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顎関節症の社不日記 -1~7日目

はじめに

 一人暮らしを始めたのでなんとなーく書いている日記。社不(社会不適合者の略)とは書いたもののそこまでではないはず。家事が出来ず仕事への意欲が無く、全身ド不器用で探し物がクソ下手で多人数より一人のほうが好きな場合が多いだけで。社交性はギリギリあるので頼れる人はいるらしいし、大学もちゃんと卒業予定だ。
 いやホントただ、働く気と社会に適合する気が無いだけなんですよ。多分自分よりダメなヤツっていると思うんだよね。かろうじてまだマシなほうなんじゃないかな~って。ウン。

?日目

 大学4年生も終わろうとする3月某日、家を追い出された。正確には出て行ったとも言えるし、本当に良く言えば急に独り立ちしたとも言えるだろう。

 出不精の引きこもり体質である自分は、インターネットが大好きなだけで人間としてはあまり持つ物の無い、比較的クズ側の人間である。
 働きたくないという思いのままアルバイトの経験も殆ど無し(倉庫バイトを数回)に、就活も何もしないままただ一人『無』の世界を構築していた。親からは色々な正論を言い渡され、祖母からは心配され。そんな日々が続いたのち、突如実家暮らしに終焉のラッパが吹いたのだ。

 うちの家族は自分以外真面目というか、まあなんともキッチリ社会に向き合っているので色々ソリが合わなかった結果の破滅。不徳の致すところではあるし、自分でも社会的に見れば明らかに非はこちらにあるのが分かる。しかしどうも自分は『想定を裏切りたい』という思いが昔から強く、まわりがちゃんとしていればいるほど反骨精神が沸き上がるのだから仕方がない。ユダの生まれ変わりか?

 さて荷物をまとめてお天道様の下へポイとなった。
 インターネットの回線と毎日の飯さえあれば生涯不満なく生きていける自信はあるが、今はそれすらなくなってしまった。ホームレス中学生なんてのが昔流行ったが、今自分はそれに倣って言えばホームレス大学生というわけだ。ハハ。
 じゃあ、それに倣って段ボールでも食いに行くか。と街へ出てカラオケに入り、7時間ほどの時を過ごす。隣から聞こえるファッとして桃源郷を肴にコーラを飲む。最高や。
 歌いに歌ったのちカラオケを後にする。事前に「追い出されたら居候させてねー」なんて話していた友人の元へ行こうとすると、久しく見ていない大雨が降ってきた。しかも行くまでの道のりを迷いに迷い、ぐしゃぐしゃの状態で友人に電話。人力ナビゲートありきでたどり着いた。なんでこんな時に雨が降るんだ。
 家が見つかるまではここにいるしかない。居候という体験を得るとしよう。意外と貴重な体験だろうし。

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0日目

 2週間ほど友人の家に住まわせてもらい、その間に運よく住める家が見つかった。多分ここ以外だとマジでキツかったんだろうなという様子が不動産仲介の人からめちゃめちゃ伝わってくる。なんか審査1回落ちたけどもう1回受けてくれたらしいし。媚び売っといてよかった~。
 そんな2週間の間、自分の足りない部分がよく見えることも多かった。人のルールに沿って生きようとすると失敗ばかりだ。自分1人でいる分には転ぼうと何か破壊しようとその場で注意は飛んでこないが、人といるとそうもいかない。ムズイね。人、みんなこうも生きる中に考えていることがあるんか?それとも友人がちょっと文化的になろうとし過ぎなのか?後者だったら楽なんだけどなぁ。

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これは居候中で行った旅館の写真。

1日目

 友人の車に荷物を詰め、調味料である料理のさ~そとか布団とかを色々店巡って買って新居へGO。2週間センキューですね。
 電気も水も使える。あとはガスだな……と部屋を見る。冷蔵庫と洗濯機がある物件と勝手に頭の中で混同していた以外、理想的なワンルーム。冷蔵庫と洗濯機、買わなきゃな……。
 これが風呂で……これがIHの電気コンロか……ん……?
 つまり、ガスの契約をしても風呂が使えるだけか……。

 というわけでガスの契約をしないことにした。水最高!冬は『耐え』だな。

 友人の車が去ったあとそんなことを考えていると、あることに気付いた。
 「机とカーペットが無いな」
 そういえば布団を買うついでにカーペットを買ってなかったし、近くにあるリサイクルショップに寄ってもらうのを忘れていた。まあカーペットは無くてもいいが、リサイクルショップは大誤算だ。
 ということで歩いてリサイクルショップへ行った。往復で合計2.5km以上はあったが、無事小さめの机とついでの座椅子を抱えて新居へ帰宅。パワー。
 
 帰宅して少しすると携帯が鳴った。すぐ近くに住む大家さんからのガスについて確認の電話だった。「ガスは使わない」と言うと心配されたが、人間いつでも「パワー」があれば耐えられるだろう。
 
 その流れで大家さんの家へ挨拶に行くことに。下世話な感じの奥様と寡黙な旦那様の老夫婦である。心配されない程度の嘘(親とは仲が良い、就活はしている、アルバイトはすでにしている等)を会話の流れで吐いたところで再び帰宅。
 せっかくなので水の風呂へ。もちろん石鹸の類は無事買い忘れているので本当に水オンリーだ。
 まあ……いけるか!楽観をもって初風呂は終了。まあ寒かったら貰った電気ケトルでお湯沸かしてお湯濡らしのタオルで体拭けばいいか。寒い時は汗も出ないしいいだろ。別に。

 日も傾きもう16時。やれることもないので近所の散歩へ。といっても引っ越し先は実家からわりかし近く、ある程度は見知っているくらいの土地。本日の夕ご飯と明日の朝ご飯をコンビニで買い、おおよそ何もなく帰宅。今日は暑かったからか、家に帰ると花粉で目が痒かった。ハウスダストアレルギーなのでホコリのほうだったかもしれない。
 携帯で明日以降やることを確認しつつのんびりしているとあっというまに日暮。1日はなぜこうも早いのか。PCを取り出して日記をつけているともう20時である。なぜなのか。まばたき1回で1分飛んでる? 
 やることもないので、ゲームでもしたら寝ようと思います。おやすみ世界……。
 1人の夜というのは意外と経験がないが、やはりこちらの方がしっくりくるような気もする。これは初日だから強がれているだけなのか、はたまた本当に適正があるのかのどちらかだろう。もしくは隣人の生活音がわりと聞こえるから寂しくないだけかも。
 今はインターネットの環境がないので普段よりはやれることが少ない。この日記もメモ帳の機能に書いている。今ある暇つぶしが無くなるのが先か、インターネットがつながるのが先か。
 まあ、暇の方が無くなるのが先かもしれないな……

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 電気ケトルはプレゼントしてもらいました。感謝。

2日目

 朝6:30に起きる。今日やることは3つ、区役所で転居届出して、警察署で免許証の住所変更して、その免許証でネット銀行に申し込む、と。なので区役所が開くまで別に起きる必要はなかった。早起きによる損の発生だ。損回避のために近所を散歩。家のトイレを汚したくないという考えでコンビニで用を足す。家のトイレより高性能なので今後も普段からこういうことしていくんだろうと予想できる。
 9時になったので区役所まで歩く。幸い歩いていける程度の距離。歩いてはぼんやり考えごとをして……とかしてると区役所の前まで来て気付く。印鑑忘れたわ、と。ちょっと長めの道を戻る戻る。そして無事印鑑get、andGO。なお転居届提出に印鑑は使わなかった模様。悲しいね。
 帰り際にリサイクルショップを漁り、鏡を買ってそのままの意味で持って帰った。
 一応12時から14時の間にJCOMから電話があるらしいので帰宅後待機。13時半に電話が来た。数日後になんか元ある設備とかの説明をしてくれるらしい。あとwifiをまだ契約してないと言ったらそこらの説明もする感じになった。
 14時前に警察署へと出かける。出掛ける前にメルカリからのお届け物が不在通知になって入っていた。何故いない時に来てしまうのか。
 歩くと面倒なくらいの距離なのでバスに乗る。なんとなくバスの中でカーペンターズのTop of the wolrdを脳内再生。よく昔、塾に行く時はTop of the wolrdをバレない程度に口ずさんでいたのを思い出す。別に歌詞ほどまで幸せだったとは今もその時も思ってはいない。
 警察署は思ったより混んでいた。幼少期に一度何かの用で来たきりだったので全く勝手が分からなかったが、なんとか免許に新住所を刻めることに。
 帰りは歩いていける距離のイオンに行きたかったので徒歩で帰る事に。ハンガーや風呂桶を買って帰路へ。なお風呂桶は使う予定がが今のところないらしい。無駄だ……。

 帰宅してクロネコヤマトに再配達を依頼してからスーパーへ。鳥肉とごぼうとシャンプーと……を買って帰ることに。スーパーでは袋を忘れたので全部抱えて帰った。
 一人暮らし初の料理?へといっても肉を炒めただけである。ごぼうはおいたまま。火力が弱いのと全く焼き加減が分からないのが重なったおかげで20分くらい炒めていた。
 PCでゲームを開く。サノバウイッチを自動再生しながら焼いた鶏肉をカップ麺へ。横にはCCレモンのデカいペットボトル。人生の頂点かよ。
 明日は大事な用があるので風呂へ。なおガスの契約はしていないので水だ。多少凍えながら風呂を終えるとそのままPCにDL済みだったフリーゲームをやり、ついでに日記を書いて22:42。寝ようかな。明日は9時には家を出なきゃいけなくて。

 終わる時になって思ったのは「今日みたいな気分で一日を過ごせるなら、独り暮らしも悪くないな」。そういう日ではあった。

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3日目

 今日は大事な予定(大学卒業式)があったが、なんとスーツ用の靴を実家に忘れたので行かない事に。急に丸1日暇になってしまった。まあ靴があっても家の鍵をどっかにやってこの後1時間ほど探すので遅刻なわけだが。
 大学の知人友人達からLINEが来る。事実は恥ずかしいので熱が出たということにしてLINEを返す。学校にも同様に欠席を伝えた。

 そういえば昨日閉店セールをやっている本屋をバスの車窓から見かけた。多分歩いていけるだろうし、歩いて行ってみようと30分。無事到着。
 入ってみると漫画が異様に安い値段で売っていた。中古といえど全部10円だそうで。しかし見た目のわりに『普通』の本があまりない。その代わり入ってすぐ見える18歳以下立ち入り禁止の暖簾。……もしかして、見えてないスペース全部アダルトなもんばっかなの!?

 まあ入る事にする。入った瞬間予感してたものがずらり。なんともご丁寧に女優さんだとか、二次元のコーナーだとか、アダルトグッズの棚などがずらずらずらり。なるほど、本屋の見た目をしたアダルト専門店だったか。
 しかしどれもご丁寧に会社や女優で分けられ、二次元は作家が名前の順で並んでいる。閉店前の店とは思えないほどに陳列にはクオリティの高さを感じる。決して古いものだけでなく、2022年発売のものもしっかり存在。なぜこんな人の救いになる店が無くなるのか。世間は無情な物である。
 一通りかつてあった(かもしれない)熱気を味わった後、80円で全巻セットのちょビッツとコミックLOの最新刊を買って出た。LOはインテリア。

 途中で寄ったことの無いリサイクルショップに寄り、足りなかったハンガーと掃除用具のコロコロを購入。まだ家に無い冷蔵庫と洗濯機をちらり。配達料を考えるとamazonで新品を購入する方が安そうだ。
 帰る途中でとある友人Dから電話。この人物は時々散歩のついでに電話をしてくる。一人暮らしを始めたというと驚かれた。冷蔵庫があったら時々料理をしに行くかもしれないとのこと。買おうかな。

 電話が終わるととうとう完全な暇が出来た。ネット銀行が開設できたというメールが来たのでその流れでクレジットカードでも作ろうかと思ったが、なんだか今日は面倒なのでナシ!な気分になってしまった。ちょビッツは確実に暇な明日に読もう。

 夜になった。昨日買ってきたごぼうをまるまる一本食べながら、カップ麺の貯蓄を食べていく。先にごぼうを軽く洗ってまるかじりしていると、口や喉が痒くなってきた。知らないだけでアレルギーだったんだろうか。残り3本もあるが……まあ、危ないし捨てとくか。
 カップ麺はとんこつ味。例によってサノバウイッチをオート再生しながら食う。うまい。

 食べ終わってからこうして日記を書いているが、まあ今後もこの生活がしばらくは続くんだろうなと思うとなんだか気分がいいような、悪いような。洗濯機がないのでしばらくしたらコインランドリーにいかなきゃな。初めてだ、コインランドリーの利用って。

 明日は今まで見たいに事実ばかりじゃなく、1つに絞って色々私見なんかを書いてみようかな。

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 ちょびっツ全巻で80円!安い!

4日目

 昨日の自分が言っていたように、1つのことに絞って書いてみよう。今日のテーマは……『非効率』だ!

 一人暮らしする前から分かっていたことだが、自分は記憶力があまりない。というか、うっかり何か忘れることが多い。
 例えばこの日記では、

・『「机とカーペットが無いな」そういえば布団を買うついでにカーペットを買ってなかったし、近くにあるリサイクルショップに寄ってもらうのを忘れていた。』
・『区役所の前まで来て気付く。印鑑忘れたわ、と。』
・『スーパーでは袋を忘れたので全部抱えて帰った。』
・『今日は大事な予定(卒業式)があったが、なんとスーツ用の靴を実家に忘れたので行かない事に。』

 と1日1回以上のペースでうっかりを頻発している。過去のマイナスをゼロにするだけでどれほど限りある寿命をすり減らしたことか。
 じゃあもしかしてこの4日目も……?と思った方がいれば正解である。
 今日は本来、家を出る予定の一つもない平和な日。しかし残念、なぜか座椅子の下敷きになっていた眼鏡を見事に粉砕。新品購入のために電車に乗って最寄りのJINSへ行った。マイナス5500円。そして銀行口座を新しく作ったので貯金を移そうと思ってたのに完全に忘れていることを今思い出した。あ~あ。
 こういう不注意を頻発する病としてADHDという病名が挙げられるだろう。しかし残念、実は過去に一回それを疑い病院に行ったが、まぎれもなく健常者として帰された。
 
 大うっかり者として人よりひどく回り道をしている。良く言えば他人とは違う道を歩いていると言えなくも無いが……事実、ただ後塵を拝しているだけというのがのが現状である。回り道というより、同じ道を慌てて行ったり来たりなのだから。

 世の中何らかの障害を個性と扱うこともあるが、厄介を抱える本人からすればただただ重しを抱いているだけ。どうか、来世のじこの『つるの折れた眼鏡』を生まないようにしてほしい。

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5日目

 ネットの回線の営業の人が来る以外まったく何もない日だった。
 元々工事自体はされているので契約するしないとかの確認くらいだったが、学割が使えるので契約した。なんかHDMI付きのモニターあればテレビも見られるようになるらしいし、結構安くなったので。

 そんな中1つ思ったことがある。仕事とはいえこの家に来たからには、ある程度業者の人もこちらに話しかけてくれるわけだ。
「学生さんってことは……4月から新社会人ですか?」
「いえ、病気で9月卒業でして」
 こういう時正直に「いえ、フリーターです😁」とか答えて微妙な顔をされたくないので適当に嘘を吐いている。まあそれはいいとして、だ。
「へぇ、大変ですね」
「まあ今は健康なので」

 ……
 
 会話が続かない。というか気付いたが自分は『会話を続ける努力をしていない』。
 業者の人に何か質問をするわけでもなく、かといって質問をされても必要以上には答えない。なので雑談が生まれないのだ。
 思えば自分は元々極度に受け身の人間である。話しかけるが話しかけず、去る者は全く追わない。というか自分から勝手に去る。実際今まで知り合ってきた知人友人は全て『何故か相手から話しかけられた』か『話しかけられた相手の知人だった』以外の関係で始まったことがない。
 また実際喋るのはそう不得意な方ではないはずだ。しかし会話を続けるという行為は今まで『喋っている相手』に任せることが多かった。

 なるほどな、適当に生きているとは思っていたが、そんなところも適当だったか!と気付いたのはもう夕方。業者の人とは最低限の会話以外せずに終了。明日は工事の人が来て、ネット回線が自由に使えるようになる……のかな?ともかくコミュニケーション能力の欠如を思い知って今日の予定が終わっていた。
 まあ、特に直さなくてもいいか……そんな思いでのんびり過ごし、適当な夜ご飯を食べていると、ふと思い出すことが一つ。
「複数人応募があったので選考となります。結果ですが、○○日(今日)の夜までに連絡がなければ不採用ですので……」

 これ、アルバイト落ちてんなぁ……
 まあそれでもやっぱりコミュ力を上げる気にはならなかった。ワガママだから自分が変わるのでなく、そのままでも受け入れてくれる場所を探したいね。

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 これは今日の夜ご飯です!うまい!

6日目

 ネットの回線工事終わり!家でネット無制限に使えるぞ~~!!!
 昨日の日記の通り、業者の人とのあんまり会話のドッジボールは上手くなかった。ちなみに普通のドッジボールはもっと上手くない。
 そういえばなんか設定の面で微妙に上手くいかなかったところもあるが、基本的には大丈夫そうだ。月々にかかる金がまた増えたな。

 あとはメルカリで頼んだ炊飯器を初使用。無事ご飯が炊ける。
 そういえば味噌を持っている。冷蔵庫もないのでしばらく用なしだと思っていたが、これは開封後も常温保存可能な食材。これをつけて食べよう。
 
 ……うまい!そういえば白米ってここにきて初めて食べたかも!味噌も久しぶりに生のまま食べたけど破壊的にうまい!
 
 そういや実家にいるころは白米くらいいつでも備蓄があったな。というか肉とか野菜とかもいつでも備蓄があったはずだ。ここに来てからは何もない。冷蔵庫が無い以上食材の備蓄なんてできないし、買っても料理をするだけの腕はない。さらには節約術なんてものもまだ分かっていない。こう考えると実家のありがたさが身に沁み……
 ……てない。苦労を差し引いても一人になれたことの方が数倍嬉しい。元々人と生きるのには労働面でも精神面でも向いていない人間であるので、こうしてただ1人、生活の中の自由を頬張っているのがあまりにも楽で、楽しいのだ。

 昔から人が大好きだった。両親を含めた家族全員、自分以外が用事があって家にいないなんて日はそれだけで家族旅行の10倍は嬉しかったのを記憶している。
 それは家族が嫌いだったとか、居たら嫌なことがあるとかでは全くない。普通に生きている分には害のない家庭だった。ただただ訳も分からない『喜び』の感情が完全な孤独のうちに存在しているのだ。
 では本当に孤独でいたいのか、というとそれも違う。実際友好関係にある人間はいるし、今日も友人の1人と電話をした。一応は完全な孤独が好きなのでなく、何らかの関係に囲まれる中で孤独になる瞬間が好き、ということなのだろう。仏教でいう色即是空みたいなもんだろうか。ちょっと違うか。
 まあ一番分かりやすい例えだと『休みが好き』でなく『月曜とか人が働いている時間に優越感を得ながら休むのが好き』みたいなことだ。

 とはいえこれからバイトでもなんでもいいがお金を貰わねば生きていけない。つまりは誰かないしどこかと関係を持たなければいけないらしい。

 嫌だなあ。シンプルにそう思いながら、スマホアプリの『タウンワーク』を今も眺めている。

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 白米、お前美味すぎないか?

7日目

 1週間経ったらしい。今日はマジで何もしていない。10時に起きて4時までスマホとパソコン見てただけ。その間トイレにもいっとらん。4時になってようやくバイトの応募をしただけだ。

 バイトを選ぶとき、どうしてもそのバイトに行かない理由が出てくる。やれコンビニは面倒だとか、倉庫は疲れるだとか。逃げ癖というより、やっぱ面倒なのだ。
 ただわりと行動自体は早い方で、居候していた時なんて一瞬で不動産に行って今の家を見つけてきたのがこの家。本当に働くのが、というより人と生きるのだけが面倒で仕方がない。
 人が全て嫌だとはそりゃ言わない。ただまともな人と生きるのが嫌なのである。例えば今の自分の現状に対して
「就職先早く見つけた方がいいんじゃない」
「大変だね、応援してるよ」
 とか言われるのが一番腹が立つ。社会のまともさが嫌いなのか、実は図星を突かれて気分を悪くしているのか。自分でも分からないがどうもダメなのだ。
 そういえば小さい頃は泣き虫で、少し怒られては泣き、不安があれば泣きを繰り返していた。2時間3時間と泣きっぱなしの時も少なくはない。ただその時から「大丈夫?もう心配ないよ」みたいなことを言われるとなんだか自分が惨めなようで気を悪くし、余計に泣いていたのを思い出した。
 今はどうなんだろうか。別に今を惨めだとは思ってはいないはずだ。そもそもまだちゃんと生きようとすれば生きられるだろう身で、わざわざこういう生き方をしているのだ。流石に惨めだと思うなら最初からこんなことはしていないだろう。いったい、何が嫌なんだか……

 まあ、いっか。生きてるしな……
 色々考えながら、夜にスーパーで買ったお寿司を食べたらどうでも良くなった。
 うまかっ  です。

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