顎関節症の社不日記-632日目

 いつも冬になると、夏という存在の輪郭を忘れてしまう。
 まことに身勝手ではあるが逆もしかりで、本当につい最近になって、ポケットの中の悴んだ手と、早朝に毀れた溜息の白さを見てようやく思い出せた。
 冬が来た。朝日に対しての真暗闇、春が来る前の最もしおれた数ヶ月が。

 前の日記から一か月。特段変わったことがあるわけではないが、強いて言うなら普段よりも金銭面でだいぶまいってしまった。溜まっていた年金をまとめて払わされたのだ。「払わなければ差し押さえにいくぞ」なんて、カラフルな手紙が届くもんでつい。

 実際働くという行為は色々自分の手に余る。
 第一に自分はわりと飽き性なのだ。長いこと同じことをやると結構飽きてしまう。そのため向上心も無く、ただ時間を過ごそうと忽せに諸々を済ませ、結果として相対的評価で言えば少しばかり人より遅れを取ることが多い。
 まあもっとも、忽せにというのは言い訳であり、実際出来ない人間であるということは否定できない。結果が無い以上、気持ちがどうとかはその企業に全く伝わらず、伝わっても意味がないのだ。
 今働いているところでも、短期での募集のはずなのに三日かけて教わった業務から急に外され、誰でも出来る部分をひたすら手伝わされることとなった。この日記を書いている時点で残り出勤日数は六日しかなく、繁忙期真っただ中である。それでも要らなかったのだから、よほどなのだろう。


 FPSのゲームを始めた。ガンシューティングだ。バンバン。
 ゲームの名前はVALORANT。銃を撃つゲームというと、あまり知らない人にとってはどれも似たように見えるかもしれない。しかしそれぞれゲームごとに(当たり前ではあるが)個性がある。
 ざっくり言うと相手も味方も五人いて、攻める側と守る側がいる。攻める側は一個だけ時限爆弾を持っているので設置して時間経って爆発できたら勝ち。守る側はそれを阻止する。FPSの中では割と硬派とされている『爆破系』と呼ばれるものだ。VALORANTはその爆破系の中では今最も勢いがあるゲームだろう。

 なのでそれを最近は休日にわりと良くやっている。VALORANT自体ゲーム内でボイスチャットが可能なシステムがあり、そこで普通にプレイしていたら「なんか雰囲気良かったから」と急に人に誘われることも多く、よくDiscordのサーバーに入れられそこにいる人とよくプレイしたりしている。
 やはりFPSなんてもんには若い人間が多く、学生ともよく出会う。年下の人間と話す機会はそんなに多くない人生なので新鮮と言えば新鮮。

 ちなみにこのゲームにはご多分に漏れずランクというものがある。要は「お前の強さはこのくらいな」とゲーム側から決められ、その指標を使って似たような強さの人達とプレイさせるための基準を可視化したものだ。

 そんな自分のランクはアイアン2である。最近アイアン1にもなったりした。

 アイアン2。これだけで察する人もいるかもしれないが、一応分かりやすく例えよう。

 小学校では一年生より六年生の方がだいたい賢い。そしてこのVALORANT小学校ではクラスによっても賢さが分けられている。1-1組よりもちろん6-1組の方が賢いが、6-1組より6-3組の方が賢い。2-2組と2-3組なら2-3が賢い。

 どの学年も全3クラス。一年生なら1-1組から1-3組まで。
 そして自分のアイアン2をこれに当てはまると……1-2組。アイアン1になるということは1-1組になるということである。

 回りくどく言っておいてなんだが、要は下から二番目とドベを行き来しているってワケ。弱すぎか?
 ちなみに弱い理由として、クソほどエイム(銃弾を当てるために狙いをつける行為)が悪いというのがデカい。生まれてすぐ動体視力を含むすべての運動機能をどこかに置き忘れて来た……

 そんなわけで最底辺で遊んでる。しばらくは続けられる趣味になるかもね。まあ引退も全然ある。


 急に最近聞いている音楽を紹介のコーナー。
 前から最近文章を書いている時、歌詞がある音楽だとやや集中を欠いているな……と思い雨音の10時間耐久みたいな歌詞も何もないものを好んで聞いていたのですが、最近になって別にあんま変わんないなと思い直し、色々聞くようになりました。

 一番上はそんな説明に関わらず歌詞の無い曲。『going home』。
 労働を終え疲れて何もしてない時に虚空を眺めながらぼうっと聞いてます。なんならそれ以外ではあんま聞いてないです。

 二つ目はChevonというバンドの『No.4』。色々考えてしまって眠れなくなった深夜の脳内みたいな曲。
 個人的な解釈ですが、変わろうと思っても変われない平凡さへの自己嫌悪を中心に、「愛」と称するものへ八つ当たりのように感情を吐き出してしまう、みたいな曲なのかなと思います。でも結局愛とかそういうのじゃなくて、ただ自分の苦しさをそれ以外のどこにも向けられなかった、みたいな。
 
 この曲に限らず曲への解釈というのは世の中ありますが、こうして自分の中だけで色々考えるのが自分は好きです。こうして考えることで、他人の曲だったものが、聞いている自分の世界にしかない、自分だけの曲になる気がします。
 
 三つ目は『夜鷹の夢』という曲。アニメ『ゾイドジェネシス』のオープニングテーマなのですが、オープニングにするには余りにも暗い、ストーリー仕立てな歌詞が特徴。
 あまり語ることはないですが、パイロットの苦悩を書いたような小説を読んだ後にこの曲を聞くのがおすすめです。有名どころだと永遠の0とか夜間飛行とか。
 


 金無い。
 年金なんて払わなきゃ良かった~~~って思ってる。金なーーーーーい!!!!!
 来年に一応泊まりでどうこうする予定が一つあるけど、危ういかもな……


 昔より、空を見ている時間が多くなった。空以外、壁や地のアスファルトも。

 ゲーム、本、映画。
 そういった娯楽に生かされてきたはずだが、少しずつ少しずつ、そういったものに触れる回数が減ってきている。代わりに、ただじっとベランダから空を眺めているのだ。
 好き好んでそうしていると言うより、そういった娯楽に触れる気が起きなくなったという方が正しい。
 疲れるから、飽きたから。そういったことでは無い……とは思うのだが、何だろう。『そういうことをしなくても十分だな』という感覚が今自分の中にある。お腹が空いていなければ、好物だってそんなには食えない。
 
 無為の時間だと言わざるを得ないだろう。それでも、なんとなく満足だからそうしている。
 その時間を何かに使えただろうと自省することもあるが、それも一過性のものである。また自分はどこかをぼんやり見て、日が登ったり沈んだり。


 人の家に遊びに行って、おでんを食べました。おでんパーティがやりたかったそうなので参加を口実にタダ飯食いに。
 ホントは五人集まるはずが、予定が合わなかったりして家主含め三人しか集まらず。残念。
 今の仕事を無事辞めてきて、夜勤明けで寝ずにそのまま直行。ついでにソイツの家でシャワーも借りまして、自由に部屋を使わせてもらいました。

 集まったらマリオの最新作でもやる?と三人でマリオをやったものの、何となくイマイチ。別に三人でわざわざやる必要も無いな……みたいな。なのでわりと早々におでんを食い始めることになった。酒もアリで。

 一応自分は今住んでるとこの大家さんから貰った(安)酒を持参しましたが、もう一人はウォッカ持ってきてました。おでんにウォッカ持ってくるヤツいるか?いたわ。

 特に何の考えもなしに食べたので、写真も撮ってません。撮っとけば良かったな~~~と書いてる今そう思ってます。ここに貼れたから。
 
 作ったヤツ的にも周りのヤツ的にも「もうちょっと煮込んだ方が美味かったかな~~~」みたいな感想でしたが、それ抜きでも普通に美味しかったです。おでんとか久しぶりに食べました。

 お酒も入ったので普段しない話とかもした。といっても別に秘密の話とかじゃなく、共通の知人の話がどうだとか、最近何してんだとか、自分が話したものだと昔VTuberやってた時の話とか。普通の飲み会ですね。

 話し込んでたらウォッカ持ってきたヤツが限界迎えてもはや判別不能の言葉と共にダウンして行ったり、その後に残った二人でやったことの無い謎のテニスのゲームやったり。

 光景だけなら日本のどこにでもありふれたような感じですね。なんか。
 でもいい時間だったな。もっかい同じ日繰り返してもいい。


 今月もっかいくらいnote書くのか、これが今年最後のnoteなのかは不明。
 最後だったらよいお年をとか言った方がいいんか?と思ったけど言わんでおくわ。
 年末。まだ人と会う予定もあるし、ゆっくりするか……
 


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