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伝説の先へ「BREAK DOWN THE WALL」イベスト感想+Vivid BAD SQUAD振り返り【プロセカ】

 各チャプターで1人づつ焦点を当てるワールドリンクイベントの第2弾でした。今回もイベストを踏まえつつ、メンバーのこれまでを振り返っていきます。

東雲彰人

 社交性も高く(学校の勉強はともかく)何でもそつなくこなせる器用さを持ちながら(「純白の貴方へ、誓いの歌を!」「怪盗紳士のハラハラ!?ホワイトデー」「最高のクランクアップ!」などで高い演技力や即応性を見せています)、夢に向かって不器用に突き進みます。個人的には「BURN MY SOUL」で一気に解像度が上がりました。上を目指せないと痛感したから打ち込んだサッカーをスパッとやめたのに、これしかないと思ってしまった音楽の世界には、ただ声がデカいだけと酷評されても喰らい付いてきました。東雲姉弟の「うるせえこの道を進むんだ」というような凡才のあがきにとても共感します。(何のかんの言いながら、互いに大事な所はよく見ている姉弟の関係性が面白いです)
 人当たりのよい「優男モード」も使えますが、本質的には自分にも他人にも半端は許さないストイックな人物です。彰人の熱量と姿勢を本気で理解しつつ、彰人のとげとげしい部分を温和さや素直さで上手く中和している冬弥とは本当にベストな相棒だなと思います。互いにガツンと言い合える所では、杏よりも一歩先を行っていると言えるでしょう。今後立ちはだかる壁も、そのひたむきさと相棒との絆で乗り越えてくれるはずです。

青柳冬弥

 高い洞察力を持つしっかり者。感じた物事や他人の良さ、敬意などを率直に言葉にできるところ、それもマイナス面よりもプラス面をしっかり捉えられるところ、まさしく「ピュアハートクラス」といった純粋な人物です。ガチガチにクラシック英才教育を受けていたことで色々な体験が欠乏していた分、(キャンプイベスト「Same Dreams,Same Colors」のパプリカが切れて嬉しそうな冬弥を筆頭に)体験を思う存分楽しんでいるところがかわいい。司を異様に尊敬していますが、幼少期の体験が語られた「Never Give Up Cooking!」で納得しました(お菓子作りに挑戦する冬弥も面白かったです)。
 クラシックの英才教育で雁字搦めの日々から逃げ出すために、父が嫌いそうな音楽という理由で選んだストリートの道は、相棒彰人との出会いでかけがえのないものとなりました。父の存在や自身の過去と折り合いをつけ、プロセカ内で最も早くメインストーリーで提示された自身に重くのしかかる過去を乗り越えた人物といえます。今回のイベストでも、苦しかった日々は既に糧になって昇華(消化)されている感があります。今後の冬弥個人のテーマは新さん・颯真さんに関することが中心でしょうか。相棒の大切さを深く実感する冬弥が、相棒と離れてしまった人たちにどんな行動を起こすのか楽しみです。

白石杏

 街の人達の寵愛を受けて育った、誰でも優しい陽キャの鑑。クセのある人と接することにも慣れっこです。瑞希に杏がいてくれて本当によかったし、寧々のように杏の存在に助けられた人は多そう。こはねにベタベタしているのもよく、幼馴染の遥とバチバチやっているのもよいです。
 そんな他者から見て光の存在の杏ですが、抱えている2つのものが実に重いです。1つは、進級前のイベストで示された凪さんや街の人々の重すぎる想い。今回を見ても凪さんのことは全然割り切れてない感じがします。ただ、割り切らなくてもいいのだと思います。(立ち直ってもいいし、一生背負い続けてもいい。『ブルーピリオド』15巻の受け売りなのですが、別れをどう受け止め生きていくかにおいて大切な考え方と思っています)想いをどう受け取るかは杏が決めていいものですが、今の杏は背負うことを選んでいます。
 もう1つは、ずっと抱え続けている「こはねの相棒として相応しくないのでは」「並び立てなくなる」という自身の想い。これをずっとこはねに見せないようにしているのが、読者としてはもどかしいところです。しかし、明るい子でも、いや明るい子で自分の立ち位置をよく理解しているからこそ、弱みを表に上手く出せないところもあるでしょう。杏とこはねは誰が見ても大の仲良しではありますが、Vividsが最高の相棒同士のコンビになるためには、越えねばならない壁がありそうです。

小豆沢こはね

 ハムスターに例えられがちなオドオド系少女、しかしその実は可能性の獣。親に大切にされて真っ直ぐ育った少し内気なお嬢さん…だったのが杏との出会いでストリート音楽の世界に飛び込みました。素直さと妙に座った肝(ぷちセカは伝説でしたね)は、先達からすればどんどん構ってあげて教えたくなる存在。ビビッドストリートのあらゆる人々からどんどん吸収して、才能が爆発しました。大河さんの直感型の教えにビタッとハマって力をつけた所に、才能の高さを感じます。
 改めて公式プロフィールを見ると「苦手なもの・こと 人前に立つこと」とあり、一瞬そんなばかなと思いましたが、最初は「できるできるできる」と無理やり自分を奮い立たせたりと、自信がない描写がかなりありました。本質的に苦手でも場数で場慣れはしていくというのは個人的にも経験があります(私も人前で喋るのはとても苦手ですが、教員として学生の前で話すのも場数を踏むことで出来るようになっていった実感があります)。濃密な1年でチームと個人で積んだ圧倒的な経験値がこはねを支えます。ルカから「結構度胸がある」と言われ「そうかもしれません」と返したところに、自信、自らのしてきたことに対する自覚が少し出てきたのかなと変化を感じました。
 志歩・みのりとの仲良し旧1-Aのこはね、ワンダーステージファン1号のこはねと魅力的な側面は色々ありますが、やはり「杏ちゃん」と呼んでいる時のこはねは輝いています。今や世界へも通ずる道の第一歩は杏ちゃんから、その信頼は揺らぎません。

 出会い、成長、競った相手が仲間に、試練、散り散りになった仲間の再集結、特訓…本線の展開は少年漫画王道を歩むビビバス。そして、ビビッドストリートという「街」を軸に展開してきたのも特徴です。時に街が育ててくれ、時に街に振り回され、何より夢の原点を与えました。今回のイベストで世界中の音楽への出会いが示唆されましたが、「RAD WEEKEND」の壁がある以上「街」に関わることが終わったわけではありません。壁の先を見据える彼らが、困難を全てぶっ飛ばし「街」を丸ごとひっくり返すような熱狂を巻き起こすことを期待しています。

画像出典:『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』イベントストーリー「BREAK DOWN THE WALL」2024年、
SEGA・Colorful Palette・Crypton Future Media
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