやあ、モモンガの生態、気になります!



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