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想いを取り戻した大人たちが送り出す「あたしたちのハッピーエンド」イベスト感想【プロセカ】

 ワンダショメンバーは世界規模の夢を持ちますが、えむだけは事情が違います。彼女の夢は、祖父が大好きだったフェニックスワンダーランド、そしてワンダーステージを笑顔で一杯にし続けること。その夢はメインストーリーでワンダーランズ×ショウタイムが結成された時、さらに全キャストを巻き込んだショーで経営方針を覆して全世代が楽しめる遊園地を守った時、1つ叶ったとも言えます。
 次の彼女の夢はそれを守り続けること。それは自分の使命だと思うのは自然です。なぜなら、自分が家族の反対も押し切り無理やり残さなければ、ワンダーステージは間違いなく消滅していたのだから。
 だから、フリーランスになってワンダーステージの活動も外部での活動も両立するという類が捻り出した提案も断ります。みんなは大好き、みんなの夢は応援したい、でも私は残らないと…だから笑顔で送り出したい。

この聡くて、皆を心から信頼していて、かつ悲しい言葉…。

 自分の夢も仲間も夢も叶う、最大限考え抜いた納得いく選択…だと思ってはずが、一人止まらない涙。隠し切れず、みんなで泣くことに。司がいい座長なんですこれが。

 しかし、そこに兄たちが現れて提案します。えむは一緒に行って広い世界を見てこい、ワンダーステージは俺たちが守ると。夢のために自分の心を押し殺す選択をしようとする子どもの背中を大人が押す、この構図は「カーテンコールに惜別を」の類と旭さんと重なります。あのイベストも頭で考える合理的な選択を言葉にまでしながら表情が全然割り切れてない類がよくて、そこを大人側が汲みとって自分がしたスカウト話を取り下げて仲間と居る選択をさせるのもいいのです。
 しかも今回は、ワンダショによって本当の想いを取り戻した大人たち。初期はステージを潰そうとする敵対ともいえる関係でしたが、彼らもまたワンダショのおかげで、経営面ばかりに囚われ失いかけていた皆を笑顔にするという想いを取り戻した存在です。想いを取り戻すのはセカイに繋がりミクたちに直接合った人だけではない、その想いが繋がって影響を与え合っていく…それを象徴しているように思います。
 信頼できる、そして同じ夢を持っていると言ってくれた家族達が守ってくれる、安心してえむはワンダーステージの外に旅立つことができます。

 始まりの曲「セカイはまだ始まってすらいない」のBGMがめちゃくちゃピッタリの船出、何だってやってくれそうな4人の大冒険が楽しみです。

画像出典:『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』イベントストーリー「あたしたちのハッピーエンド」2023年、
SEGA・Colorful Palette・Crypton Future Media
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