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止まったエゴの街を、エゴで動かす「OVER RAD SQUAD!!」イベスト感想【プロセカ】

 『誰に迷惑をかけても、何がなんでもこうしてみせる』というエゴ。ビビットストリートの物語は、誰のことも全く悪く思わない心優しいエゴと無縁だったこはねが、自分のエゴを見つけるまでの物語と言えるのではないでしょうか。
 COLでの特訓を経て、こはねに最後に示されたRAD WEEKEND越えのカギが「エゴ」でした。オーナーさんの言葉にあるように、ビビットストリートの人々は、まあ褒められたものでない面も結構あります。しかし、そのワガママさ、エゴが熱量となり、熱狂を生み出してきました。

 そしてRAD BLAST当日。直前の唐突な彰人の円陣、そしてそれぞれの決意表明が、それぞれのエゴの表明とも言え、サブキャラも含めてとてもよかったです。

EVERは掘り下げ少なかったけれど、ビビバスより年長者なんですよね。
彼らの諦めと再起は、またビビバス達とは違った意味があったんだと思います。

 遠野さんの乱入もアツくて、まあ段取りもへったくれもなんですけど、そのエゴが、そしてそのエゴを受け止める仲間たちの器が、大事を成すパワーになるんだと思います。

 最後の舞台へ、「こうしたい」より「こうしなきゃ」が大きくなるこはねへのミクの「仕方ないよ。ここは想いが渦巻く場所だから、見失いかける時もある」、そして寄り添う背中が最高でした。

 文字通りの命懸けのRAD WEEKENDは、強烈な熱狂を生み出した代償というべきか、「もう二度とない」という枷を街の人々が持ってしまいました。杏に隠し通してきた負い目もありました。ある意味で止まってしまったエゴの街の人々を、「私達の歌でドキドキして。ほら、音楽って楽しいでしょ?みんなも連れていくから。」と無理やり突き動かすこはねのエゴ。とても優しいこはねらしい身勝手さが、シンプルに音楽が好きでバチバチやっていたエゴを街の人に取り戻させたのではないでしょうか。

 新たな伝説RAD BLASTは、止まっていた人々を動かします。仲間はそれぞれの志へ、使命を終えた謙さんも再始動(マジで好き勝手な大河さんと対照的ですが、この人普段コツコツ丁寧にやるのはなるべく迷惑をかけず"好き勝手やるため"であり、本質は同じなんだなあと思います)。
 1つの夢が叶えば、また新たな夢を追っていく。今後の展開は想像つきませんが、これからも熱いエゴを見せてほしいです。

画像出典:『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』イベントストーリー「OVER RAD SQUAD!!」2024年、
SEGA・Colorful Palette・Crypton Future Media
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